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About xseeds

xseeds(エクシーズ)とは、グローバルに才能の発掘、教育、最適配置を行い

未来のイノベーターを輩出する教育プロジェクトです。

わたしたちは、世界中の才能の種を探し、光をあてることから始めました。

そして、これまでの事業やプロダクト開発で培ったノウハウとこれからのトレンドを反映した

独自カリキュラムを活用し、自身で未来を切り開くことができるよう、蕾になるまで導きます。

さらに彼らが才能を開花し価値創造できる最適な場所を見つけ、送り出していきます。

様々な要素 "x"と才能 "seeds"をかけ合わせ、未来のイノベーターを輩出し、

世界にポジティブなアップデートを起こす価値創造人材を創出するための仕組み

わたしたちSun*は、これをxseeds(エクシーズ)と名付けました。

xseeds(エクシーズ)とは、グローバルに才能の発掘、教育、最適配置を行い 未来のイノベーターを輩出する教育プロジェクトです。

わたしたちは、世界中の才能の種を探し、光をあてることから始めました。 そして、これまでの事業やプロダクト開発で培ったノウハウとこれからのトレンドを反映した

独自カリキュラムを活用し、自身で未来を切り開くことができるよう、 蕾になるまで導きます。

さらに彼らが才能を開花し価値創造できる最適な場所を見つけ、 送り出していきます。

登録学生には、Sun*が支援した400件のプロダクト開発のノウハウを凝縮した実践的なIT教育と、 大学4年間の日本語教育など、累計で最大1,200時間のカリキュラム(※1)を提供しています。

様々な要素 "x"と才能 "seeds"をかけ合わせ、未来のイノベーターを輩出し、 世界にポジティブなアップデートを起こす価値創造人材を創出するための仕組み わたしたちSun*は、これをxseeds (エクシーズ)と名付けました。、

xseedsニュース
【ベトナム人学生を紹介】報連相の重要性を語る!考え方がまるで日本人!
【ベトナム人学生を紹介】報連相の重要性を語る!考え方がまるで日本人!
「インターンを通して、お客様の立場に立って考えることの大切さを学びました」 そう語ってくれたのは、日本企業に内定済み、現在はハノイ工科大学の5年生(最終学年)でSun*ベトナムにてインターンを行っているタインさんです。 Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!今回から、 新シリーズ「ベトナム人学生を紹介!」 が始まります。企業様からいただく質問で多いのが「どんな学生がいるんですか?」「どれくらいの技術力があるんですか?」というものです。それにお応えすべく、Sun*が教育事業を行っている学生へインタビューしました。記念すべき第一回のインタビューに答えてくれたタインさんは以下のような素晴らしい経験、スキルをお持ちです。 日本人PMのプロジェクト開発経験がある 会議のファシリテーターや議事録も日本語で可能 日本社会で必要なチームワークや報連相を理解している 実際にインタビューをしていると、まるで日本人と話しているかのような考え方に錯覚を覚えました。インタビューでは、インターンを通して学んだことや仕事をする上で気を付けていること、将来の目標などを語っていただきました。どうぞご覧ください! ※第2弾としてタインさんと同じプロジェクトチームのインターン、ズオンさんへのインタビュー記事をぜひご覧いただけますと幸いです。 https://xseeds.sun-asterisk.com/interview-20220120/ 日本やITに興味を持ったきっかけ 少しタインさんと話しただけで日本語力の高さを感じますが、JLPTのレベルはどれくらいですか? 昨年N2を取得しました。ですが、私のスピーキング能力はまだまだ高くありません。今はそれを伸ばすために練習中で、来年7月にN1を受けたいと思っています。※JLPTについてはこちら タインさんは向上心が強いですね!きっと大学でも一生懸命勉強したと思いますが、大学の勉強は難しいですか? とても難しいです。だた、友達と一緒に勉強するので、何か難しいことがあると相談をして解決できることに喜びを感じます。HUSTには優秀な学生がたくさんいるので、素晴らしい環境だと思います。 大学での日本語の勉強はどうですか? 楽しいです!(Sun*教育事業部所属の)日本語の先生はとても熱心に教えてくれ、先生方は常に学生のことを考えてくれています。 大学に入る前から日本に興味は持っていましたか? はい、最初に日本に興味を思ったのは、ドラえもんや名探偵コナンがきっかけです。他には、ドラマ「ごくせん」が好きで何回も見ました!ドラえもんは7歳の時から見ています。字幕がベトナム語だったので、日本語は理解できませんでしたが…日本語を勉強し始めたのは大学に入ってからです。 オンラインインタビューを受けるタインさん 日本語を勉強してまだ数年なのにその日本語力は素晴らしいですね! 大学を決める前にHUSTの学部を調べていたら、HEDSPIコースを見つけました。高校の時から日本で働きたいという気持ちがあったので、このコースを選びました。 高校の時から日本就職を目標にしていたんですね。日本で生活することに不安はないですか? 日本語に不安があります。日本人とベトナム人の働き方が違うので、それも不安です。 『報連相』について 日本人とベトナム人の働き方の違いはどこですか? 日本人はチームワークを大切にします。ベトナム人のチームワークは日本人と比べると良くないと思います。日本にある「報連相」にも関係するのですが、例えば何か問題が生じた場合に、「これは小さな問題だから上司に報告をせずに直してしまおう」と考えるのが大半のベトナム人です。実際に授業中のプロジェクトでもこの問題は起こりました。問題が起きたことをリーダーが後から知るということもあります。チームで行っているプロジェクトで起きた問題は、チーム全体の責任だと思います。日本は問題の大きさに関係なく、まずリーダーに報告をします。これはベトナムと違い、とても特別なことだと思います。 ベトナムの民族衣装「アオザイ」を着るタインさん タインさんは「報連相」をいつ知りましたか? 大学1年生の終わりにその言葉を知りましたが、意味は詳しく知りませんでした。インターネットで調べましたが、理解をするのが難しかったです。3年生の時に研修で詳しく勉強して、やっと意味がわかりました。※Sun*が行っている研修のひとつ、「報連相」についてのセミナーはこちら報連相のイメージをつかむために、わかりやすいケーススタディとして「電車が遅延していて仕事に遅刻してしまいそうな時どうしますか?」というものを最初に学びました。上司にまず報告するという発想や、状況の説明をすることなど、クラスメイトとグループワークで意見を出し合いながら理解することができました。ですが、報連相を理解していても、実際にはさまざまなシチュエーションに合わせて対応しなければならないので、インターンを通して日々学んでいます。 Sun*のインターンについて 日本人でも報連相の徹底は難しいです。。。社会人として働くようになって初めて身に着くスキルかもしれません。インターンを通して学んでいるということですが、インターンではどんなことを行っているんですか? 私が参加しているプロジェクトでは、SchoolerというLMS(Learning Management System)を作っています。私は大学が週2日あるので、インターンは週3日行っています。ハノイ、ダナン、ホーチミンの3都市のスタッフやインターン、合計11人のチームです。みんなバラバラの場所にいますが、オンライン会議やチャットツールを使ってコミュニケーションをとっているので、チームワークよく働いています。 いいチームですね!PMはIT講師の平田先生ですよね?どんな先生ですか? 平田先生は熱心に教えてくれる先生です。私がインターンを始めたばかりの時、報連相のルールを守ることができませんでした。一番印象に残っている出来事は、Schoolerのサーバーがハングアップしてしまった時です。私は慌ててしまって、状況を何も説明することなく平田先生に「先生!サーバーがオーバーしてしまいました!機能をオフにしてもいいですか!?」とチャットツールで伝えてしまいました。私のその連絡だけではアドバイスのしようがないですよね。。。平田先生は、「今の状況はどうですか?画面にはどのように表示されていますか?」など丁寧に質問をしてくれ、それに私がひとつひとつ答えていきました。それを繰り返して、私自身きちんと状況を把握することができました。それ以来私は、何か問題が発生した場合は、その時点でわかることを冷静に確認してすぐに状況を報告するようにしています。そして、さらに詳細に問題を調べてまた報告しますと伝えています。そうすることで相手が安心すると思うので。その後、全ての状況が把握でき次第、【発生した問題】【原因】【対策】など、カテゴリーごとにわかりやすくまとめて報告するようにしています。私は今プロジェクトの中でComtorの役割を行っています。Comtorとは、チームメンバーの間に入ってコミュニケーションの懸け橋や通訳などを行う仕事です。Comtorをしていると、報連相がとても大切です。インターンを行うことでさまざなまケースを学ぶことが出来たので良かったです! 確かに、学生生活の中ではなかなか報連相を行う場面はないですよね。それ以外ではインターンを通してどんなことを学びましたか? お客様の立場に立って考えることの大切さを学びました。例えばお客様にとっては不便なことなどに気づくために、しっかり話を聞かなければいけません。Schoolerを使っているのはSun*所属の先生たちなので、平田先生はPMですがお客様でもあります。平田先生はいつもユーザーの立場になってアイディアを出してくれます。 Comtorの役割を語るタインさん そうなんですね。次に技術面について聞きたいのですが、大学で学んだことはインターンで役に立っていますか? はい、役に立っています。Schoolerでは、スクリプト言語はPHP、フロントエンドはReactJS、フレームワークはLaravelを使用しています。この技術は大学でも勉強していましたがSchoolerのソースコードはとても複雑で論理的なので、初めて見たときはびっくりしました。最初は大変でしたが、トレーニングを積んで、少しずつ実践を積み重ねていきました。今はComtorの仕事がメインのためコードを書く機会が少なくなりましたが、他のインターン生にComtorを引き継ぐので、前のようにコードを書くことがメインになります。 タインさんはComtorの仕事とコードを書く仕事、どちらの方が好きですか? どちらも難しい仕事ですね。。。私はComtorの方が好きです。なぜなら、Comtorの仕事には日本語能力が必要なので言葉の練習になるからです。 なるほど!大変な仕事を好きと言えるのは素晴らしいことですね。社会人になったら大変な仕事を任されることもありますが、タインさんはどんな仕事がしたいですか? 私は将来BrSEになりたいです。なるためにはもっともっと勉強が必要です。そのひとつとして、毎週木曜日に平田先生の勉強会に参加しています。 勉強会ではどんなことをしているんですか? 毎週1回30分くらいで、Schoolerのプロジェクトに参加しているインターン生5人が参加しています。BrSEについての勉強や、プロジェクト内で発生している問題を解決するための話し合いをしています。例えば、今週私が先生に提出したレポートの内容がわかりにくいと先生から話があり、どんなところがわかりにくいのか、どうしたらわかりやすいレポートになるのか教えてくれました。この勉強会のおかげで、私の日本語を話す能力やBrSEとしての知識が向上しました。 インターンは楽しいですか? はい、とても楽しいです!知識の共有ができるし、私がわからないことがあればチームのメンバーが教えてくれます。また、実践IT授業で学んだ日本のビジネスマナーも実際にインターンを通して実践できているので勉強になります。 渡日前に日本人と働く上でのビジネスマナーを知っておくのは大切ですね。 そうですね。私はベトナム人なのでベトナム人が考えていることは何となくわかりますが、日本人が考えていることは理解するのが最初は難しかったです。例えば日本人は相手の発言に対して、言葉そのものの意味だけじゃなく、どんな意図があるのかをよく考えますよね。私も平田先生と話すときに、その意図は何か、間違えて認識していないかと考えています。特にチャットツールを使ってのコミュニケーションだと、対面よりも相手の意図を理解することが難しいです。これからももっと勉強したいと思っています。 タインさんは日本人みたいですね笑。では最後に、タインさんが今後したいことを教えてください。 私は、これからも新しい技術を学び続けたいです。ITの世界はどんどん新しい技術が出てくるので、勉強し続けることが大切だと思います。そして日本でBrSEになれるように頑張ります! 授業で学んだことをさらにインターンを通して実践で学び続けているタインさん、そしてこれからも新しい技術を学び続けたいという意思が素晴らしいです!ありがとうございました! PMの平田先生からのメッセージ 今回、タインさんがインターンとして参加しているSchoolerのPMである平田先生よりメッセージをいただきました! 『このプロジェクトを通して、日本のビジネス文化に慣れて欲しいと思っています。Sun*の実践IT授業では、ベトナム人学生が日本企業にアジャストするためのビジネスマナーやコミュニケーション方法などの日本人との働き方を、できる限り実践的なカリキュラムで教えています。ですが、教室と現場ではどうしても一定の距離があります。ここを短期間で埋めるのはいくら優秀な学生でも難しいと思っています。彼らがインターン期間でこの距離を埋めることができるような環境を用意することが私の使命だと思っています。 インターンを開始した当初は、タインさんも授業で学んだことを現場で活かすということに苦労したと思います。報連相についても、こちらからアクションを起こさないと報告しなかったり、1週間に1回の週例でまとめて報告しようとしたり、報連相は理解していますがタイミングを掴めずにいました。そんな彼女もインターン開始してから1年経った今では、報告内容やタイミングなど私から指摘することはほぼなくなりました。彼女の成長を通して私がわかったことは、学生ができていない点を明確にしてあげることが重要だということです。学生たちは基本的なビジネスマナーは理解しています。ただ、実践できていないだけです。失敗した学生に対して、頭ごなしに「ああしなさい」とか「こうしなさい」ということは簡単ですが、それでは応用力を養うことはできず、似たような失敗を続けてしまいます。学生と対話しながら、間違っている点を明確にして、彼らに気づかせることで、地頭の良い彼らは素晴らしい適応力を発揮して、さまざまな問題に適応してくれます。 大きな成長を見せてくれているものの、依頼を受けたことの背景感や目的を理解していなくて、言われるがまま作業を実施してしまうこともまだあります。とても難しいスキルではありますが、全ての依頼やタスクには目的が必要で、その目的を明確にしないと適した成果を上げることはできないということを理解して欲しいです。その先にさらなる成長が見えるはずです。』 授業やプロジェクトを通して、学生の成長をサポートする平田先生。日本就職を目標とする学生へ、時に厳しく、時に温かく、愛を持った対応をしているのが伝わりました。タインさんも「厳しいですがとても良い先生です!」と言っていて、平田さんの愛が伝わっているのを感じました。 終わりに いかがでしたでしょうか。今回は、ベトナムの優秀な学生を紹介するシリーズの第1弾として、Sun*ベトナムのインターン生、タインさんにお話を伺いました。最初にお伝えしましたが、報連相を大切にしたり相手の発言の意図をきちんと考える姿勢などを知り、まるで日本人と話しているかのようでした。タインさんに限らず、Sun*には冒頭でお伝えした通り、日本社会において必要な知識やスキルを持っている学生がたくさんいます。実践IT授業や内定者研修、一部の学生はSun*ベトナムでのインターンを通して、日本就職前にさまざまなことを学び、技術面のみだけではなく即戦力の人材に成長しています。今後も「IT×日本語」の素晴らしいベトナム人学生を紹介していきますのでお楽しみに! わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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スタートアップ企業における、アジアの新卒エンジニアに活躍してもらうための勝ちパターンとは
スタートアップ企業における、アジアの新卒エンジニアに活躍してもらうための勝ちパターンとは
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!今回もご覧いただき、ありがとうございます! スタートアップ企業において、人的リソースも限られる中でどのような学生を採用し、新卒エンジニアとして育成していくかは、最も重要なテーマの一つだと思います。しかし、昨今の日本の抱える大きな課題として、圧倒的に国内の優秀なエンジニア人材が不足しており、多くの企業のご担当者様・経営層の皆さまにとっては、3年後、5年後の組織を考えた採用は、重要な課題なのではないでしょうか?私達は、そんな時代背景を受けて、日本ではなくアジアのTOP大学の超優秀層の学生を育成し、日本企業の皆さまへご紹介する事を目指しています。ただ一方で、 「外国⼈ITエンジニアの採用は正直想像ができない…」 「採用したは良いものの、一体どのように活躍してもらうと良いのかを知りたい…」 といった悩みを抱えている人事担当者や経営層の方々も多いかと思います。そんな皆さまへ向けて、実際に現場ではどのような工夫や取り組みがなされているのかを、経験者の方へのインタビューを通してお伝えしたいと思います。 (今回インタビューに答えてくださった方)Sun* 斎藤 幸士(さいとう こうじ)氏情報通信系研究所などでプログラマとして勤務後、スタートアップを立ち上げ。その後出資先であった企業へ入社し、マーケティングオートメーションツールの開発・採用・事業推進などの分野で活躍。「ferret One」開発責任者。 2007年、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「未踏ソフトウェア創造事業」に採択され、ビジネスシーズのプロトタイプを開発・発表した経験を持つ 。 2021年1月からSun*に参画し、大手企業・スタートアップの助っ人CTOとして従事。 xseeds Hub導入に至った背景 早速ですが、xseeds Hub(*1)を通した学生を採用頂いた背景について教えてください。 私は今はSun Asterisk社のCTOsとして働いていますが、以前勤めていた会社でxseeds Hubの学生を採用していた経験があります。その企業での取り組みは少し特殊かもしれませんが、Sun*の前身となるフランジア社(*2)で開発拠点を自前で持っていたのです。そのため、以前からHEDSPI(*3)の学生のケイパビリティ自体はよく理解していましたし、ハノイ工科大学の学生さんが大変優秀であることも実践を通して知っていました。技術的にももちろんですが、彼らの性格についても、一緒に働くことを通して理解が進みましたが、まったく問題なかったと感じています。 (*1)xseeds Hubとは?海外理系トップ大学限定 採用選考プラットフォーム (*2)フランジアとは?フランジア、CIのアップデートを実施し「株式会社Sun Asterisk」へ社名変更 (*3)HEDSPIとは? https://xseeds-hub.sun-asterisk.com/ed_blog/itjapanese-20200918/ https://xseeds-hub.sun-asterisk.com/ed_blog/itjapanese-202020922/ ベトナム人のエンジニアの方と一緒に働く上で普段から注意している事はありますか? まずは、採用した方の仕事ぶりをちゃんと評価してあげることが大前提としてあります。当たり前かもしれませんが、それをできることが継続して働いて頂ける秘訣です。ただし、日本人の採用と違ってベトナム人の方に対して留意すべき点があるとしたら、生活面での懸念が挙げられます。これも当然の話しですが、日本で育って来た日本人の方とは違って、遠く離れたベトナムから渡日されるので、生活にまつわるものは何もありません。そういった生活必需品やインフラ面なども、社内の福利厚生の一環としてもしっかりと用意してあげる事が、彼らとの信頼関係の構築にも繋がっていきます。 なるほど。彼らの性格面などはいかがしょうか? 彼らと接していて感じるのは、とても性格が素直であることですかね。あとは、上下関係が日本よりもはっきりしているように感じます。これは良い面悪い面で両方あるかと思いますが、上司から言われたことはちゃんとやる、ただ、逆に言うと上司に対して強く言い返すという文化が無い、とも言えます。 一緒に働くにあたって不安な点などはありましたか? 特に大きな不安はありませんでしたが、強いて言えばコミュニケーションくらいでしょうか。ただ、xseeds Hubの連携する大学の卒業要件として、N3(*3)以上を取得することが必須になっているので、日常会話レベルでは問題ないかと思っていました。あとは、日本で生活して日本で働けば自然と上達するはずですし。 (*3)N3とは? https://xseeds.sun-asterisk.com/recruit-20211111/ xseeds Hubで採用してみてどうでしたか? 実際にxseeds Hubを通した採用はどうでしたか? 特に良いな、と感じている点は、3日間のイベントで内定承諾を頂ける点だと思っています。それに、イベント開催費用(当時60万)と採用成功報酬(100〜120万)のみで採用まで行けるので、短期間で採用まで完了できることも考慮すると採用コストが圧縮できる点がメリットですね。(※新型コロナ前はベトナムで対面にて選考会イベントを行っていました。) xseeds Hubの採用イベントにはどのような経緯で参加されたのでしょうか? 人事担当とかをすっ飛ばして、うちの社長を直接ベトナムに連れていきました(笑)。人事からすると、「採用計画があるのになんてことをするんだ!」という話しだと思いますが…この手の話って、経営層じゃないと判断が難しいと思うんです。現場の人事担当からすると、海外の方をゼロから採用した経験が無い場合は不安もあるし、どう考えたって面倒な工数が増えますよね。ただ、今後の世界を長期的に考えると、優秀なエンジニアを海外から新卒採用する、というのは非常に重要だと思っています。 初回の採用イベントでは手応えはどうでしたか? 参加してみて非常に良かったです。当初の想定としては、この3日間のイベントを通して1〜2人くらいを採用決定出来たらと思っていたのが、最終的に6名まで現地で採用を決めてしまいました(笑)。やっぱり社長を連れて行ってよかったです。実際に参加して、現地の優秀な学生さんと接してもらえれば、海外とかアジアとか関係なく、その良さが伝わるはずです。 でも、人事の担当の方はさぞ大変でしたでしょうね。。。 そうですね。。。ただ、これは後日談ですが、人事担当は当時ネガティブな反応だった(受け入れを一体どうするのか、Capabilityはあるのか)のですが、その次の回の選考会に人事担当を連れて行くと評価が逆転しました。「選考会いいね!」となって(笑)学生に接することで、変な先入観も取れて、直接話した結果、良さが分かるようになったのだと思います。 結果として、社長を連れて行った事から良い結果に繋がったのですね。 そうですね。それからは、ベトナムを第1優先にして採用戦略をひいて、その残りの枠を日本から採用する、くらい好反応でした。実際に経営層を引っ張り出すのは大変かもしれませんが、採用できる学生さんが優秀であり、そんな子たちが3日間の労力のみで、コストも数十万〜+採用成果報酬のみで完結できるのは、経営視点で考えても、とても良い点だと思います。 採用後に活躍してもらうには? 採用前はどんな状況でしたか? 以前勤めていた会社の場合は、フランジア内に元々は開発拠点がありました。そのフランジアでは、xseeds Hubから自社で採用した学生にエンジニア研修を行っていたりします。私がここでやっていた取り組みとして、選考会の学生は採用後にすぐに開発拠点にインターンとして送り込んでいました。インターンをやっている中で、日本で経験するであろう開発を先んじて経験できるので、事前にOJTが完了している状態で入社までいき、即戦力になってくれています。入社してすぐの全社会で採用直後の子がMVPを取ってしまった事もあります。 逆に採用後に直面した壁はありましたか? コミュニケーション面での課題は思ったより大きかったと思います。社内では、ベトナム人の不慣れな日本語を聞くのに慣れていなかったり、日本語の聞き取りに慣れていないベトナム人への伝え方を理解していなかったりするので。ただ、一方で、その前提を理解している人間がいればコミュニケーションは割とスムーズに進みます。 コミュニケーション上で気をつけた取り組みなどありますか? 新卒のベトナム人の方には、KPIとしてWeeklyで日本人の子とランチに行ってもらったり、エンジニア以外の方とコミュニケーションを取る、という事を義務付けました。全社会などでは積極的に話しかけてもらうようにしたりもしています。前述の通り、ベトナム人の方の傾向として、素直にまずは聞いて動いてくれるので、あとはその後のケア次第です。 コミュニケーション上の留意点は他にありますか? 曖昧な言い方は避けるように周知しました。これは日本でも当たり前の話しかと思いますが、母国語や文化がお互いに違う分、「こんな感じでやっておいて」などの表現はNGにしました。また、ベトナム人社員の方の言う「分かりました」というのは精度が低いとも感じています。それは、上長に対して敬う傾向が強い、「できない」と言いづらい、無茶振りだとしても出来ると答えてしまう、失敗をしたと報告しづらい、といった価値観も影響していると思います。分からないことがあったら分からないと言うようにさせる努力は必要だと思います。分からない点を、そのまま放置してしまうと、その方が日本では評価が下がってしまうこともある、と伝えたりとかです。 採用を全体的に振り返ってみて 取り組みが上手くいったのだろうとお見受けしているのですが、具体的に何が良かったでしょうか? 他の企業の皆さまにも言えるかと思いますが、まずは先に開発拠点を作ると良いと感じています。成功体験や、ベトナム人の活躍の場がめちゃくちゃ広がると思います。例えば、学生は日本で日本人ばかりの環境の中、ちゃんと活躍できるのか不安に思っているので、採用後に自社の開発拠点でインターンとして勤務してもらうようにしていたのですが、ベトナム人エンジニアからベトナム語でOJTしてもらえることで効率良く業務を学んでもらい日本で働く自信をつけてもらうことができます。また、通年で選考会でエンジニアを採用するようになると、前年に採用したエンジニアを通訳として連れていくようにしていました。そうすることで、面接時に先輩から直接会社のこをと聞くことができるので学生に対して自社をアピールすることができます。優秀な学生はいろんな会社から引き合いがあるので自社を選んでもらうための手段は多く持っていたほうが良いです。採用した学生を開発拠点で受け入れるときは、日本に来ている先輩エンジニアを里帰りも兼ねてOJTのメンターとしてベトナムに送り込むようにしていました。学生にとっても、入社前に先輩エンジニアと働く機会を持てるし、先輩エンジニアも会社の経費で里帰りできるので、とても良い取り組みだったと思います。これも、Sun* に開発拠点を持っていたからできたことですね。 失敗をしてしまうケースなどもあったりするものでしょうか? うちは開発拠点があったので良かったのですが、逆にそれが無い状態でxseeds Hubで採用すると、比較対象が日本の新卒エンジニアとなってしまうので、日本語ネイティブの新卒と同じ土俵に立って比較しなくてはいけなくなるのは、お互いに苦労するかもしれません。採用された子からしても、受け入れ体制としてベトナム現地の開発拠点に一度入れるフローがあるのが安心感につながったりしています。 OJTはどんな形で進めていますか? 特に特別なことはやっていません。ベトナムチームで大まかに開発してもらいたいもののマイルストーンがあって、インターンの子もそこに戦力として貢献できるようにする、という大まかな依頼をOJTする2年目の子に課している程度です。基本はみんな優秀な子ばかりなので、ここまでやればすぐに戦力になってくれます。コードベースでは理解してくれますし、OJTや開発拠点の場でも、ベトナム語で先輩社員にすぐに聞ける人がそばに居ることが重要です。 ありがとうございました! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はSun*のCTOsである斎藤さんに、過去にxseeds Hub採用をしていた際のご経験についてインタビューしました。もっと知りたい、リアルな情報を教えてほしいという方はぜひご連絡いただければと思います。「やっぱり外国人の採用はちょっと…」という企業様も、優秀な人材の採用を目指して一緒に考えていけましたら幸いです。 わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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ベトナムの数学への教育熱は世界トップクラス?
ベトナムの数学への教育熱は世界トップクラス?
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます! 私たちSun*は、ベトナムの大学を中心に教育事業を展開しています。以前ベトナムの大学制度についてお届けしましたが、ご覧いただけましたでしょうか。 https://xseeds.sun-asterisk.com/education-20201222/ 今回はもう少し視点を広げ、「ベトナムの教育制度(主に義務教育)」をお伝えします。勤勉な学生が多いベトナム、彼らを育てている教育制度とはどのようなものなのでしょうか。 ベトナムの義務教育は何年? 日本との違いは? 理数系に力を入れているのは本当? そんな疑問にお答えします! ベトナムについて まず、教育についてお伝えする前に、ベトナムの概要を簡単にご説明します。ベトナムの人口は2020年時点で約9,700万人で、世界第15位、東南アジアではインドネシア、フィリピンに次いで第3位です。平均年齢は31歳と若く、最も多いのは25~29歳です。0~14歳の人口は2,260万人で、日本は1,500万人なので約1.5倍となります。これからのベトナムを担う子どもたちが多く、年々教育法が改定されていることから教育に力を入れていることがわかります。 【参照元】worldometer: Vietnam Population総務省統計局: 人口推計 ベトナムの義務教育 1998年に初めて施行された教育法では、義務教育は小学校の5年間のみでした。その後2005年法では小学校5年間、中学校(正式名称:基礎中学校)4年間の合計9年に変更され、さらに2019年法では就学前の1年間(5歳児)の幼稚園も義務教育とし、現在は計10年間を義務教育期間としています。その後の進路は、就職や高校(正式名称:普通中学校)3年間、職業学校などの選択肢があり、さらにその先は大学や短大などに分かれます。 義務教育期間の比較 学校は9月~翌年5月までを一学年としています。入学年に6歳の誕生日を迎える子供までが小学校に入学するため、日本とは学年の区切りが異なります。例)2022年9月に小学校1年生になるのは、2022年12月31日時点で満6歳の子供 小学校、中学校、高校は前期と後期に分かれ、年35週間授業を行っています。コロナ禍においては特別措置としてこれに準じていない場合もあります。一コマは小学校で35分、中学と高校で45分間としています。教科は日本とほぼ変わりませんが、教科別の授業時間数が異なります。というのも、主要5教科、特に国語(低学年はきれいに字を書くための練習も含む)や算数に力を入れる傾向があり、授業時間数も多くなっています。 以下は、ベトナムと日本の小学4年生の年間授業コマ数、時間数を比較したものです。 教科ベトナム(/コマ)日本(/コマ)国語280245社会 70 90算数175175理科 70105音楽 35 60図工 35 60技術家庭 35 60体育 70105道徳 35 35団体活動/総合学習7070特別活動無し 35合計コマ数875980合計授業時間数約510時間(現行通り一コマ35分で計算)約735時間(現行通り一コマ45分で計算) 日本と比較すると、現状は合計授業時間数が少ないのが事実です。中進国のベトナムでは教育に関する制度がまだまだ整っていませんが、その中でも言語力や論理的思考力に力を入れて整備しているため、その基礎となる国語や算数のコマ数が日本と同等またはそれ以上に設定されています。世界的な教育の傾向としても、「STEAM教育(それぞれの頭文字であるScience<科学>、Technology<技術>、Engineering<工学>、Art<芸術>、Mathematics<数学>)が注目されています。STEAM教育の起源はアメリカで、国際競争力を高める科学技術の人材育成を目的として進められました。ベトナムでも数学では国際的な学術到達度調査PISA(Programme for International Student Assessment)において、東南アジアでシンガポールに次ぐ高得点を出しています。 【参照元】JETRO: ベトナム教育(EdTech)産業調査、8ページ目「1.1.3 教育に関する統計」 教育カリキュラムは教育訓練省が決定し、地方の状況に応じて教育訓練局が具体的に決めています。カリキュラムの特徴としては、先ほどお伝えした特徴の他には小学校3年生から英語を取り入れていることです。また、ベトナム政府は2016年に、第1外国語として英語以外に日本語を取り入れることを決め、2021年11月現在、ハノイでは3ヶ所、ホーチミンでは1ヶ所の公立小学校で日本語が学ばれています。それだけ日本や日本語が注目されているということですね。ベトナムでの日本語教育事情については別の機会に詳しくお伝えします! 日本の教育制度との大きな違いの一つは、小学校1年生の段階から、成績が一定基準に達しない児童は留年してしまうということです。そのため小さな頃から塾に行く子どもも多く、より高みを目指すという目的以外に一定基準以上の成績を取るという理由も挙げられるのではないかと思います。ベトナムでは教育熱心な親も多いのですが、その背景として経済成長の真っただ中で共働きの割合がとても高く、子どもと一緒にすごく時間が持てない分習い事などで子どもの教育の質にこだわりを持つようになってきたことが挙げられます。確かに私の周りの子どもを持つ両親のほとんどがフルタイムで働いています。そして子どもたちは週2~3日習い事をしています。こちらの統計では英語や算数を習っている子どもが多く、両親も言語力や論理的思考力(順序立てて考えたり、試行錯誤したり、物事を解決するための力)に関心が高いことがわかりますね。 ベトナムの算数・数学に対する取り組み 今回はさらに算数に絞ってもう少し教育制度について触れていきます。先ほどベトナムでは論理的思考力の基礎となる算数に力を入れていることをお伝えしました。では、具体的にはどんなところに力を入れているのでしょうか?一番の大きな取り組みは、学習スピードが速いということです。例えば、2桁の掛け算は日本やアメリカでは小学校3年生時に学習しますが、ベトナムでは2年生の時点で教科書に出てきます。【参照元】The Ethnomathematics of Vietnamese Algorithms 日本では高校2年生の時に学習する数ⅡBの立方根を、ベトナムでは義務教育期間中の中学3年生時点で学習します。私自身バリバリの文系人間のため、立方根が何なのかを忘れておりました。。。薄れた記憶を呼び戻そうとしても、ただ難しかった思い出しかなく、それを義務教育中に学ぶベトナムはすごいという言葉しか出てきません。【参照元】ベトナムの高等学校における数学の現状に関する研究(Ⅱ) 身近な例で説明すると、Sun*所属のある日本語教師のお子さまは現在5歳なのですが、すでに掛け算や割り算を理解しています!小学校入学前に、すでに塾や家庭教師から算数を学んでいるとのことです。今から将来が有望ですね!! こういった取り組みの結果として、ベトナムは直近で行われた第62回国際数学オリンピックで、ベトナム代表で出場した6名の高校生のうち金メダル1名、銀メダル2名、銅メダル3名と、全員がメダル獲得の快挙を成し遂げました!この時の国際数学オリンピックには、世界107か国・地域の高校生が出場しています。国・地域別のメダル獲得数で、ベトナムは107か国・地域中14位、東南アジアでは1位になりました。国際数学オリンピックは、毎年行われる高校生を対象とした数学の問題を解く能力を競う国際大会です。詳しくはこちらをご覧ください。そこで優秀な結果を残したことは、ベトナムの教育に関する取り組みの結果と言えると思います! では論理的思考力を鍛えるとどうなるのか? 最も言えることは「問題解決能力が向上する」ということです。世の中には様々な問題があります。問題解決とは、現状とゴール(理想)のギャップ(課題)を埋めることです。そのため、問題の解決には、課題を抽出する必要があります。論理的思考力が高いと、物事を細かく分解して、課題を明確にすることが可能です。またITにおいては論理的思考力が必要とされています。例えばシステム使用や設計を検討するときにクライアントのニーズを正確に理解するためには論理的思考力が必要です。障害が発生した時の対応や、再発防止策の検討などにも論理的思考力が不可欠です。つまり、算数と論理的思考力、論理的思考力とITは関係していると言えます。ベトナムの学生を受け入れた企業様からは、とにかく学生のIT能力がすごいと言われます。その源泉はここにあります。今後ますます経済成長が見込まれるベトナムでは、さらにIT教育が盛んになり、優秀な学生が増えることが期待されますね! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はベトナムの教育事情についてお届けしました。教育シリーズとして、ベトナムでの日本語教育事情やお受験事情など、他ではなかなか見ない情報を今後お伝えできたらいいなと思います! わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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【外国人エンジニアの採用】JLPTとは?日本語レベルはどれくらい必要?
【外国人エンジニアの採用】JLPTとは?日本語レベルはどれくらい必要?
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます! 「外国人エンジニアを採用する上で、日本語レベルはどれくらい必要ですか?」こういった質問を受けることが多いですが、結論として、「JLPTだとN2、N3レベルです」とお伝えしています。 私たちSun*の採用選考プラットフォーム「xseeds Hub」では、海外の理系トップ大学で選抜された学生を対象に、独自のカリキュラムでITエンジニアを育成しています。そして、学生の日本企業への就職と、受け入れ先企業様の採用活動のサポートを行っています。xseeds Hub参加企業様からよくある質問の一つが、冒頭に書いたような学生の日本語レベルに関することです。答えとしてJLPT(日本語能力試験)の級で例えることが多いですが、イメージがなかなか掴めない方もいらっしゃるかもしれません。実際に日本で働くためには日本語力は必要不可欠です。 今回は、 JLPTって何? 級別の日本語実践レベルはどれくらい? Sun*の日本語教育を受けた学生はどのくらいのレベル? xseeds Hub参加企業様が求める日本語レベルは? そんな疑問をお持ちの方にぜひ読んでいただきたい記事です。 JLPT(日本語能力試験)とは? JLPTは、独立行政法人国際交流基金と公益財団法人日本国際教育支援協会が共催している、日本語を母語としない人たちの日本語能力を測定し認定する試験です。JLPTにはN1、N2、N3、N4、N5の5レベルがあり、もっとも難易度が高いものがN1です。級別の認定の目安についてはこちらをご参照ください。※日本語能力試験 N1~N5:認定の目安 必要学習時間の目安や語彙数に関しては、2010年に試験内容が改定されてからは具体的には公表されていません。なので、実際に現場で働いているSun*の日本語教師に経験上の目安を聞いてみました。 現在の級旧試験の級語彙数漢字数学習時間の目安N11級10,0002,000900時間N22級6,0001,000600時間N32級と3級の間1,500300300時間 JLPTでは、語彙、文法、読解、聴解の4つの知識を測る試験です。ここで注目しなければいけないことは、JLPTは「聞く、読む」という技能に特化しているということです。一般的に言語は「聞く、読む、話す、書く」の4つの技能に分かれていますが、JLPTでは「話す、書く」に関しては問われません。つまり、仕事や面接時によく行われる会話(=話す)はJLPTだけでは判断が難しいということなります。「話す」に関してはまた別で会話能力テストも設けられており、これはまたの機会に紹介したいと思います。 級別の日本語実践レベル 現在Sun*が日本語教育を行っている主な大学・コースの卒業要件としてはN3としているところが多くあります。一方で、日本企業が求める日本語レベルはN2としている場合が多数を占めます。JLPTの級別レベルはすでにお伝えしていますが、では、実践レベルとしてはどうなのでしょうか?ここでいう実践レベルとは、日本語での会話力(話す力)という意味で説明します。具体的な例を挙げてみます。 N3レベル 理解できること →日本語教師の話。  日本語教師は、教科書で使われる日本語を理解して学生に話しかけることができるため、学生は理解しやすいです。  例)〇「あなたのふるさとはどちらですか?」   ※HUSTで使用している日本語の教科書では「ふるさと」という表現を用いています。   ✕「あなたの出身はどちらですか?」 難しいこと →ネイティブスピーカーとの通常の速さでの会話  例)〇「(ゆっくり)なぜこの会社で働きたいですか?」   ✕「(早口で)志望動機や取り組みたい業務内容を教えてください。」   ※普段使用しない言葉や言い回しを早口で話すと伝わりにくいです。 N2レベル 理解できること →NEWS WEB EASY(https://www3.nhk.or.jp/news/easy/)の容易な理解→日常レベルの会話→ビジネスでの挨拶  例)〇外国人を対象として優しい日本語で書かれたニュース   ✕ 日本人読者を対象として書かれたニュース 難しいこと →議事録作成→社内・社外向けプレゼン資料の作成→口頭での説明からの仕様策定 例)〇「(取引先との挨拶として)この度はお越しいただきありがとうございます。」  ✕「いただいた資料についてプレゼンをお願いできますか?」  ※想定されるビジネス上の会話は可能ですが、プレゼンは難易度が高いです。 N2レベルとなると、日本での日常生活で出てくる言葉を使ったやりとりは問題ないと言えます。ですが、先ほども書いた通り、JLPTと会話能力は異なるのでN3の知識レベルでもスムーズに話せる学生もいれば、N2の知識を持っていてもなかなかスムーズに話しが進まない学生がいます。私も実際に学生と話しをしていてこのようなことは感じることがあります。Sun*の日本語授業ではJLPTの知識習得は別で会話能力にも非常に力を入れているのでN3でも会話がスムーズにできるなと感じることがあります。一方で日本語センターなどで日本語を勉強しN2を取得した方と話したことがありますが、うまく会話でのコミュニケーションは出来なかった覚えがあります。 ここで重要なことは、語彙の運用能力と思考の深さは異なるということです。先ほどの例にもあげたとおり、「なぜこの会社で働きたいですか?」という表現、日本人なら「志望動機や取り組みたい業務内容を教えてください。」の表現の方が知的に感じますよね。しかし、彼らも実際には母国語であればすごく知的に感じるように話すことができるわけです。つまり、思考の深さを本当に測りたい場合は日本語ではなく母国語で確認するといったことも必要になります。その具体的な方法については、これもまた別の記事でお伝えいたします。 Sun*の日本語教育における授業数 Sun*が教育事業を提供している大学のひとつ、ハノイ工科大学(HUST)のHEDSPIコースを例にあげると、4年間で624時間の一般日本語授業を学んでいます。学生がメインで学んでいるものはITですが、それに加えてこれだけの日本語教育を受けるということは学生にとっても相当な努力が必要です。HUSTの卒業要件としてN3相当の日本語力が必要とされているため、学生は必死に勉強しています。また、ベトナム国家大学ハノイ校のHEDSPIコースの学生は、卒業要件としてN2取得が必須となっています。ベトナムにある文系大学の日本語学科でも、卒業要件は大多数がN2取得やN2相当レベルとなっています。いかにHEDSPIコースの学生たちが主専攻であるITを勉強しながら日本語を学ぶことが大変か伝わるのではないでしょうか。 取材などで、私自身HUSTやVNUの一般日本語の授業を見学することもありますが、そこで感じるのは、「ベトナム理系トップ大学の学生は、元々頭がいい」ということです。専攻しているITのみならず、日本語やその他の授業に取り組めるということは、それだけ地頭がいい証拠だと思います。私も地頭が良ければ…(笑) xseeds Hub参加企業様が求める日本語レベル xseeds Hub選考会時点でのレベル xseeds Hub選考会では、大学3年生の学生が対象です。そのため、想定レベルとしては、JLPTのN3が全体の3分の1、それ以外(未取得やN4以下)が3分の2となります。中には、3年生時点でN2を取得している強者もいます。日本語を学び始めてから約2年ということで、面接時点では日本語での意思疎通が難しい学生もいますが、通訳(Sun*の手配)を介して行うため言葉の問題はありません。 企業様も卒業までにまだ1~2年ほどあるとご理解いただき、今後日本語力が伸びることを前提に考えてくださっているため、面接では日本語力よりも学生のIT能力や思考力などを中心に評価いただく場合が多いです。ですが、日本語で頑張って話そうとする学生や、自己紹介プレゼンや成果物プレゼンなど事前に日本語のスライドなどを準備する学生もたくさんいます。簡単な日本語でアイスブレイクをすることで、素の部分や日本就職への熱い気持ちが伝わるのではないかと思います。 入社時点でのレベル こちらはばらつきがありますが、内定先企業様の希望による部分があります。企業様が入社時点でN2レベルを必要とする場合は、卒業までに取得できるようにSun*としてもサポートしております。例えば、内定者向けの夏期講習、会社でよく使われる会話表現の練習も実施しています。また、私たちから入社後に企業様にもお願いしていることがあります。例えば、以下のようなものです。 社内で日本語講座の開催 上長との1on1トーク チームでの週1回のフリートーク やはり、実際の業務に入ってからも積極的に日本語を使う環境づくりが大切です。その結果、「よく質問してくれるようになった」「積極的に話すようになった」などのお話を伺っており、人間関係の構築によって日本語力の向上につながったという企業様が多い印象です。日本語をアウトプットする機会が増えることで会話力が向上したと言えますね!また学生側も、入社後に引き続き自主学習を続けることで、日本語力が向上しています。入社後のフォローにつきましても、サポート体制を組んでおります。それについては近々別の記事で紹介したいと思います。 以前ECC様との共同セミナーを行った際にも、「外国人材と働く時に必要なスキル」についてお伝えしましたが、受け入れ先企業側としても書いて伝えるだったり復唱させるなど、その場で理解させることはもちろん、ちょっとした工夫をすることで日本語力向上に繋げることも可能です。 終わりに いかがでしたでしょうか。今回は、JLPTそして外国人エンジニアの日本語力についてお伝えしました。大学時代にITの実践的な能力のみならず日本語力をつけることによって、日本就職時に即戦力になることができます!そんな優秀な学生の日本就職という目標のサポートができることを、Sun*教育事業部としてとても嬉しく思っています。学生が日本での生活、仕事で少しでも円滑なコミュニケーションを取れるように、また、xseeds Hubを通して外国人エンジニアの採用を検討されている企業様が少しでも安心して採用活動に取り組めるように、これからも精一杯サポートさせていただきます! わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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ハノイ工科大学でスタート!ブレンデッド教育とは?
ハノイ工科大学でスタート!ブレンデッド教育とは?
Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます! 9月から新年度を迎えたハノイ工科大学(HUST)ですが、Sun*が教育事業を行っているIT学部でブレンデッド教育がスタートしました。※ハノイ工科大学について、こちらを合わせてご覧ください! https://xseeds.sun-asterisk.com/university-20210122/ 新型コロナのパンデミックにより、オンライン授業の需要が高まっている昨今。ブレンデッド教育は対面とオンラインのハイブリット型教育ということで注目されています。私自身この取材を通して初めて知った教育法なのですが、コロナ禍だからこその必要性や、今後オンライン授業が当たり前の世の中になるのではと感じました。 今回は、 そもそもブレンデッド教育ってどんなもの? ブレンデッド教育のメリット、デメリットは? なぜ今ブレンデッド教育が注目されているんだろう? Sun*の日本語教育ではどのように活用しているの? そんな疑問をお持ちの方にぜひ読んでいただきたい記事です。 ブレンデッド教育とは? ブレンデッド教育とは以下のように説明されます。 正規の教育プログラムの中で、少なくとも部分的にはオンライン配信によって提供された教材や指示を用いて、いつ、どこで、どのような順序やペースで学ぶかなどをある程度まで生徒自身が決められる状況で、生徒が学んでいく学習形態である。 ※引用:wikipedia 冒頭で少しお伝えした通り、対面とオンラインの学習活動を効果的に組み合わせた教育手法です。他にもハイブリット教育やブレンデッドラーニングなどと呼ばれています。ブレンデッド教育の方法はさらに大きく4つに分類されます。 ①反転授業 ビデオ教材で予習し、対面授業の際に協働学習を行うスタイル。 ②ローテーション型授業 一つのカリキュラムの中で、対面授業やオンラインなどをローテーションしながら学ぶスタイル。 ③分散型授業 学生を2グループに分け、それぞれ対面授業とオンライン学習を行い、次の授業でそれを交代するスタイル。コロナ禍の日本においては必要とされている。 ④ハイフレックス型授業 「ハイブリッドーフレキシブル」の略称。対面や同期オンライン(全員同時参加型)、非同期オンライン(個人のタイミングで行う)があり、学生が選択可能なスタイル。 学生の状況や目的に応じて、どのスタイルが最適かを考えて行うことができます。今回HUSTでは①の反転授業のタイプを導入することになりました。理由としては大きく3つ挙げられます。 対面授業では、学生一人一人の様子を机間巡視(教室内を歩きながら確認すること)をしながら把握することができる。 反復授業のビデオ教材を使用した予習の際に、学生が自分のペースで学習できる。よって、理解が深まりやすく、教師側は確認問題を通して学生の理解度や状況を把握しやすい。的確な把握によって、対面授業での復習やアドバイスがしやすい。 事前にビデオ教材で予習することが前提のため、対面授業の時間を他の活動(グループワークなど)に充てることができる。 学生の性格や日本語の学習度合いを考えたときに、HUSTでは反転授業がベストだと考えました。 ハノイ工科大学(HUST)でブレンデッド教育を導入したきっかけ 始まりはベトナムの教育省がベトナム全土で「オンラインを使った授業を積極的に活用していく」と発信したことでした。現在、教育先進国ではICT教育やデジタル教材が当たり前になっており、学生はいつでもどこでも勉強できる環境があります。昨今、ベトナムでもICT教育を進めようとしており、ベトナム内で理系のトップ大学であるHUSTが今回選ばれました。さらにSoICT(IT学部)のSun*が提供している日本語教育が選抜されることになったのですが、この授業は単位認定(必修科目)の授業であり、大きな挑戦です!大学にとっても大きな挑戦ですが、同時に失敗できない挑戦になります。そこで、大学と関係も深く、IT企業としてDX化を推進している私たちに任せたいという相談が最初にありました。私たちとしてもこの大学の想いには強く共感するところもあり、「やるなら絶対成功させよう」ということでブレンデッド教育を進めることにしました。大学側の希望は大まかに以下の内容でした。 ビデオを活用した授業 学生の学習の質をチェックする仕組みを作り実施 学生の学習度合いを確認し、学習が滞っている学生へのフォローの徹底 ブレンデッド教育のメリットを学生が感じ、満足してもらう HUSTとしても初めての試みですが、学生の満足度が高ければ他学年や他学部にでも実施の可能性があるかと思います。一丸となって成功事例を作っていくことが必要ですね。 ハノイ工科大学のIT学部、日本語教育で導入したブレンデッド教育 まず、IT学部3年生の日本語の授業で2021年9月より導入を開始しました。対象の学生は、45分間の日本語の授業を週に8コマ受講しています。「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をバランスよく身につけること、また、JLPT(日本語能力試験)に向けてさらなる言語知識を養い、日常で使えるようになることが3年生前期のゴールです。その中でビデオや確認テストを用いたオンライン学習が2コマと、対面授業を6コマ実施しています。現在はコロナ禍において対面授業がオンライン授業となっていますが、状況によって対面授業に切り替える予定です。オンライン学習で行われているのは以下の項目です。 ベトナム語訳付きの語彙リスト ポイント説明ビデオ(例文やクイズあり) 確認クイズ(GoogleForm使用) 読み物の内容理解を促す音声付きのビデオ(クイズあり) 作文(GoogleForm使用) 漢字リスト(学生が理解しやすいように関越語を記載、例文やクイズあり) 実際のオンライン学習② クイズ 実際のオンライン学習② ベトナム語訳付きの語彙リスト 実際のオンライン学習③ Google Formを使用した確認クイズ 様々なツールを用いて教師が毎回オリジナル教材を作成しています。単純な疑問として、ブレンデッド教育の先生に「対面授業の準備より大変ですか?」と質問したところ、「確かに、新しい試みなので、授業前の準備は対面授業と比較して2倍以上かかります。ですが、学生がより効果的な学習を行えるようにサポートしたいので日々オリジナル教材をアップデートしながら授業に臨んでます!」と教えていただきました。すべては、学生の日本語習得、そして将来の目標である日本企業への就職に繋がりますね! 一方、対面授業では、オンライン学習の際に学生が多くつまずいていたクイズの復習や確認テストなど、全員がきちんと理解したかを教師が確認できるようにしています。他にもJLPTに向けた学習も行っています。 ブレンデッド教育に期待できる効果 ブレンデッド教育に期待できる効果としては以下が挙げられます。 勉強するスケジュールを自分で立て、自己管理ができるようになる 自分のペースで予習ができる オンラインに慣れておくことで、新型コロナのような問題が起こったときに対応できる ブレンデッド教育をうまく活用できれば、対面授業をより効率的に進められる(効率的なインプット、アウトプット) ビデオなどの教材が残るため、何回も繰り返して学習できる 自主的に勉強できるようになる(社会人に必要な能力を養える) やる気がある学生は自分で勉強を進めていける ブレンデッド教育を通して、学生の自律性を養うことも狙いとされているんですね。 世の中には様々な教育法が存在しますが、学習者の状況や目的などに応じて使い分けています。ブレンデッド教育は歴史が浅いため、まだ教育方法が確立されていません。日々手探りですが、確立されていない分新しい可能性に満ちていることが感じられます。Sun*の教師は常にそこに向き合い、アップデートを重ねているということを、現場の取材を通して知ることができました。来年度にはさらに多くの学年でブレンデッド教育が導入されるよう、この新しい取り組みが学生にとってプラスになるといいですね! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はハノイ工科大学でスタートしたブレンデッド教育についてお届けしました。Sun*の教育事業部としては初めての試みのため、今後アップデートを繰り返しながらより良いものになるようにしていきます。コロナ禍で対面授業が難しい中、「オンライン授業を活用すること=プラスになる教育」という概念が、ブレンデッド教育にはあります。わたしたちSun*教育事業部は、学生の成長のために最善の方法を今後も模索し続けます! わたしたちの事業の内容やxseeds Hubに関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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【教育現場Voice】IT講師チームに新たに強力な仲間が加わりました
【教育現場Voice】IT講師チームに新たに強力な仲間が加わりました
「これまで学んだことの全てをベトナムの学生へ伝えたいです」 そう語ってくださったのは、Sun*でIT講師をしている木村先生です。木村先生は2021年7月にSun*へ入社し、現在はオンラインで授業を行っています。なぜSun*でIT講師をしようと思ったのか、これまでのことや将来のことなど木村先生の胸の内に迫ります。 Xin chào các bạn(こんにちはみなさん)!Sun*教育事業部の大原です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!日本語×IT教育で世界中の優秀なIT人材を育成しているSun*教育事業の魅力を余すことなく伝えることをモットーにしているこのコンテンツ。 「IT講師ってどんな人がやっているんだろう?」 「Sun*のIT教育の価値ってなんだろう」 そんな方にぜひ読んでいただきたい内容です。 (今回インタビューに答えてくださった方)木村 亮(きむら りょう)先生大学院で地球惑星科学を専攻。新卒で会計システム販売ベンダに就職し情報システム部として5年半、その後金融系SIerに転職しクラウドエンジニアとして従事。開発エンジニアのための環境整備や社内研修講師を担当。日本やアジアのIT業界を盛り上げたい、根本は教育だと考え、Sun*に参加しIT人材教育の分野へ転身。趣味はカフェで読書、俳句、落語鑑賞、ヨガ、そば打ち、野球、かわいいもの探し。 木村先生の学生時代 木村先生は学生の頃からITや教育に興味があったんですか? 学生の頃は最初からITや教育にそれほど興味を持ってはいなかったので、大学は理工学部物理学科を経て、その後大学院の修士過程へ進みました。宇宙の研究者になりたかったため、大学院での専攻は地球惑星科学です。太陽系の外にある地球に似た環境の惑星で、地球と同じように生命が存続できるかということを調べていました。子供のころから星を眺めるのが好きだったんですよね。それから、知らないことを知りたいという知識欲がとても強かったです。宇宙に関しては知らないことが多すぎてもっと知りたいと思ったのが地球惑星科学を専攻したきっかけです。 これは大規模な研究ですね!大学院の専攻とITはどのように結び付いたんですか? 大学院では理論研究していたので、コンピュータで数値計算のプログラムを書いて、結果をグラフで出して考察するということが日常茶飯事でしたね。大学でも大学院でも実験や授業を通してやり方を学んだというか、当たり前のようにやっていました。ITが常に身近にあったことで、就職活動では自然とこの業界に進もうと思いました。 木村先生のITエンジニア時代 大学卒業後はどんな仕事をしていたんですか? 当時を振り返る木村先生 大学を卒業後はITエンジニアとしてこれまで2社、合計10年間働いてきました。一社目は会計システムのパッケージを開発、販売していた企業で、情報システム部に所属して開発者のサポートを行っていました。具体的にお話しすると、開発者のためになるようなインフラ部分を整える仕事をしていました。例えば、製品をリリースする前に検証をしなければならなかったんですが、そのための機器が当時全然足りてなかったんです。大きなサーバーを導入して、開発者の時間や労力の負担を軽減するプロジェクトをおこなったこともあります。 ただ、大学や大学院でプログラミングをやっていたということで製品開発をゴリゴリやっている部署に配属になると思っていたのですが、同期が20人くらいいる中で私だけ情報システム部だったんですよね。配属が決まる前に、インフラ部分に関しての質問を先輩社員へ多くしていたからのような気もしますが、はっきりした理由はわかりません(笑)今考えると、誰かのサポート側に回りたいという思いが当時から表に出ていたのかもしれませんね。 二社目はSlerで、インフラエンジニア、クラウドエンジニアとして働いていました。転職活動をしているときは、今後会社としてAWSを推進していくであろう会社を選びました。一社目で働いている時からAmazon Web Services, Inc.のサービスであるAWSの素晴らしさや可能性を感じていたんです。例えば、会計システムのパッケージをクラウドサーバーに移行したほうが安いんじゃないかということで、AWSのサーバーに載せて販売するというスキームができつつありました。その時、サーバー代がかからないという事だけでなく、AWSは他にもいろんなことができるなと思ったんです。 2つの会社で働けたことは、IT講師として学生にいろんな角度から伝えられると思うので、とても良い経験だったと思います。その10年間の間に、2つの異なる興味から今につながるきっかけを得ました。 一つ目は、元々海外に興味があったので、ボランティアで外国人に日本語を教えていたことです。自分でもいつから興味があったのか、具体的なきっかけは何だったのか覚えていないんですが、中学の友達に会ったとき「そういえば昔、海外で日本語を教える先生になりたいって言ってたよね」と言われました。中学の時から英語が好きでしたし、先ほども言ったように知らないことを知りたいという思いが昔から強かったんです。大学の時も友人に「海外に行きたい」と言っていたみたいです。無意識に「海外に行きたい!住んでみたい!」と昔から言葉にしてたみたいですね(笑) 海外旅行での一枚 地元がすごく田舎で、同級生の6割くらいはそのまま地元で漁師をするというパターンが多い地域だったんですが、そこから新しい世界に出たいとずっと思っていました。東京に出たいと思って大学では上京しましたし、その延長線上が海外だったんだと思います。ただ、日本語を教えるということは本当に難しくて、日本語教育の専門知識がないためうまく教えられませんでした。 ※日本語教師の仕事内容については、こちらでの紹介しています! https://xseeds.sun-asterisk.com/teaching-20210624/ どうしたら上手に教えられるのか調べていくうちに、日本語教育能力検定試験の存在を知りました。約半年間、仕事をつづけながら試験勉強に取り組み、2020年に無事合格することができました。こちらは完全に趣味の領域だったんですけどね(笑) 二つ目は、こちらもボランティアで小学生にプログラミングを教えたことです。二社目に勤めていた時、社内イントラに「小学校のICT教育のアシスタントティーチャー募集」というものがあがってきたんです。面白そうだからやってみようと思って挑戦しました。ITのシステムを自分が作ることより、開発者のためになる基盤を用意するような支援側の方が仕事をしていて楽しかったので、もしかしたら誰かのサポートができる仕事が自分には合うんじゃないかなとちょうど思い始めた時期でもあります。さらにAWSの資格(ソリューションアーキテクトアソシエイト)を取るための講習を受講した際にわかりやすく教えてくださった講師の方に出会い、自分もこの講習を社内向けに行いたいなと思いました。そこからITのトレーナーとしての道にさらに興味を持ち、日本やアジアのIT業界を盛り上げたいと視野が広がり、根本は教育だと思って転職を考え始めました。 木村先生とSun* ボランティアやセミナー受講などいろんなことを行っていたんですね。そんな中、Sun*のIT講師という仕事はどのようにして出会ったんですか? Sun*との出会いを語る木村先生 ICT教育の経験やもともと漠然とあった海外への興味などから、そういった環境を探そうと「IT 教育」という2つのキーワードで検索をし、転職活動を始めました。実はSun*の前にITの講師としての仕事を2社検討していたんです。1社はサポートエンジニアとしての仕事でした。ITの授業を行うのではなく、その会社のITサービスの利用者がオンラインで質問をしてきたものに返信するという、サポートセンターのような仕事です。ただこの仕事だと聞かれたことに答えるのみで、教育的要素はないことから少し違うなと思いました。もう1社は、私自身も受けていたAWSのセミナーの講師でした。 ただ、AWSのみではなくもっと幅広く教育に携われる仕事はないかと探していたところ、Sun*のIT講師という仕事に出会いました。Sun*以外の2社ももちろん魅力的だったんですが、最終的な決め手は「自分がやりたいことに一番近いのはどこか」ということでした。日本語教育に関してはあくまで趣味だったので、まさか仕事に結び付くとは思っていませんでした(笑)今考えてみると、「IT 教育」のキーワードに「日本語教育」や「海外」をプラスしたらSun*以外考えられないくらいドンピシャだと思います。 確かにSun*のIT講師以外考えられないぴったりなキーワードですね(笑) そうですね。まず、そもそも海外で行う実践ITを教えるという仕事はSun*以外にはないんじゃないかなと思います。同じような求人があったとしても期間が2年間などに限定だったりするので、期間を気にせずその仕事にどっぷり浸かっての長期的な仕事はない気がします。面接を受ける前にSun*のコーポレートサイトを見たのですが、その中で2つの言葉に惹かれたというのも大きかったです。 まずは「価値創造」。このキーワードは、前職の頃から思っていたことでもあります。会社に入ってなにでお金を稼ぐかということにおいては、ものを売るか、もしくはその人から何か価値を提供しないと対価を得られないということを、会社としてのみじゃなく個人としても常に考えているべきだと思うんです。なので、教育を通して、心からワクワクし価値創造に夢中になっている世界を創るというSun*の役割にも、とても共感しました。 それから「世界平和」。世界平和はみんなが望んでいることですし、抽象度が高い言葉なのかなと思うんです。ただ、周りが当たり前だと思っているような言葉を会社として掲げていることに、「本気で考えているんだ、世界平和に向かっていっているんだ」ということが印象的でした。そして、世界中の子供たちが教育を平等に受けられる環境を作りたいというSun*の思いが伝わってきました。SDGsを考えたときに根本のひとつは教育だという思いがあるため、自分にできることをSun*でしたいという気持ちがより強くなりました。 最後になりますが、これからIT講師としてどんなことをしたいですか? 直近の目標は、IT講師として早く独り立ちすることです。Sun*には、これまでITエンジニアとして学んだことすべてを置いていくつもりでいます。また、Sun*を通して日本やアジアのIT業界を盛り上げたいという思いがあります。日本にはまだGAFAのような大企業がないですが、まだまだ成長の余地があります。これから外国人人材を受けいれ、グローバル化を目指し、GAFAのような企業が生まれてほしいですね。まずは何より、早く対面授業がしたいです!新型コロナウイルスの影響で遅れていた渡越ですが、最近やっとできました。今はベトナム人学生と直接会える日を楽しみにしています! 木村先生、インタビューの時間をいただきありがとうございました! 終わりに いかがでしたでしょうか。今回はSun*のIT講師として最近デビューした木村先生についてお届けしました。木村先生とSun*の出会いは必然で運命だったんじゃないかなと感じるくらい、「IT・教育・日本語教育・海外」というキーワードが双方にぴったりだと思いました。Sun*の教育事業部としても、木村先生が惹かれたとおっしゃった「世界平和」と「価値創造」という言葉を常に意識し、誰もが才能を開花できる世界を実現できるように日々取り組んでいこうと思います。 わたしたちの事業の内容やxseeds Hub 選考会に関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度)

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