目次
新卒でエンジニアを採用する企業が増えている背景
企業が新卒でエンジニアを採用する背景には、以下のような要因が考えられます。
- IT人材不足
- 経験者採用の強い売り手市場傾向
IT人材不足
厚労省の発表によると、2030年にはIT人材が最大で約79万人不足することが予測されており、需要の高まりに対し供給が置いついていないのが現状です。
特に経験者採用の競争率は非常に高いことから、新卒のエンジニア採用へ乗り出す企業が増えていると考えられます。
経験者採用の強い売り手市場傾向
国内市場全体のエンジニア不足を背景に、強い売り手市場の傾向が続いています。ハローワークが計測している職業別有効求人倍率の推移を見ると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で一時期落ち着いていたエンジニアの有効求人倍率も、コロナ禍の収まりとともに再び厳しさを取り戻していることがわかります。
エンジニアの経験者採用の競争率の高さは新卒採用市場も無関係ではありません。高いスキルを身につけている人材に対しては、新卒であっても700万以上のオファー金額が提示される例もあるなど、需要の高さが伺えます。
エンジニアを新卒で採用する時の4つのポイント
新卒といえども、エンジニア採用の成功は一朝一夕というわけにはいきません。以下で示すようなポイントを抑えつつ、他社との差別化を図っていくことが大切です。
①自社の魅力を伝える
②学生を理解する
③文系学生もターゲットに含める
④外国籍人材を採用する
①自社の魅力を伝える
エンジニアの採用が新卒であっても売り手市場傾向があることを考えると、企業側から学生へどのようなメッセージを伝えるかは他社との差別化や学生に魅力を伝えるためにもこだわりたいポイントです。
おすすめなのは「私たちはエンジニアを大事にする会社である」ということを明示することです。例えばコーポレートサイトや採用サイトに書籍購入補助や資格取得補助、社内勉強会や新卒研修などエンジニアに嬉しい福利厚生をしっかりと記載しましょう。
また社内のエンジニアに依頼してテックブログを立ち上げることも効果的だと言われています。こちらは社内のエンジニアを巻き込む必要があり運用工数もかかりますが、エンジニアだからこそのアピールができたり、社内の透明性を上げることができます。
②学生を理解する
企業側からのメッセージを送るだけではなく、学生を理解することも大切です。
例えばインターン経験があったり、大学や大学院でプログラミングなどの専門性の高いスキルを身につけている学生に関しては、スキルレベルを基準にして評価をすることができるでしょう。
一方で実務経験などに乏しい学生の場合はポテンシャルを見極める必要があるため評価の難易度が上がります。例え選考時点でスキルレベルが低くとも、ポテンシャルの高さやカルチャーマッチの度合いによっては入社後に急激な成長を見せることもあります。自社に合う人材像をできるだけ明確にしておくことが重要です。
③文系学生もターゲットに含める
ヒューマンリソシアの調査によると、日本における卒業後ITエンジニアになる可能性が高い情報通信技術関連を専攻したIT分野の卒業者数は減少傾向にあるとのことです。
このことから、エンジニア=理系学生という固定観念に囚われず文系学生でもエンジニアとして活躍したいという意欲が高い学生を積極的に採用することで、新卒のエンジニア採用の成功へ近づくことができるのではないでしょうか。
④外国籍人材を新卒で採用する
前項で国内の理系学生が減少傾向にあることに触れましたが、日本の外に目を向けると、優秀なエンジニアが次々と輩出されていることが分かります。
また、国内で新卒を採用するためには母集団形成〜選考〜内定フォローと長期にわたるタイムラインで時間と労力をかける必要があります。オファー金額も年々上昇傾向にあることをかんがみると、コストパフォーマンスを期待することは難しい選択と言えます。
一方で外国籍人材の場合は、入社までの時間がかかったりコミュニケーションコストがかかるなどの注意点はありますが、大規模な母集団の中から優秀かつ自社に合った人材を低コストで採用することができるという点で非常にメリットの大きい選択肢だと言えるでしょう。
エンジニアを新卒で採用する5つの手法
エンジニアの新卒採用でおすすめの手法は以下の5つです。
①理系学生に強い採用サービス
②ダイレクトリクルーティング
③紹介サービス
④採用イベント
⑤外国籍人材採用サービス
①理系学生に強い採用サービス
1つ目は、理系学生に強い採用サービスを利用する手法です。例えば理系学生だけが登録できる求人媒体などが該当します。
専門性の高い分野を学んでいる可能性が高いので、エンジニアとしての素地をある程度期待できるというメリットがある一方、母集団が少ないというデメリットもあります。
②ダイレクトリクルーティング
2つ目はスカウトなどに代表されるダイレクトリクルーティングという手法です。こちらは優秀な学生に直接アプローチできたり、採用費用が抑えられるなどのメリットがあります。
デメリットとしては採用担当や、場合によっては社内エンジニアの工数がかかる点、また母集団が限られている点などが挙げられます。
③紹介サービス
3つ目は人材エージェントなどを通じてエンジニアを志望する学生を紹介してもらうサービスです。
こちらは母集団形成の必要がなく、第三者目線で自社についてアピールしてもらえることで意向上げに効果が期待できます。
その分成果報酬による採用費用は高く、また担当者の力量に左右されてしまう部分もあります。
④採用イベント
4つ目は採用イベントも効果を期待できる採用手法です。1-2日という短い期間で多くの学生と接点を持てますし、イベント期間中に選考を行える場合もあるため効率的です。
ただし学生と企業がお互いに自己紹介をしつつ、選考やアトラクトなども同時に行う必要があり、スクリプトの作成など事前準備に手間がかかったり、複数の選考官をアサインする必要があり工数がかかるという注意点もあります。
⑤外国籍人材採用サービス
5つ目は外国籍人材を採用できるサービスです。大規模な母集団の中から、優秀な人材を低コストで採用できるというメリットが期待できます。
注意が必要なのは、海外大学の場合卒業スケジュールが日本と異なることが多く入社までのリードタイムが長い点や、言語能力などによってはコミュニケーションコストがかかる点です。
そのため入社までのフォローが手厚い外国籍人材採用サービスを選ぶのがおすすめです。
24卒エンジニア志望学生の動向と年明けから取り組む採用活動
24卒のエンジニア採用活動に乗り出した企業も多いかと思いますが、改めて今年度の学生の動向と、それに合わせた今後企業が取り組むべき採用活動をご紹介します。
24卒エンジニア志望学生の最新動向
レバテック株式会社のエンジニア就活生を対象とした意識調査によると、2022年5月以前から就職活動を開始していると答えた学生が最も多く35.9%で、約7割の学生が2022年7月までに就職活動を始めていることが分かりました。昨年度は同時期までに就活を開始した割合は5割未満だったことからも、就職活動の早期化の傾向は強いと言えます。
また株式会社ディスコが2022年11月に実施した就職意識調査によると、11月後半時点で志望業界が明確に決まっている学生は31.5%。なんとなく決まっていると回答した学生と合わせると8割近い学生が志望業界を定めているとの結果でした。
年明けから取り組むべき新卒エンジニア採用活動
以上のことから、1月頃の学生は志望業界が定まっており、夏のインターンなどの経験からエンジニアという職種に対する解像度もある程度上がっていることが推察できます。
それを踏まえて、年明けから取り組むべき新卒エンジニア採用活動をご紹介します。
冬インターン
1月頃から企業が取り組める採用活動のひとつが冬のインターンです。夏の就職活動を通してエンジニアという職種に対する解像度が上がっている就活生に対して、少し難易度の高い骨のあるワークなどを設計することで、参加者の満足度も上がりますし、技術力の高い会社であるというアピールにもつながります。
実施期間は5日以上が望ましく、社員からの丁寧なフィードバックも参加者の満足度を上げる重要な要素となります。
選考の設計
冬のインターンと並行して、選考の設計を進めるのも良いでしょう。選考官は誰が適切か、面接は何回行うのか、テストの有無など、評価基準や求める人物像にもとづいて、自社に合う選考を設計してみましょう。
オンラインとオフラインのハイブリッドがポイント
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、リモートでの面接や選考が一般的になりました。これには地方学生の機会増加という大きなメリットがある一方で、企業の風土やカルチャーを伝えづらいというデメリットもあります。
そこで、選考はオンラインで実施し、オファー面談や座談会など意向上げに効果的な施策はオフラインで行うなど、オンラインとオフラインをハイブリッドすることで双方のメリットを最大限に活かすことがポイントだと考えられます。
まとめ
エンジニアを新卒で採用する際のポイントと、その採用手法についてご紹介しました。自社に合う人材獲得に向けて参考にしていただければ幸いです。
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