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About xseeds

xseeds(エクシーズ)とは、グローバルに才能の発掘、教育、最適配置を行い

未来のイノベーターを輩出する教育プロジェクトです。

わたしたちは、世界中の才能の種を探し、光をあてることから始めました。

そして、これまでの事業やプロダクト開発で培ったノウハウとこれからのトレンドを反映した

独自カリキュラムを活用し、自身で未来を切り開くことができるよう、蕾になるまで導きます。

さらに彼らが才能を開花し価値創造できる最適な場所を見つけ、送り出していきます。

様々な要素 "x"と才能 "seeds"をかけ合わせ、未来のイノベーターを輩出し、

世界にポジティブなアップデートを起こす価値創造人材を創出するための仕組み

わたしたちSun*は、これをxseeds(エクシーズ)と名付けました。

xseeds(エクシーズ)とは、グローバルに才能の発掘、教育、最適配置を行い 未来のイノベーターを輩出する教育プロジェクトです。

わたしたちは、世界中の才能の種を探し、光をあてることから始めました。 そして、これまでの事業やプロダクト開発で培ったノウハウとこれからのトレンドを反映した

独自カリキュラムを活用し、自身で未来を切り開くことができるよう、 蕾になるまで導きます。

さらに彼らが才能を開花し価値創造できる最適な場所を見つけ、 送り出していきます。

登録学生には、Sun*が支援した400件のプロダクト開発のノウハウを凝縮した実践的なIT教育と、 大学4年間の日本語教育など、累計で最大1,200時間のカリキュラム(※1)を提供しています。

様々な要素 "x"と才能 "seeds"をかけ合わせ、未来のイノベーターを輩出し、 世界にポジティブなアップデートを起こす価値創造人材を創出するための仕組み わたしたちSun*は、これをxseeds (エクシーズ)と名付けました。、

xseedsニュース
ECC様共催「外国人ITエンジニア起用のホンネと成功のカギ」セミナー開催!
ECC様共催「外国人ITエンジニア起用のホンネと成功のカギ」セミナー開催!
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!先日、株式会社ECC様と共同でオンラインセミナー「外国人ITエンジニア起用のホンネと成功の鍵」を開催いたしました。今回共同開催に至った経緯として、同じく教育事業を行っていること、これからの日本の人材不足について同様の課題感を持っていることから、お互いの知見をもとにセミナーを開催することでより現場に近いお声を視聴者の皆様にお届けできると思いました。 「外国⼈ITエンジニアを起⽤しようか迷っている...」 「他社ではどのように採⽤を成功させているか知りたい...」 と感じている人事担当者や経営者の方がいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、セミナーに参加できなかった皆様向けに、当日どんな話があったのかお届けします! 外国人ITエンジニアを雇用している 外国人ITエンジニアを雇用予定である 外国人材のマネージメント方法がわからない グローバルな職場環境をつくりたい そんなお悩みをかかえる方々の不安や疑問を少しでも取り除ければ幸いです。 登壇者の紹介 このセミナーで登壇していただいたECC様の加藤様を紹介致します。 加藤 征男 氏(株式会社ECC)⽶国留学後、新卒で英会話講師としてECC⼊社。広告広報業務とWebデザイン講座の企画運営に携わる。その後Web系企業に⼊社し、上場企業の採⽤関連サイトを多数プロデュース。新卒採⽤の仕組みに疑問を持ち、⼤学コンソーシアムにてキャリア教育に携わり、留学⽣や理系修⼠・博⼠のインターンシップ事業を⼿掛ける。外国⼈のキャリア形成を⽀援する事業を⽴ち上げるべく、昨年よりECCに復帰し現職。 セミナーの概要 本セミナーは以下の3つのトピックを、加藤様と弊社の眞田が対話形式で行いました。 外国人を起用するメリットとデメリット 外国⼈材と働く上でのトラブル例、具体的な成功例 外国⼈材と働くために必要スキル 実際のセミナーでの臨場感をお伝えすべく、こちらの記事でも当日と同じように対話形式で表現していきます! 外国人人材を起用するメリット・デメリット 実際にセミナーで使用したスライド① 早速眞田さんに外国人材のメリットとデメリットについてお聞きしていきます。 大きなメリットとデメリットは上に挙げられている通りです。最大のメリットはやはり優秀な人材が採用できることですね。日本国内で優秀な学生を採用したいと思っても、実際にはなかなか難しいというのが現状だと思います。ですが少し海外に目を向けるだけで、優秀でも働くところが見つからないという人材がたくさんおり、採用に結びつけることができます。 なるほど…私も前職で日本人の学生のキャリア教育に携わっていたのですが、有名な企業でしか優秀な学生が採用できないという悩みがありました。ですが海外に目を向けると、優秀な学生を十分に採用できるということなんですね! 確かにSun*が教育事業を行っているハノイ工科大学などのベトナムのトップ大学でも同じことが言えます。私自身もジョブフェアのたびに、「ITの実践的な技術を身に着けているだけではなく日本語もできる優秀な学生がとても多い」と感じ、ぜひ彼らを必要としている日本のIT業界で能力を発揮してほしいと毎回思っています! 一方で、外国人エンジニアを採用するとこんなデメリットがあるということを教えていただけますか? 外国人材起用のデメリットとしてよく聞くのは、多様性と表裏一体ではありますが文化のちがいによる混乱ではないでしょうか。比較的経営層の方々は多様性やグローバル化など意識が行きますが、現場の方々は急に外国人が入ってきても、一緒に働いたことがないからどう接していいのかわからないという不安などからストレスが溜まってしまうことがあるかと思います。そしてフラストレーションから衝突が起きてしまったということを聞くこともあります。 外国人材の受け入れにおいては、社内で一丸となって行う大きなものだと思います。もちろん、外国人の採用側だけではなく外国人材側も、日本の文化を理解する努力や語学力の向上など、お互いが歩み寄れることが大切ですね! 外国人人材採用後のトラブル例 実際に実際にセミナーで使用したスライド② システム開発のバグ発生時のトラブル 実際にあったトラブル例として、どんなものがあるのでしょうか。 すごくよく起きるトラブル例を紹介しますね。システム開発において、バグをゼロにすることは絶対に不可能と言われています。バグを発生させない方法はたった一つ、何も開発しないこと。そのくらい、バグはどうしても発生してしまうものなんです。大事なのは、バグが発生した時の対応力や対応の仕方です。ここが日本人と外国人の対応で大きく異なる点で、日本人はミスがあったらまず謝り、その後できちんと対応策を考えて実行するという「ミスを自責と考える文化」が根付いています。 私自身も「うんうん」と頷きながら聞いていた部分です。社会人一年目の時に当時働いていた会社で、入社してすぐに学んだことのひとつが「自責」だったことを思い出しました。 外国人は「自分は悪くない」「環境が悪い」ということから始まります。例えば、「情報が足りなかった」や「お客様がちゃんと確認してくれなかった」というように、他責になってしまいがちです。 「言わなくてもわかる」は通じないということですね。 そうですね。きちんと言葉にして伝え、外国人は物事をこのように捉えるという背景を事前に認識をしておかないと、日本人は「なぜ謝らないの?」と不快に思ってしまいます。 他にも、「日本人は行間を読む能力に長けている」ということや、「大丈夫という言葉の意味は、その時の状況や相手の立場によって全く異なるものになるが、それを日本人は正しく理解することができる」というお話がありました。本当にその通りだと思います。「大丈夫」というのは魔法の言葉で、ときには「問題ない」という意味になり、ときには「いいえ、結構です、いりません」という意味になります。今まで深く考えずに何気なく使っていた言葉でしたが、改めて考えてみると、日本人の空気を読むという力などが働いているからこそ、多様な意味で使われているんだなと感じました。日本人、恐るべし… 外国人人材と働く時に必要なスキル 実際にセミナーで使用したスライド③ 実際に日本人側として、言語レベルとしてはどれくらいの人を雇えばいいのでしょうか。 どんな人を雇用すればいいのか、言語レベルはどれくらい必要なのかというものを数値化するのはとても難しいというのが正直なところです。「コミュニケーション能力が高いとは何ですか?」という質問にはなかなか答えにくいんですよね。 そうですね。 なので、私たちが提示しているもので言えば日本語能力試験となります。この試験は日本語の読解や聴解を計るもので、N2程度があるといいのではないでしょうか。 判定する基準の一つとしてN2を持っているといいのかなと思います。では、母語を話す日本人側としてはどんな能力が必要でしょうか。 これは私自身が心掛けていることなんですが、主語をはっきりさせながら話すことや、文法通りに話すようにしています。また、話したいことをまずテキストにして伝えることもしています。口頭ベースで伝えてしまうと理解が難しいことも、事前にテキストを理解してもらうことによって、伝えたいことがうまく伝わりやすいです。 なるほど。母語話者が寄り添うということですね。 言語能力以外にも言えますが、雇用する側の日本人がいかに相手に歩み寄ろうと努力するかで、双方の理解が深まると思います。日本に興味を持ち、頼れるものがない状態でも日本の企業で頑張って働こうという外国人に対して、心をオープンにして「日本を好きになってくれてありがとう」という気持ちを持てる日本人がどんどん増えるといいですね!日本の労働人口はますます減少していきます。そんな時に働き手となって日本経済を支えてくれるのは、日本人だけではありません。将来、日本の企業で働くことを目標としているベトナム人の学生が、少しでも働きやすい国になること、ベトナム人学生が日本をさら深く理解することのお手伝いを、今後も教育事業部一丸となってしていこうと思います! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回は株式会社ECC様と共同で行ったオンラインセミナーの様子をお届けしました。今回、紹介した内容はセミナー内のほんの一部となります。全ての内容を書きたかったのですが、情報盛りだくさんのセミナーだったため文量が膨大となってしまうことを避け、一部抜粋いたしました。もっと知りたい、リアルな情報を教えてほしいという方はぜひご連絡いただければと思います。「やっぱり外国人の採用はちょっと…」という企業様も、優秀な人材の採用を目指して一緒に考えていけましたら幸いです。 わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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密着取材 ~日本語教師という仕事~
密着取材 ~日本語教師という仕事~
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!これまでの記事で、Sun*で働く日本語教師をご紹介してきました。今回は「そもそも日本語教師って授業以外は何をしているの?」という部分についてお伝えしたいと思います。実は日本語教師って、業務時間の中で授業をする時間はほんの一部なんです。これは日本語に限らず教師という職業の方々は同様かと思いますが、授業以外に行うことが山ほどあり、かつ多岐にわたります。こちらを読んで、日本語教師の仕事の全体像を知っていただけたら幸いです。 そもそも日本語教師とは? 日本語教師とは、母語が日本語ではない人に「外国語」として日本語を教える教師です。日本人に限らず、外国人の日本語教師もいます。外国人に日本語を教えるためには、音声や文法等の専門知識、それらの教授法などを学ぶ必要があります。また、学習者の状況や目的に合わせて指導法を考えなければなりません。例えば、日本語にほとんど触れたことがなく楽しく学びたい子供と、ある程度日常会話はできるけど高みを目指してビジネス日本語を学びたい大人。知りたい日本語の表現も違うし、教え方もゲーム方式だったり大学の授業のような形式だったり相手に合わせる必要があります。日本語教師はいわば日本語を操るスペシャリストという立ち位置でしょうか。 では、日本語教師の需要についてここベトナムの状況を少しお伝えします。ベトナム政府・教育訓練省の決定により、2016年から公立小学校の第一外国語として、英語以外に日本語を設定している学校があります。よって、日本語は身近な外国語の一つです。また、未来の技能実習生や、Sun*独自のプログラム「x seeds Hun(エクシーズハブ)」の学生のような渡日を目指しているベトナム人もいて、ベトナム国内での日本語教育の需要が高いです。ここまでは日本語教師とは?という部分の説明でしたが、ここからは日本語教師の仕事内容についてお伝えします!Sun*所属の日本語教師を例にあげて、「教師って授業以外は何をしているの?」「授業中気を付けていることは?」などについてお伝えします! 授業前の準備 まず、「どういった教え方がベストなのか?」などということを考えながら、テキストや扱うページを事前に読み解きます。これを『教材研究』といいます。その後、授業の台本を作成します。この台本を『指導案』といいます。 実際の指導案の一例実際に木村先生が作成された指導案の一部 指導案には時間配分も書かれており、決められた授業時間内に教えるべきこと、活動すべきことなどの計画が立てられています。また、今回取材させていただいたSun*所属の日本語教師の木村先生は、テキストの他にスライドを教科書のように作成をして授業に臨んでいます。 実際に授業で使用されたスライド すべてを一人で行うのは時間も労力もかかり大変ですよね。。。木村先生に話を伺ったところ、同じ学年の日本語教師同士協力し合い、スライドを作る教師、問題のプリントを作る教師など手分けしているそうです。 授業前に情報交換を行う木村先生 同じテキストで教えている教師同士、こういった分担作業はとても効率的ですね!教材研究や指導案以外にも学生に配るプリントなども準備することがあります。 また、より良い授業を行うために情報交換を行ったりもします。私が取材をした日は、授業の直前に教師同士で「7課の授業に、先週みんなで作ったプリント使ってみる?」という相談をしていました。 授業中 それでは授業に入っていきましょう。授業は、事前に作成した指導案をもとに進めていきます。まずは出欠を取るところから始めます。ベトナム語は発音が難しいとされ、また同じ名前の学生も多いため、出欠確認だけでも大変という日本人教師もいました。(確かにベトナムでは同じ名前の方がたくさんいて、私も事あるごとに混乱しております。。。) また授業中、教師はただ教壇に立って教えているのではなく、クラス内をぐるぐる歩いています。これを『机間巡視』と言います。例えば学生が教科書を読んでいるときに「きちんと声を出して読んでいるだろうか?」「テキストを忘れてしまった学生はいないだろうか?」など、ありとあらゆることに机間巡視をしながら状況を把握しています。 さらに、教師はクラスの雰囲気にも常に気を配る必要があります。木村先生は、間違えて発言しても大丈夫という雰囲気を出しており、それが私にも伝わってきました。 机間巡視を行う木村先生 授業後に学生と話す木村先生 授業の終了後も学生とコミュニケーションする貴重な時間です。この日授業が終わった教室で、2人の学生が木村先生に呼ばれていました。後日後日、日本語の発表授業があり、そのテーマ決めがまだ終わっていない学生だったようです。学生ひとりひとりがしっかり日本語を習得できるように、このようにフォローを積極的に行うことも教師の仕事のひとつです。 授業後の仕事 授業後は職員室に戻り、実施した授業がどうだったか教師同士で話し合ったり、学生からの提出物の添削を行ったりと、一息つく暇もありません。 また、今回紹介した業務以外にも以下のようなものがあります。 定期テストの問題作成やその採点、成績処理 新年度に向けた教育カリキュラム作成などの業務 職員会議 学生の悩み相談 このように多岐にわたる仕事をこなしているのです。Sun*所属の日本語教師はさらに、日本就職を目指す学生の面接対策など、さらに多くの仕事を行っています。すべては学生の夢をかなえるため!学生から一番近い場所にいるからこそ、学生に寄り添って熱い思いで日々の業務に取り組んでいます。 学生からの提出物の添削を行う木村先生 授業の振り返りを行う教師達 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はSun*所属の日本語教師の多岐にわたる業務をお伝えしました。初めにお伝えした通り、今回の照会内容はあくまで一例です。学生が何のために日本語を学んでいるのかという目的によって、教師の在り方も変わります。変わらないのは、「教師は学生のためにいる」ということだと思います!わたしたちSun*教育事業部は、学生のために一丸となってこれからも日本語教育に真摯に向き合っていきます。 わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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Sun*共同創業者が語る!教育事業部の創業ストーリー 後編
Sun*共同創業者が語る!教育事業部の創業ストーリー 後編
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の越本です。今回もご覧いただき、ありがとうございます。これまで当ブログでは、弊社の取り組み(グローバルで教育事業)や、現場で働く教師、そして授業での実践など数多くのトピックを取り上げてきました。今回の記事は、Sun*が教育事業を行うに至った誕生秘話 後編でございます。この記事を初めてご覧になる方は、ぜひ以下の前編からお読みいただけますと幸いです。 https://xseeds.sun-asterisk.com/interview-20210513/ 前回は、教育事業を始めるに至った経緯が中心でした。後編では、チームを作り、大学の教育をサポートした当初の話となります。 (今回のインタビューに協力してくださった方)藤本 一成(かずなり)上智大学経済学部経営学科を卒業後、安田火災海上保険株式会社(現:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)に入社その後、外資系ソフトウェアベンダー、IT広告代理店を経て、中古車買い取り輸出会社を創設これからの世界における「ベトナムに可能性」を感じ2010年に裸一貫でベトナムに移住し、ベトナムのIT企業の社長に就任その後、2012年にFramgia(現Sun*)を現会長の平井、CEOの小林と共同創業し教育事業を設立現在は、教育事業拡大のため他国のトップ大学との提携交渉を担当 社内の他のメンバーのリアクションは、どんな感じでしたか? 引き継ぐことを決めたときは、やっぱりバタバタしましたね。まずは、既存メンバーでどうやって対応できるか考えなければなりません。最初に必要なことは、やはりIT教師の派遣です。これに関しては、当時うちのCTOだった本間くんが大学で授業を行うことになり、現場の開発プロジェクトは、現CEOの泰平くんが全体統括として見ることになりました。 小林さんって、エンジニアなんですか? そうですよ、設立当初からのメンバーですが、彼は元々開発サイドでゴリゴリプロジェクトを行っていたエンジニアです。彼がエンジニア側の人間だったからこそ、うちはエンジニアにとって居心地の良い環境や文化づくりに注力することができました。それが今につながっています。 Sun*のCEO小林泰平さん 当時ITの授業を担当していた本間さん 話を戻すと、当時大学でIT授業を担当することにCTOの本間くんは、この年代には珍しく小学生のころからプログラミングを触っているようなまさに技術屋でした。当時、30代前半でしたが世界中のどのIT企業も喉から手が出るくらいほしいと思うような優秀な存在で、会社の中核的存在でした。彼も当時言ってましたよ。「会社がまさに成長途中のタイミングで、僕が抜けて大丈夫ですか?」当然の疑問でした。でも、彼は会社のことを心配しつつも、同時にハノイ工科大学生のポテンシャルを知っていました。だから、この決断にのってくれたんです。 社内のメンバーはみんな優秀だし、中核となって開発をすすめてくれていたHEDSPIの卒業生組は日本語でのコミュニケーションにも困らない。彼らをプロジェクト内でうまくアサインし、指示しながら開発を進めればなんとかなるんじゃないか、と。今考えてもクレイジーな決断でしたね。でも、幸い他のメンバーも皆ビジョンに共感し、頑張ろうと協力してくれた。結果的にこの決断が、現在の教育事業のスタートになっていて、その輪は少しずつ広がって今ではアジア6つのトップ大学で教育を提供できるようになりました。私もこの事業に関わっていて、今は南米展開のプロジェクトに注力をしていますが、そのお話はまた別の機会にしましょう。 「授業をする」という経験は初めてだったと思いますが、当初はどんな様子でしたか? 大学で授業をすることになった本間くんは、当時のトレンドとなっていたアジャイル開発やプログラミング言語Ruby、それにAndroidアプリなどを作る模擬プロジェクトなど、現役の一流エンジニアの経験をフルに活かした授業を設計し、実施しました。学校のアカデミックな授業と違って、トレンドを汲んだ、実践的な内容なのですぐに大人気の授業になりました。冗談抜きで、教室に人が入りきらず、他のクラスの学生も立ち見でいいからと参加を希望するほどでした。開発側もみんなの協力もありなんとかまわせていたし、IT授業に関しても今後のサポートの目処もついて、一安心 といったところでした。 先生としては未経験なのに、すぐに人気授業を作るなんてすごいですね。 でも、それもつかの間、すぐに新しい問題が出てきました。それは私達のIT授業ではなく、受講する学生のそもそもの日本語レベルが課題になりました。 というのも、IT授業は4年生・5年生を対象にして日本語で授業を実施します。(※HEDSPIコースの修業年限は5年間です)なので授業自体が、N3レベルの日本語力を身につけている学生を対象にした設計でした。ところが学年が上がった新4年生が授業に参加したときに、日本語レベルが基準に達していない。どんなに内容の濃い授業を作っても、それが伝わらなくては授業が成り立たない という事態に陥りました。これはまずい。当時、日本語教育は大学が担当していて独自に日本語教師を採用して実施していました。うちはIT授業のみの担当という話でしたから。 現在Sun*が行っている実践IT授業の様子 なぜ学生の日本語力は基準に達していなかったんでしょうか? ODAプロジェクトが終了しJICAからのサポートが終わったあと、うちがサポートを始めるまでの間に若干のタイムラグがあり、それが学生の学習とモチベーションを止める空白期間となりました。ODAとして資金援助も終了したので、予算的な問題でそれまでトップ10-20%が行っていた日本の提携大学(慶應や立命館)への交換留学プログラムもなくなりました。そういったことも重なり、学生のモチベーションも下がってしまったんでしょう。なにより大学の独自運営の場合、それまでの日本語教師には(JICAからではなく)大学からの給料しか支払われません。そういったこともあり、(賃金水準の関係で)ほとんどの日本人教師が退職してしまいました。ベトナムでは大学雇用の教師でも給料が低く、講師レベルならベトナム人の先生ですら複数の場所で副業しているような状況です。教育的意義を感じて一部の先生は当初は残っていたようですが、結局退職してしまったようです。 コースの基礎となる言語教育は、全体でも大きな割合を占めますよね。どのようにその壁を乗り越えたんですか? Sun*所属の一般日本語教師@ハノイ工科大学 そのとおりです。言語が全てでは決してありませんが、ベースとなる基本的能力です。当初の想定とは目の前の状況が大きく違ってきていましたが、グダグダいっても何も変わりません。ここまで踏み込むのであればと、日本語教育に関しても、うちがサポートすることに決めました。大学からの給料ではフルタイムでレベルの高い日本語教師を採用することはできませんので大学の給料に加えて、うちが給料を支払い、日本語教師を自社採用することに決めました。 サポートしたのはそれだけではありません。学生のモチベーションをあげるために、教師とは別に学生メンターを担当する部隊もつくりました。このチームはJICA時代にはなかった取り組みです。このチームは、Sun*の説明、学生への定期的なヒアリング、先輩との交流会や各種イベント企画・実施しているので、学生のモチベーションも日本語レベルも目に見えて上がっていきました。 学生を陰で支えるTalent Consultingチーム なるほど。それが現在のチーム構成の礎になっているんですね。 そうですね、今でもこのチーム体制で運営しています。ところが、ここでまたまた壁にぶち当たりました。日本語教育もモチベーション管理もサポートすることになり、当初の想定以上の支出となったため、経営が逼迫する状態になりました。将来の両国の産業、そして関係向上の為に始めた取り組みでしたが、それで会社が倒れれば本末転倒になってしまいます。目の前には、日本に羽ばたことしている金の卵をがいるわけです。やると決めた以上、ここで引き下がるわけには行きません。継続のために、この事業をどう続けていくべきか…。 そこで生まれたのが、今のジョブフェアという形です。それまで学生の目的だった日本への交換留学というゴールから、就職に変えました。日系企業で活躍できそうな学生と、そんな学生を採用したい日本企業をマッチングする合同就職会を開催し、採用企業から採用費をいただく、そこでいただいた費用を事業運営に充てて継続していく という今のスタイルです。代わりに学生や大学からは一切フィーはいただいていません。事業の継続性を考えれば、もらうことなんてできません。 目標を変えることで事業化し、継続できたんですね。最初のジョブフェアはどのような感じだったんですか? いまでも覚えています。最初のジョブフェアで採用された学生は15人。社員総出でお客さんを探し、企画・運営を実施しました。現CEOの泰平くんも当時はジョブフェアで中心になって動いてくれていましたよ。 ジョブフェアで面接中の学生の様子 このコースは入学から卒業まで5年間かかるので回収までに5年かかります。ですから、この採用人数では全然事業をまかなえる金額ではありませんでした。しかし最近は、様々な産業のDX転換によりIT人材の需要は増える一方、少子高齢化が進みIT人材の採用が難しくなってきました。この流れから、国籍問わず優秀なエンジニアを採用したいという企業の数も増えてきて、ようやくハノイ工科大学での事業運営にかかる費用をジョブフェアの採用フィーでまかなえるかな、というところまできています。 ただ同時に、同じモデルで提携大学を増やしているので全体でいえばまだまだですが…(汗)我々としては、この事業については収益性ではなく、継続性を追求しながらどんどん提携大学を増やしていきたいと思っています。採用のためにアプローチしていたのが、あれよあれよと気づけば、教育という形で関わることになりましたね。必死になって今まで継続をしてきましたが、それだけの価値があると確信しています。 藤本さんが見据える本事業の未来はどのようなものですか? 僕の持論ですが、人種や国に関係なく1万人に1人(0.01%)は天才がいます。なので、極端なことを言えば、どこの国でも優秀な才能を発掘していくことができると思っています。とはいっても、出現率を考えるとやはり教育機関との連携はまだ必要だと思っています。ITによる変化があったとしても、優秀な才能はトップ大学に集まります。大学は学生を集めるために、優秀な教授陣を集め、研究環境を整え、成果を出すために注力します。必然的に、教育レベル、研究レベル、教育レベルは向上します。これは単純な資本主義のルールです。我々が事業として継続するためには、採用していただく企業を増やす必要がありますし、同時に、学生が日本で活躍できるようポテンシャルとマインドを持てるかが鍵となってきます。そうなれば、その確率が高い選択から行っていくことは当然といえば当然です。ですから、今後も提携大学をどんどん増やしていきたいと思っています。マレーシアとインドネシアの大学でも同様の動きができつつあり、今後はブラジルやペルーです。しかしいずれは入り口部分を大きくして、(大学に限らず)様々な可能性をもった人たちにも使ってもらえるようなプラットフォームにしていきたいですね。 今は畑仕事や家業の手伝いをしているけど、世界を変えるような可能性を持つ才能は確かに存在します。ベトナムの教育水準は国の努力もあり、農村部などの田舎でも初等教育は行き届いてきました。識字率もかなり高くなっています。しかし今後は、インターネットの普及により(基礎的な教育だけでなく)やる気があれば最先端テクノロジーを学ぶことができます。そういった社会インフラが整うことを前提に、Sun*もどんどんこの事業を推進していこうと思っています。 なぜ、Sun*はそこまでこの事業に注力するのでしょうか? Sun*のビジョンは、「誰もが価値創造に夢中になれる世界」であり、そのためのミッションは、「本気で課題に挑む人たちと、事業を通して社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくこと」です。この事業は、純粋にその一つの手段だからです。AIなどの先端技術の発達により、いわゆる単純作業といわれているものはIT技術にとって代わられてきているわけです。逆に代替のきかないクリエイティブなものは、これから必ず必要とされる時代です。では、社会発展のためにクリエイティブなものをどうやって生み出していくか。ひとつの答えは、そういったものを生み出せる人を見つけて、育てていくことです。 未来について熱く語る藤本さん これから世の中、世界中でキーになってくる部分は「才能の発掘」です。仮にこの取組(才能の発掘、育成、最適配置)を拡大し、一人の天才を発掘するために、1兆円かかったとしましょう。彼らは将来スティーブ・ジョブズやイーロンマスクのような天才になるかもしれません。そんな人が作った会社は企業価値が10、100兆円以上あるわけですよ。彼らの生み出した発明は、その後の人類の生活様式を大きく変化させるくらいのインパクトがあり、20〜30年前には誰もが予想もしなかった。仮にそういったものによる経済効果が100兆だとして、その可能性をもつ才能の発掘に1兆円かけたとしても、残りの99兆円はお釣りがくるわけです。つまり一人の才能を発見するのに1兆円かけても、そのメリットを社会に還元し、享受できるようになる、そんな未来がきているんです。では、その1兆円をどこに投資するのかということでいえば、教育(育成)だけでなく、才能の発掘や、活躍できるような環境への最適配置を実現するプラットフォームになると考えています。 大きな社会変革を起こす可能性のある人たちは世界中にいるので、人数が増えていけば桁も代わり1京とかのレベル感です。お金の話で例えましたが、そういう規模で世界全体をポジティブにアップデートする、そういう可能性がある手段なんだという意識で教育を見ないといけません。才能は、なにも産業面だけに宿るものではありません。語学やITだけではなく、スポーツや音楽、芸術などなんでもいい。全ての人には固有の才能が存在します。向いてる仕事、充実を感じることができる場所、活躍できる職場…。才能が開花する場所も、人それぞれであると思っています。才能に気づき、育み、社会に還元できるシステム。これはビジネスのチャンスもあるとともに、これ自体が社会構造そのものになると思っています。私が日本を出たのは2009年、あれから10年以上が経ちました。今は会社も大きくなり、教育プロジェクトも少しずつ発展していますが、ハラハラ・ドキドキは10年前のそれと全く変わらないですね。Sun*がDX推進だけでなく、社会全体のアップデートを担う太陽のような存在になれる日まで、これからも邁進していきます! 終わりに 今回は共同創業者藤本氏による、Sun*が教育事業を始めることになった誕生ストーリーのご紹介でした。世界中の優秀な才能はまだまだ眠っています。いつしか弊社がサポートした学生たちの中から、世界でも名の知られる存在が出るかもしれません。今後も楽しみにしていてください。 わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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Sun*共同創業者が語る!教育事業部の創業ストーリー 前編
Sun*共同創業者が語る!教育事業部の創業ストーリー 前編
『僕ぐらいのレベルなら大学の後輩にたくさんいますよ』ポロッと言った彼の言葉には本当に驚きました。 Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の越本です。今回もご覧いただき、ありがとうございます。これまで当ブログでは、弊社の取り組み(グローバルで教育事業)や、現場で働く教師、そして授業での実践など数多くのトピックを取り上げてきました。この記事から弊社を知っていただいた方は『Sun*=教育会社』と思っている方もいるかもしれませんが、私たちは開発会社としてスタートしています。なぜIT企業であるSun*が教育事業を行うに至ったのか、そんなわたしたちの原点とも言えるストーリーを前後編でご紹介したいと思います。 この記事を書くにあたり、Sun*のCo-Founderの藤本にインタビューを実施しました。藤本いわく、教育事業に参入するという当時の決断は”クレイジー”だったとか。今回は、教育事業の誕生秘話に迫ります。 (今回のインタビューに協力してくださった方)藤本 一成(かずなり)上智大学経済学部経営学科を卒業後、安田火災海上保険株式会社(現:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)に入社その後、外資系ソフトウェアベンダー、IT広告代理店を経て、中古車買い取り輸出会社を創設これからの世界における「ベトナムに可能性」を感じ2010年に裸一貫でベトナムに移住し、ベトナムのIT企業の社長に就任。その後、2012年にSun*(旧Framgia)を取締役の平井らと共に共同創業し、現在の教育事業部を設立。現在は、教育事業拡大のため他国のトップ大学との提携交渉を担当。 ハノイ工科大学を知ったきっかけはなんですか? 私は、Framgiaを立ち上げる前からベトナムに来ていて、某日系のIT開発会社のベトナム支社の現地社長をしていたので、ある程度ベトナムの採用に知見がありました。当時の会社もオフショアや受託開発をメインにしていました。ソフトウェア開発事業をグロースするためには、兎にも角にもまずはエンジニアの確保、つまり優秀な人材の採用が必要不可欠なんです。ベトナムで一番優秀な大学はどこか といえば、10人中10人がハノイ工科大学と答えます。なので採用活動の中でもハノイ工科大学出身の学生を狙って採用してたんですよね。 なるほど、最初は採用目的だったんですね。 そうですね。日本に帰国する際とかも、現地のスタッフに「日本で働いているベトナム人のエンジニアが友達にいないか」をスタッフに聞いて、日本に帰った際に口説く みたいなこともしてました(笑)そんな感じで紹介してもらって人脈を広げていたんですが、あるとき日本に帰国した際に、日本に留学中のベトナム人学生に会ったんです。話を聞いてみると、ハノイ工科大学のIT学部、現在は交換留学で日本に来ているとのことでした。これが僕がHEDSPIコースを知ったきっかけでした。 *HEDSPIコース* 2006年から2014年まで日本のODAプロジェクトとしてJICA(独立行政法人国際協力機構)とハノイ工科大学IT学部が設立したコース。日本のマーケットに対応したIT 技術者の養成プロジェクトであり、3年間の日本語教育でN3取得を目指し、4年生と5年生の2年間は日本のITエンジニアによる実践IT教育を行うというもの。当時コースのトップ10 - 15%の学生は、4年生時から2年間、工科大学と提携している慶應大学、立命館、名古屋大学、会津大学などに交換留学をしていた。 当時行われたHEDSPIセミナーの様子 Framgia設立当初の藤本さん これは本当にすばらしいプロジェクトで、トップ大学にいる優秀なITエンジニアの卵たちに日本語と実践IT授業を勉強してもらい、日本就職を目指すことで日本のITエンジニア不足を解消しようというものでした。2012年にFramgiaを設立した際には、このコースで交換留学しているにいっている学生を中心に採用を実施しました。今でも弊社は、その時に採用したメンバーが中心となって活躍してくれています。HEDSPIの留学メンバーを開発体制の中心にして立ち上げたのがスタートした会社でしたが、一緒に働いてみると本当に彼らが優秀で驚きました。おまけに日本語でのコミュニケーションもできる。これはどんどん採用していかないとって思いましたよね。 感心したハノイ工科大学生のレベルとは? 具体的なハノイ工科大学の卒業生のぶっ飛んだエピソードを話しましょうか。これはうちにHEDSPIの運営サポートの話が来る前に、HEDSPI卒業生を採用したときの話です。弊社がある大手書店のグローバルECサイトの開発を複数の企業と共同で開発するというプロジェクトを受注した時の話です。そのECサイトはアラビア語など含めた8言語対応のサイトで、クライアントの意向で開発言語はRubyを使うことになっていました。今思えば、そんなに複雑なものをRubyで作るべきじゃなかったのかもしれませんが、当時はクライアントの意向もあってそのように進めました。当時そのプロジェクトの開発チームのメンバーのひとりに、HEDSPIコース出身の新卒1年目の子をアサインしました。彼はそれまでRubyを使ったことがなかったんですが、まぁ飲み込みも早そうだし他の先輩メンバーのサポートもあるからアサインしたんです。何よりやる気もあって日本語も英語も上手だったのでいけるだろうと。 ただ実際にプロジェクトを進めていくと、やはりRubyではどうにもならない問題が多く発生し、他の開発会社はもちろん、発注元のエンジニア自身も匙を投げることもありました。でも驚くことにうちのそのエンジニアは、自分でゴリゴリRubyを勉強していって、だいたい次の日には「できましたよ」と言って解決してくるんですよ(笑)しかも、あとになってこのプロジェクトがRubyのカンファレンスで賞をとり、Ruby業界の発展に貢献したと認められたんです。クライアント先の社長がスピーチでその学生を名指しでベタ褒め。めちゃくちゃ誇らしかったです。結局、フタをあけてみれば、難しいところはほとんど彼が作成しており、しかも新卒1年目の子ということで、全員が度肝を抜かれた出来事でした。本当にギャグ漫画みたいにズバ抜けたことを成し遂げる子で、他にも伝説はいろいろあるんですが、そんな彼が 『僕ぐらいのレベルなら大学の後輩にたくさんいますよ』 ってポロッと言ったんですね。それからですね。ハノイ工科大学の学生の採用をより注力しだしたのは。 本当にマンガみたいなお話ですね…。採用はどのように注力されたんですか? 採用を有利に進めていくために、なんとか大学とコネクションを持てないかなぁとずっと思案していました。やり方はほんとにゲリラ的でしたね。大学をうろちょろしてみたり、知り合いづてにハノイ工科大学で働く先生などをご紹介してもらって、なんとかIT学部で働く先生に繋がってみたり。色々と動いてみると、当時のハノイ工科大学のHEDSPIプロジェクトのキーマンだった先生がわかってきました。そこでどうにかしてその先生と知り合いたい、接点を持ちたいなと思っていましたね。そこで行ったのは、「三河屋のさぶちゃん作戦」です。 ・・・サブちゃん作戦? ほら、アニメのサザエさんで「三河屋のサブちゃん」っているじゃないですか。サザエさんちの裏の勝手口から「ちわーっ、三河屋でーす」って時折、用もないのに来て、声をかけて必要なもの受注していく。まさに、そのスタイルですね。その先生が授業の終わるタイミングを見計らって大学をうろちょろして、先生がいたら偶然をよそおってばったり会ったり…。僕が日本に一時帰国したときには、毎回お土産を買っていって大学に行ってお茶に誘ったり…とにかく接点を持つために色々しました。採用目的で行っていた作戦ですが、その甲斐もあって、その先生とは純粋に親しい友人になれて、今でも頻繁に連絡をとりあっています。 当時を振り返る藤本さん サブちゃんは用があって(仕事として)言っているのかと思いますが(汗)なぜそこから教育事業の立ち上げにつながったんですか? 大学がパートナーとなる民間企業を募集していたんですよ。うち以外にもいくつかのIT企業にその相談をしていたみたいです。HEDSPIは、JICAとハノイ工科大学大学の国家プロジェクト。当然、プロジェクトには予算と期限がありました。2014年にJICAのプロジェクトが終了し、JICAから派遣されていた日本語教師とITを教えていたエンジニアが日本に帰国しました。 大学のこのコースをそれまでどおり運営しようすると、独自に教師を雇用することなりますが、日本人なので当然、コストが高くかかります。特に、IT教師はエンジニアとしての開発経験が必要です。採用するにしても人件費は日本語教師より高いし、そもそもITエンジニアからベトナムで先生をやるって人はそもそもほとんど見つかりません。大学は、引き続き教育を行うために協力してくれる企業を当時必死に探していたようです。4年生と5年生の2学年にIT科目を教えるための教師、フルタイムで現役シニアエンジニアをアサインしてほしい。そんな依頼がうちにも来たんです。 当時の日系IT企業は今ほど数もないし、従業員規模もそこまで大きくありませんでした。大きい会社でも社員数は多くて200名程度の規模とかでした。そしてほとんどの会社では、日本人のエンジニアは一人か二人いるのが一般的でした。その一人をフルタイムで大学にアサインするという決断はどの企業も普通はしませんよね。大学からの提示条件は、完全ボランティアではなかったものの、フルタイムでアサインしても報酬は数百ドル程度のもの。 『ハノイ工科大学のあの依頼はヤバい…』 当時はそんな噂が日系企業の間であったほどです。 なるほど。その条件だとほとんどの企業が弱腰になると思うんですが、他に、立候補した企業はあったんですか? 実はうち以外にも、ベトナムの人材ポテンシャルに気づいている企業がありました。その企業もHEDSPIプロジェクトのサポートに名乗りをあげていたんですよ。しかも、教師の人件費は全て企業持ち、コンピューターやタブレットなど必要な機材などは全て会社負担で支援する、と。でも条件がありました。 “日本語でなく韓国語を教えること” そう、その会社は日系企業ではなく韓国のある大企業だったのです。大学からすると経済的にはこの上ない嬉しい話だったと思います。でも、今まで8年間やってきたコースを経済的側面だけで、韓国語にシフトするのはもったいない。なにより日本に興味があって、今まで日本語を勉強していた学生に、急に韓国語の勉強にシフトさせるのはあまりにもかわいそうだと大学も頭を悩ませていたようです。 そうなんですね。さすが韓国企業。その辺の動きは俊敏ですね。藤本さんは、なぜそのオファーを受けるようと思ったんですか? まず純粋に、ベトナムに貢献できると思いました。ベトナムで働いているからこそ、その国への貢献をしたいというのが根底です。 ベトナム、ハノイのオフィスにて もちろん会社として、かなりリスクもありましたよ。本業もあるのにこの教育事業に注力すべきなのかという意見もありました。今でこそ、Sun*は1500人のメンバーが働く企業となりましたが、当時はうちは設立して2年ちょっと。規模も50名位でしたから。はっきり言って日本人エンジニアをほぼボランティアでフルタイムのような形で派遣できる余裕はなかった。HEDSPIプロジェクトは、ズバ抜けて優秀な人材を輩出しています。彼らは「日本のIT人材不足を埋める」というだけの存在ではなく、ベトナムの発展はもちろん、日本のIT産業の発展に直接貢献できるような可能性を秘めた存在なんです。 それを、日本の税金を使いJICAが心血を注いだからこそ、ここまで構築されたプロジェクトなんです。日本人として、そんなプロジェクトをここで終わらせてはいけない と思いましたね。経営陣でも幾度となく話し合いを重ねて、大きな赤字にはしないようにするけど、とにかく続けようということで会社としての答えを出しました。 後編へ続く... いかがでしたか?ベンチャー企業独特の、泥臭さや熱さ、そしてご縁の大切さを感じるお話でした。きれいに正しく進めるよりも、泥臭く一歩でも着実にアクションをすることが結果につながる ということを再認識でき、改めて自分たちのあり方を見直すきっかけとなるお話を聞くことができました。次回、後編ではHEDSPIプロジェクトのサポートを開始した当初のお話に迫ります。皆様、お楽しみに!! わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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ダナン工科大学で展開する「自己表現」を中心としたアプローチ
ダナン工科大学で展開する「自己表現」を中心としたアプローチ
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!今回もご覧いただき、ありがとうございます!私たちSun*がベトナム国内で日本語教育・IT教育を提供している大学は全部で4大学あります。今回はその一つ、ダナン工科大学(以下DUT)の紹介の第二弾です。DUTでは日本語教育を通して、どのような人材を輩出しようとしているのでしょうか?外国人採用に興味がある人事の皆様、日本語教育関係者の皆様に読んでいただき、役立つ情報をぜひ掴んでください。 はじめに このシリーズでは、DUTの日本語教育情報を実際に教壇に立つ教師の目線からお届けします。本記事では主に、 教師が何を考えてどんなことをしているのか どのように授業が行われているのか どのような学習者が在籍しているのか ということを、可能な限りリアルな形でお伝えしていきます!第一弾の記事は以下よりご覧ください。 https://xseeds.sun-asterisk.com/university-20210129/ 第二弾となる今回は、DUTの日本語教育で採用している「教科書」に焦点を当てます。外国人が日本語を学ぶ際に使用する教科書はさまざまな種類がありますが、DUTでは【NEJ~テーマで学ぶ基礎日本語~(以下NEJ)】を使用しています。 なぜNEJなのか?  一般的な日本語教育では、 言葉を教える 今日勉強する文法を学習者が気が付くように導入する 文法の意味や接続などを確認し、その文型が考えずに使えるようになるまで様々な形で反復練習を行う 会話例などを使いながら話す練習を行ったり、教室活動を行ったりして、学習した文型が実際の会話の中で使えるようにする という流れです。この方法により、少しずつ使える言葉や文法が増えていくという考えです。しかし、「勉強しても日本語が使えるようにならない」という声もよく耳にします。特に、海外での日本語教育機関の場合は、そもそも日本人と接する機会も少なく、日本語を使う必要性はないので、この「日本語使えない問題」は1つの課題となっています。 そこで注目したのが、【NEJ】です。 そもそも、「日本語使えない問題」の「使えない」は、何が原因で起こるのでしょうか。私たちは、この「使えない」の原因を「明確な目標を定めた意味のある反復練習が足りていない」ということにあると考えています。【NEJ】の場合、「明確な目標」というのは「日本語を使って自分を表現すること」となります。そして、「意味のある反復練習」というのは、「教科書に出てくる登場人物の語りを繰り返し練習すること」となります。この教科書に出てくる登場人物の語りを何度も繰り返し練習することによって、その登場人物が使用している言葉遣いを盗み、蓄え、最終的には自己表現ができるようになっていくというものです。私たちが教えている学生たちが日本で活躍するという夢を勝ち取るためには、まず面接を通過する必要があります。そこでは、面接官に自分自身について日本語でアピールする必要があります。そして、日本で働く場合も、職場の人たちやクライアントと信頼関係を築いていく必要があります。 つまり、純粋に多くの日本語の言葉や文法知識を持っていること以上に、それをいかに使用し、自己表現をし人間関係を構築できるかが活躍の鍵となっているのです。 どのような授業をしているのか? では、NEJを使った日本語の授業とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、授業の一部を写真を交えながら紹介していきたいと思います。 カミシバイ 教科書の登場人物の話をカミシバイ形式で教師が語っていきます。学習者は、教師の話を聞きながら、登場人物の体験を疑似体験していきます。その中で、学習者は脳内で、自分自身の体験と比較しながら心の中で言葉を育んでいきます。 朗読練習(声に出して読む練習) クラス全体で朗唱練習をしている様子 教師の声の後について、登場人物の話を繰り返し練習します。時には、教科書の音声を使うこともあります。ここでは、不自然につっかえることなく登場人物の話を読むことができるようになることを目指します。重要な音声指導の箇所でもあります。 Q &A練習 朗唱練習が終わったら、登場人物の話についてのQ&Aの練習をします。 自己表現には、1人でつらつらと話すだけではなく、他者とのやりとりの中で、自己表現を行っていく事もあります。そのためには、質問する必要もあります。 Q&Aの様子 教師に指名されて学生はあたふた 質問-答え練習 質問→答え練習の様子 学習者は思い思いに交流しています。 いよいよ、自己表現の第一歩である質問→答え練習です。 登場人物のQ&Aから派生させて、学習者は自分自身のことを短いやり取りの中で話していきます。1年生の日本語学習を始めたばかりの学習者でも、自分自身のことを日本語で表現できるようになっていきます。 このように、NEJでは登場人物の言葉から自分の言葉へとたどっていきます。この過程を通して、学習者は登場人物と自分を比較させながら、対話しながら学習を進めていきます。現在、NEJを使い始めて感じることは、 これまでより、コミュニケーションしようとする学生が増えた 個人差はあるが、日本語の発音に問題を抱える学生が減ってきた 日本語で話すことに抵抗がなくなってきている の3点です。ですが、課題もあります。学生にとっては、テキストを勉強したら終わりではなく、「日本語を使えるようになる」がゴールです。よって、従来の暗記型の勉強方法でこれまで外国語を学習してきた学習者にとっては達成感を感じにくい場合があり、学習者によってはこのやり方に合わないのです。上記の課題も含めて、別の記事で学生側から見たNEJについてお伝えしますね。 まとめ 私たちのミッションは、『本気で課題に挑む人たちと、事業を通して社会にポジティブなアップデートを仕掛けていくこと』です。日本語教育の文脈で言えば、『本気で課題に挑む人』というのは、学習者と日本語教師である私たちを指します。事業というのは、この場合、HEDSPIプロジェクトを指し、社会にポジティブなアップデートというのは、学習者達にとって自分達が日本で働くベトナム人の道しるべとなること、教師にとっては、新しい日本語教育の形を1つの成功例としてベトナムの日本語教育界に提示していくことにあると考えています。このような学習者のニーズ、事業のゴールに向かって、チャレンジ、挑戦の毎日を過ごしています!! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はDUTにおける日本語教育、それを通してどのような人材の輩出を目指しているのかをお伝えしました。この記事を読み、もっとDUTの日本語教育について知りたい!と思われた方や、どのような学習者がいるのか知りたい!と思われた方など、何か興味を持たれた方がいらっしゃれば、ぜひご連絡いただけき、情報交換や意見交換をさせていただければと思います。ありがとうございました。 わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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最先端技術を基礎から学ぶ!AI講座 最終プレゼン!!
最先端技術を基礎から学ぶ!AI講座 最終プレゼン!!
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます! 以前お伝えした、弊社の研究・開発部門(R&D)のAIチームが講師を務める「AI講座」が先日最終日を迎えました。海外産業人材育成協会(通称AOTS)の協力のもと行った、Sun*の新しい試みです!新型コロナウイルスの影響で、当初の予定よりも最終日の日程が後ろ倒しになったり、最終日がオンライン・オフライン合同発表となったり、講師陣、学生たちにとっては常にイレギュラーな対応を強いられる困難な状況でした。そして、久しぶりの講座開催、プレゼン。緊迫した雰囲気かと思いきや、適度な緊張感の中にアットホーム感を感じました。ここまで9回の講座を経てきた皆さんですもんね!オンライン・オフラインに限らず、一体感を感じました。この絆を感じられる場所に最後に参加させていただけたことを感謝しております!そんな中で行ったAI講座の集大成とも言える最終プレゼンの様子をお届けします。 AOTSの協力によるAI講座 2020年11月7日にスタートしたAI講座は、ハノイ工科大学とベトナム国家大学ハノイ校の学生が週末を利用して、合計40時間の講座を受講しました。40名定員のこの講座に100名以上の応募があり、多くの学生が注目している分野ということがわかります!この講座は、AIを基礎から学ぶための座学、チームごとに最終課題であるAI技術を利用したシステム開発など、高レベルかつ内容の濃いものです。以前の記事でも述べたように、講師陣も超一流ぞろいなので、他ではなかなか学ぶことのできない価値の高い講座なのは間違いないですね! 最終講座 part.1 テスト 最終講座ですが、新型コロナウイルスの影響で、数名のみ講座会場の弊社オフィスにて参加し、残りの学生はオンラインで参加しました。まずはテストからスタート!講座で学んだAIに関する理解度を確認します。 右のような設問が合計30問ありました。AIを理解するには数学の知識も必要なため、数学の問題も含まれます。静まり返った早朝のオフィスで、学生たちは時間の許す限り精一杯取り組んでいました。がんばれ、みんな!!! 実際のテスト内容 最終講座 part.2 最終プレゼン プレゼン中の学生の様子① テストの後はこの日のメインイベント、最終プレゼンです!学生たちは7チームに分かれ、AI技術を活用したシステムを構築して発表しました。例えば、以下のようなテーマの発表です! ECサイトのお客様からの商品レビューが、ポジティブかネガティブかを判断するシステム 画像上のデザイン文字を、本来どのような文字が書かれているのか識別するシステム SUDOKU(数独)を解読するシステム 学生たちは各チームごとにテーマを決め、最終発表に向けて数か月をかけてきました。あとから学生にヒアリングしてみましたが、大学の授業との両立が必要だったり、講座の内容が難しくついていくのが大変だったという学生も多くいました。そんな中で、講座で勉強したことを最終発表でしっかりとアウトプットするために時間と労力をかけて精一杯プレゼンに臨んだということがどの学生からも伝わってきました! 実際の発表スライド① カラー写真を白黒写真に変換するためのコード 実際の発表スライド②SUUDOKUを解読するためのコード 発表後には講師陣から鋭い質問がありました。また、アルゴリズムの説明や実装方法、学生が作成したものの精度とこれから精度を上げる方法について講師陣からアドバイスもありました。すべてのプレゼンが終了し、当日朝に行ったテスト結果や今までの講座での取り組み、最終発表の内容等を総合的に判断し、講師陣が成績をつけています。具体的には以下のポイントが最終的に考慮されました。 テーマの内容(他チームが真似できないような高難度のものか) 使用する技術(研究が進んでおり、これからのトレンドにマッチしているかどうか) 実装方法と精度(実装に無駄がなく、信頼性・可用性・保守性に優れているか?) オリジナル性(最重要ポイント!既存のモデルではなく新しくゼロから作り出せていると高評価!) 学生たちの成績をつける講師たち 講座を修了した学生には終了証を、さらに成績上位5名には特別な表彰状を授与!最後にR&Dチームのリーダー、タンさんより、コロナ禍で当初の予定より講座の期間が延びた中、最後まで精一杯やりとげた学生へ「大学の授業も忙しい中、初めて学ぶ内容も多いAI講座に最後までよくついてきましたね」と称賛の言葉がありました。学生たちは本当にがんばりました!みなさんお疲れさまでした!ちなみに今後は、サイバーセキュリティとブロックチェーンの講座も予定しています。こちらに関してもまた今後みなさんに共有しますね。 他のチームの発表に真剣に耳を傾ける学生たち 最終発表に弊社オフィスでオフライン参加した学生たち 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はAOTSのサポートのもとで開講したAI講座の最終プレゼンについてお伝えさせていただきました。講座の終わりに弊社AIチームが学生インターンを募集したところ、すでに優秀な学生からの応募が多数ありました!また、後日学生たちへ講座に関するアンケートを取ったところ、「通常の教室では学べないことが多く、練習や実践的なスキルを学べた。実際の職場で活躍している講師から直接指導を受けることができ、将来のキャリアをより具体的に考えることができた」といった感想が多く届きました!これからも、意欲ある学生に有意義な講座を提供し、日本語×IT教育で世界中の優秀な学生の才能を発掘していこうと改めて誓った教育事業部のメンバーでした。 わたしたちの事業の内容やSun* Job Fairに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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