新卒3年目でグループ会社CTO。xseeds Hubを通して出会った逸材

– xseeds Hubを通して出会われたお2人ですが、お互いの第一印象はいかがでしたか?

中出:
飛び抜けているという印象でしたね。学業も抜群に優秀な成績を収めている上に、自分でも技術力向上のために活動をして、人に見せられるレベルのものを作っていました。どんどんチャレンジしたいという意欲を持っているのも伝わってきたので、彼の好奇心や挑戦心を満たすことができる機会を与えてあげさえすれば、きっと活躍してくれるだろうと感じました。

ソン:
実は、xseeds Hubで話をする前からマネーフォワードという会社のことが好きでした。マネーフォワードと話ができる選考会を狙ってxseeds Hubへ参加したくらいです。最終的にマネーフォワードへ入社を決めた理由は大きく2つあります。ひとつは、選考を受ける前に中出さんのインタビューを読んだ際、中出さんのエンジニア組織に対する考え方と「変化を恐れず、冒険を楽しみたい」 という理念が自分とフィットするのではと感じたことです。もうひとつは、選考を受けたタイミングではまだマネーフォワードもIPO前のスタートアップのフェーズだったのですが、その自由度が高く新しいサービスに積極的にチャレンジできる環境に惹かれたことです。

– 入社後はどのような業務をされてきましたか?

ソン:
入社1年目で新規事業のメインプログラムを作っていました。諸事情でその新規事業は頓挫してしまいましたが、2年目で今のマネーフォワードi株式会社の立ち上げメンバーとしてアサインされました。現在はそこでCTOをしています

中出:
機会さえ与えれば彼が活躍することには確信があったので、入社1年目からチャレンジしてもらえるような場所を用意していました。その新規事業が外的要因によって頓挫してしまった時も、また必ず新しい挑戦の場を渡そうと思っていたので、今回グループ会社の立ち上げメンバーとしてアサインしました。

xseeds Hub導入事例 マネーフォワード社

グローバル基準の採用プロセスをゼロから構築し、マネーフォワード本体へ逆輸入

– CTOとして事業やチームをマネジメントする上で難しいことはありますか?

ソン:
立ち上げ当初から「グローバルなチームにしたい」という思いを持っていたのですが、マネーフォワードの中にはまだグローバルレベルで優秀な人材を獲得するための確立された採用プロセスがありませんでした。そのため、世界基準で見るとまだマネーフォワードという会社のプレゼンスは大きくない中で、ゼロからグローバル基準の採用プロセスを構築しました。具体的には、LinkedInやテックブログなど様々なSNSを通して情報発信したり、Googleなどのテックジャイアンツの採用手法を適用するなど工夫をしています。なんとか採用も軌道に乗り、現在では世界中から10数名のエンジニアがジョインしてくれています。

中出:
今では、彼がCTOを務めるグループ会社で確立した採用プロセスを、マネーフォワード本体の方にも適用しようと動いています。もちろんCTOとしてプロダクトをゼロから作るためのアーキテクチャを考えたりなどもしてくれていました。それと並行して新しい採用プロセスを作り上げてくれたので、正直異次元だなと(笑)彼は面白いと思ったことに対しては惜しみなく努力ができる人なので、会社としてしたことと言えばそのような環境を与えることくらいかもしれません。

ソン:
入社1年目から新規事業のメインメンバーへアサインしてもらい、それがうまくいかなかったとしても次のチャンスを与えてもらえる。さらには入社3年目で新しい採用プロセスの開拓を任せてもらえる環境は世界でも珍しいと思っています。そのマネーフォワードの自由度の高さがあるからこそ、新しいことに挑戦して結果を出すために努力ができているのだと思います。

xseeds Hub導入事例 マネーフォワード社

外国人エンジニア受け入れのポイントは「日本語の壁」の解消

– これまでにもxseeds Hub経由で数多くの学生を採用していただいていますが、受け入れ施策としてはどのようなことを行っていますか?

中出:
社内で「TERAKOYA」と呼んでいる、週に1~2回程度先輩社員が外国籍社員に対して1on1で日本語を勉強するための制度があります。そこにはエンジニアに限らず全職種の先輩社員が参加してくれています。エンジニア職の新卒に関してはほとんどが海外人材なので、社内全体が彼らをサポートしていくというカルチャーは出来上がっていると思います。新卒社員の中でもハノイ工科大学出身の学生がもっとも多いので、同じ大学出身の先輩がいるチームへ配属するなどのフォローも行っています。

ただ、どうしても日本語でのコミュニケーションが課題になっている部分はあると思っています。ソンさんだけではなくxseeds Hubで出会える学生は皆優秀なのですが、言語の壁によってそれを発揮しきれていないのではと。そのため、2024年末までにエンジニア組織の公用語を英語にするために動いているところです。実際ソンさんにグループ会社を任せる際「日本語を使わなくていい」と伝えたら、先述のように目覚ましく活躍してくれているので、他の学生にも同じことが起きるだろうと考えています。

これはマネーフォワードだけではなく、日本の企業全てに言えることかもしれません。xseeds Hubで出会える学生もそうですが、彼らは清潔さや生活のしやすさの面などにおいて、日本という国に対する魅力は感じてくれています。ただ仕事で活躍する上でどうしても日本語というものがバリアになってしまっています。逆に言えば、そこさえ取り除くことができれば世界中から優秀な学生を採用できる企業へと成長するのではと思っています。

xseeds Hub導入事例 マネーフォワード社

マネーフォワードグループで初めてUSマーケットへ挑戦。幹部候補生として寄せる期待

– 今後の目標などはありますか?

ソン:
私がCTOを務めるグループ会社・マネーフォワードiは、外国人エンジニアが半数以上を占めるグローバル比率の高いチームなのが特徴です。SaaS管理プラットフォームというアメリカを中心に今まさに盛り上がりを見せている領域に取り組んでいるので、ゆくゆくはUSマーケットへのサービス展開も挑戦したいと思っています。自分たちのチャレンジが、マネーフォワード全体のグローバル化を推進できるのではと考えていますし、そういう意味でも、グループ全体へも大きなインパクトのあることだと思っています。

中出:
私としては彼らのやりたいことを止めないためにどうするかを考えたいという気持ちです。社内でも議論はありますが、グローバル展開を見据えたサービス開発という挑戦の後押しをしたいです。

– 今後ソンさんへどのような期待を寄せますか?

中出:
彼は将来のマネーフォワードのエンジニア組織における幹部候補生です。今はグループ会社でCTOを担ってもらっていますが、いずれはマネーフォワード本体へ戻ってきて、グループ全体へよりインパクトのある仕事に携わってもらいたいと思っています。そのためにも、英語の公用語化を含めた組織のグローバル化を推進していければと思います。