大学提携による優秀学生の豊富なDBがxseeds Hub導入の決め手

– 新卒の外国人エンジニア採用に乗り出そうと思ったきっかけは何でしたか?

私は元々新卒採用について強烈な否定派でした。自身がエンジニアのバックグラウンドが強いからかもしれませんが、スクラムチームで背中を預けあって成果を作っていく環境の中で、長けたスキルのない人材を採用するポジティブな必要性を感じないという考え方を持っていたんです。現在でもエンジニア職種では国内で新卒を採ることはほぼありません。とはいえ国内の中途採用も、十分な数の応募がないという課題も長らく抱えていました。

– それほどスキルフルなエンジニアを求めるサイダス様が、今回xseeds Hubを通して新卒かつ外国人エンジニアを採用しようと思われたのはどういう経緯がありましたか?

3年ほど前に、知人の紹介でベトナム人エンジニアの新卒を採用しました。彼らが本当に素晴らしかった。内定直後から「サイダスで働くことが楽しみだ」「入社までに何か貢献できることはないか」と彼らの方からどんどんメッセージが届くほどエンゲージメントが高かったです。入社後の活躍はさらにめざましく、入社してから1年半ほどでハイコンテクストな日本語のコミュニケーションをスムーズに行えるほどに成長してくれました。今は彼らにチームリーダーを勤めてもらっており、今年xseeds Hub経由で採用した新卒メンバーは、彼らをメンターにしようと思っています。彼らのエンゲージメントの高い活躍の片鱗が見えた時から、ベトナム人エンジニアの新卒採用に勝機があると確信を持ったため、インターネットでベトナム人エンジニアの採用について調べ、xseeds Hubに辿り着きました。

– 外国人エンジニアの採用を行えるサービスは数多くあると思いますが、その中でxseeds Hubにお声がけいただけた決め手はなんだったのでしょうか?

JICAからODAを引き継いで大学と提携を結び教育から携わっているというきちんとしたバックグラウンドがあり、ハノイ工科大学をはじめとするトップ大学とxseedsが長年築き上げてきた深い関係値が見てとれたというのが一番大きい理由です。彼らの優秀さが明らかで、かつ彼らと最も密な連携を取れているサービスがあるのであれば、それを利用しない手はないですよね。

xseeds Hub企業事例インタビュー

xseeds Hubの学生に通底するのは”高い集中力”と”誠実さ”

– xseedsの強みをご理解いただき嬉しく思います。実際学生とお話をされてみて、印象はいかがでしたか?

学生一人一人で強みも弱みも全く違いますが、ベトナムの優秀な学生さんに通底しているのは”誠実さ”と”高い集中力”だと思います。誠実さは”自己一致の姿勢”と言い換えてもいいかもしれません。過度な自信や我の強さより、自分自身を理解して、他者と助け合おうという姿勢。それは本人のメンタリティの面でも大事だと思いますし、チームで仕事をする上でも重要な要素になります。自己一致している人ほど、プロジェクトでアラートを自然に出せたり、是々非々で改善をできる傾向にあると思いますし、そういう人はチームの中で活躍できるイメージが湧きます。それは集中力の文脈でも同じだと思います。人生では大小さまざまな課題にぶつかります。その時に高いセルフイメージを維持するために、集中力を維持して課題解決に取り組む必要がある。特にエンジニアという職業の特性上、難しい要求事項やプログラムのエラーなどに出会うのは日常茶飯事なので、冷静に対処していけるかどうかは非常に重要だと思っています。

xseeds Hubで出会える学生は総じて成績優秀な方が多いので、今まで勉強してきたことについて深掘りするだけでも一人一人面白いストーリーがあります。例えば勉強や試験でつまずいたことはあるか、それに対してどうリカバリーしたかなどを聞くことで、正しく状況に対処できているか、成果を出すために高い集中力を持続させることができる人材かを判断できると思っています。

xseeds Hub企業事例インタビュー

内定〜インターンのエコシステムを構築し、シームレスな活躍を実現

– xseeds Hub経由での採用は内定から入社まで2年ほどかかるのが一般的ですが、入社後のシームレスな活躍のために内定期間中で工夫されていることはありますか?

Sun*が提供するラボ型開発も発注をして、弊社プロダクトの一部の開発をお願いしてます。内定をお出しした方のほとんどはそのチームにインターン参加してもらっています。それによって入社前からプロダクトの理解を深めてもらえますし、教育もしてもらえる。結果的に立ち上がりのリードタイムがほぼゼロで活躍してもらえるというエコシステムを構築しています。これはxseeds Hubで採用しようと決めた時にすでに考えていたことです。先日グエン・ヴァン・ズンさん(以下ズンさん)が入社してくれましたが、オンボーディング要らずでスムーズにチームに馴染んでいるので、狙い通りに機能していると感じています。

ちなみにズンさんはハノイ工科大学出身者がリーダーをしているチームに入ってもらっています。ただリーダーが今ホーチミンで仕事をしているので、入社する2週間前からズンさんにホーチミンへ行ってもらい、リーダーと直接コミュニケーションを取ってもらう期間を設けました。弊社は沖縄に開発拠点があり、基本的にはそこでリモートで業務に取り組んでもらうので、入社直後にコミュニケーションで困らないように事前に関係値を構築してもらおうという意図です。

xseeds Hub企業事例インタビュー

受け入れにおいて重要なのは言語のサポートと配属チームの設計

– 受け入れ体制をどう整えるのかは外国人エンジニアを採用する際に不安に思われがちな部分ですが、サイダス様ではどのような取り組みを実施されていますか?

まずは言語のサポートが重要です。入社したら自然と日本語が身につくだろうとほったらかしにしてしまうようでは、その方に活躍してもらうことは難しいと思います。サイダスでは週3回オンラインで日本語会話の講師をつけ、それ以外の自学習などを含めて毎日1時間勉強し、日次レポートを上げてもらっています。それを日々就業時間内に行ってもらうことで「あなたが活躍できるように、私たちは会社として全力で環境を整えてますよ」というメッセージを込めています。

国内/海外関係なく、新卒の彼らには実務経験がほとんどありません。それでも彼らを採用する理由は、会社へのエンゲージメントが高いコア人材になってほしいからです。そのために、彼らのロールモデルとなる3-5年上の先輩をメンターとして設置することを意識しています。目指すべき姿とその道筋が明確にイメージできることが、人材の活躍には不可欠だと思います。

また、メンターは、彼ら新卒エンジニアのキャリア観について定期的にヒアリングする1on1を実施しています。日本のエンジニアが描く一般的なキャリアと、ベトナム人エンジニアの描くキャリアは価値観が根本的に違うことも多いです。例えば「故郷であるベトナムに錦を飾りたい」とか「ベトナムで会社を作りたい」とか。そこをないがしろにすると、希望が叶えられないことがフラストレーションに繋がってしまいます。せっかくエンゲージメントが上がったのに辞めてしまうようなことになってはもったいないので、そこは意識しています。

xseeds Hub企業事例インタビュー

ベトナムの新卒を採用すれば”勝てる”。外国人エンジニア採用に見出した勝ち筋

– 外国人エンジニアの採用にハードルを感じている企業は日本国内にまだたくさん存在していると思いますが、どうすればそのハードルを超えられると思いますか?

私は、ハードルを感じているくらいなら止めた方がいいと思っています。採用とはその人の人生を背負うことです。そこに不安があってはいけない。私たちは「ベトナムの新卒を採用すれば”勝てる”」という強烈な確信があったからこそ、xseeds Hubを利用しています。3年前に雇った3名や今まで雇ったベトナム人以外の外国籍スタッフを迎え入れるためにオンボーディングの仕組みを作り、早く長く活躍してもらうための教育制度やメンタリングを整備する中で勝ち筋が見えたからこそ「やるしかない」と確信が持てるようになりました。xseeds Hubの学生のように、エンゲージメントが高く誠実で集中力の高い人材は、なかなか採用することができません。xseeds Hubに出会えて非常にラッキーだったと思っています。

エンジニアの新卒採用は将来のコア人材の採用と位置づけているので、引き続きハノイ工科大学をはじめとするベトナムのトップ大学から採用しようと思っています。なので、xseeds Hubは今後もずっと利用していきたいと思っていますし、現在のところ代替手段は無いとも思っています。少し先の話ですが、彼らの中には将来的にベトナムに戻って働きたいという要望も多いので、ベトナムにも会社を作りたいと思っています。その際には改めてお手伝いをお願いできるとありがたいです。