はじめに

 2022年に来日したインドネシア出身のジョディさん。日本にきてから2年半、しろくま電力株式会社にてエンジニアとして働いています。イスラム教徒として日本での生活に適応しながら、ITスキルを活かして環境に優しいエネルギー開発に貢献しているジョディさんにインタビューを行いました。

日本に興味を持ったきっかけ

ー 日本に興味を持ったきっかけはなんですか?

ジョディさん:
 私が日本に興味を持ったのは、中学校の頃に見た日本のアニメや漫画がきっかけです。日本の文化や文字、ひらがなやカタカナを見て面白いと思い、そこから日本語の勉強を始めました。特に「名探偵コナン」は実際の生活に近いアニメだったのでどんどん日本への興味が高まって、いつか日本に行きたいなと思っていました。
 最初は、日本で働くことが難しいと感じていましたが、SunAsteriskのジョブフェア(選考会)に参加し、しろくま電力の選考を受けました。

ー イスラム教徒として全く違う日本での生活はどうですか?

ジョディさん:
 日本に来る前も、アニメを通して見た日本の生活のイメージがあったのであまり心配はしていませんでした。実際に日本に来て生活してみると、最初は慣れないことも多かったですが、今は2年半も経ってだいぶ慣れてきました。
 最初は驚くことがたくさんありました。特に街がきれいなこと、交通ルールがしっかり守られていることに驚きました。例えば横断歩道の前で車が止まって歩行者を渡らせるといったことが普通だということに驚きました。インドネシアではそういうことがないので。笑
 また、時間にきちんと正確であることや、他の人のことをちゃんと考えてくれるという文化も印象的でした。

ー しろくま電力に応募した理由を教えてください

ジョディさん:
 しろくま電力はグリーン電力を提供する会社で、環境に優しい電力を作るための商品開発をしています。私はIT専攻でしたが、「IT」というのは消費電力が多いことや二酸化炭素排出の問題から、実は環境にあまり良くないなと思う事がありました。そこで、ITと環境問題をどうつなげるかということに興味がありました。
 その中でも私は、しろくま電力の「ITを活用して地球に優しいものを届ける」という会社の方針に非常に惹かれました。ITを使って地球環境を助けるという道があることを知り、この会社に入社をして仕事がしたいと思いました。

ー インドネシア国内においてのグリーンエネルギーへの関心はどうですか?

ジョディさん:
 インドネシアは今、非常に人口が増えていて、グリーンエネルギーよりも他に解決すべき課題が多いため、国内ではまだあまり話題になっていません。政府レベルではグリーンエネルギーに関する議論はありますが、まだ現実的ではない印象があります。またインドネシアの国民では、グリーンエネルギーは料金が高いというイメージが強く、あまり関心が持たれていないのが現状ですね。

しろくま電力での業務

ー 今はどんな業務をしていますか?

ジョディさん:
 私は今、主に太陽光発電所を作るための適地を探す仕事をしています。日本では土地はあるものの、太陽光発電所を建設するには地価が高く、また地域ごとの環境を守るためのルールもあるなど、様々な条件があります。そこでITを活用して、様々なデータを集めて分析し、最適な土地を探すという仕事をしています。私のIT専門知識を活かしながら、グリーンエネルギーに関する知識も学ばせてもらっています。 

ー 今の仕事で楽しいと思うことは何ですか? ‎

ジョディさん:
 土地探しの仕事はとても面白いと思っています。特に衛星画像を使って、どこが適地なのかを分析するためのAIモデルを開発することが今はいちばん楽しいです。また、発電所のモニタリングシステムにAIを導入して、問題があれば自動で検知するようなサポートシステムの開発にも現在取り組んでいます。AIは複雑で開発者でも中身で何が起こっているか完全には理解できないことが多いですが、結果が満足できるものになると、より面白いと感じますね。

ー 今の仕事で大変なことや難しいと感じていることはありますか?

ジョディさん:
 AIを使ったアラート検知システムの開発において、「AIの複雑さ」は難しいですがチャレンジという感じですね。AIが複雑すぎて開発者でも中で何が起こっているか完全には理解できないため、それをユーザーに簡単に説明することが難しいと感じています。ユーザーに納得してもらえれば嬉しいですが、納得してもらえない場合は改善方法を探すのが大変です。

日本に来てからの、心境や考え方の変化

ー日本に来る前と今の心境の変化について教えてください。

ジョディさん:
 インドネシアは人口が多すぎて、他の人のことをあまり考えない傾向がありますが、日本ではみんなが周囲のことも当たり前のように考えてくれます。それに影響されて、私も周囲に目を向けるようになりました。最近、インドネシア人が日本で迷惑をかけるようなニュースを見ることがあり残念な気持ちになります。私は日本に来る前に日本のルールや文化を理解してほしいなと思っています。

ーしろくま電力で働く魅力は何ですか?

ジョディさん:
 しろくま電力は日本の企業ですが、自由度が高いのが魅力です。
 例えば、フレックスタイム制を導入しているので、出社時間が決まっておらず、事前に連絡するだけで何時に出社しても問題ありません。特にプログラマーにとっては、夜の方が集中できる人も多いと聞きます。朝から仕事をする必要がなく、何時から始業開始しても全然問題がないという柔軟さがあります。それに、基本的には出社ですが、家で仕事をする必要がある場合はリモートでも問題ありません。
 また、イスラム教徒として一日5回のお祈りがありますが、会社の隣のビルの会議室を借りてお祈りすることができています。このように、私たちの文化について会社が理解を示してくれることも嬉しいです。

ー インドネシアの学生が海外で働く上で不安になりそうなことは何ですか?

ジョディさん:
 イスラム教の視点からすると、一番不安だったのは食べ物です。イスラム教では食べられるものが限られているので、日本ではどこで食材を買えばいいのか、食べられるものがあるか心配でした。ただ、自分で料理を作れば解決できるので、乗り越えられる問題だと思います。

これからのキャリア

ー これからどんなキャリアイメージを持っていますか?

ジョディさん:
 AIやプログラミングの開発経験はありますが、もっと素晴らしいものを作りたいという気持ちがあります。私はインディビジュアルコントリビューター(Individual Contributor)として、マネジメントよりも自分で何かを作る方が好きです。これからは、地球に優しい素晴らしいものを作っていきたいと思っています。

ーこれから日本に来るインドネシア人の方へ一言

ジョディさん:
 日本での生活や仕事は、インドネシアで体験したことがないことも多く、きっと良い経験になります。是非皆さんも日本で働けるように自信を持って頑張ってください!

おわりに

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