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自社サービスを一緒に成長させられるスキルレベルの高い人材を求めて
– 外国人エンジニアの採用に目を向けたきっかけは何でしたか?
宮下
きっかけは、オフショア開発のパートナー企業とのコミュニケーションをより密に・円滑に行いたいと感じ始めたことでした。クライアントとパートナー企業という垣根を越えて、可能な限り自分たちと同じ目線で開発に取り組んでもらいたいという思いは常に持っており、これまでも年に4回ほど現地へ足を運びオフラインでコミュニケーションを取るなどの活動を継続しています。それでも物理的距離の問題や言語の壁を取り払えないというもどかしさがあり、普段からオフィスで一緒に働き、現地の開発拠点とも円滑にコミュニケーションができる人材を採用しようという動きが出始めました。
あとは、国内のエンジニア採用に苦戦していたというのもあります。プロジェクト単位での業務であれば、その都度委託などで人を集めるということもできるのですが、自社のサービスを継続的に成長させるという観点では、ナレッジを溜めていく必要があるためなかなか難しい。サービスのリリースやサポートまで一貫して関わってもらう必要もあるため、通常のエンジニアリングよりも求めるスキルレベルが高くなります。それをクリアする学生と出会えるのであれば、海外に目を向けても良いのかなと。それもあって、現段階で採用している新卒は外国人エンジニアのみになっています。
– xseeds Hubを導入する決め手は何でしたか?
宮下
技術レベルの高い学生にアプローチできるという点が最も大きかったですね。あとは、ベトナムという国そのものが日本に比べて成長性が高く、若い熱気にあふれている。そのような環境で育った人材が持つバイタリティーの高さに惹かれたのも理由のひとつでした。
ともにサービスをより良くしていく仲間になってほしい
– 現地でxseeds Hubの選考会に参加されてみて、学生の印象はいかがでしたか?
佐野
主体的に研究へ取り組んでいる方が多く、総じて優秀な方々という印象でした。国内ではなかなかここまでモチベーション高くエンジニアリングを学習している人材には出会えないというのが率直な感想です。みなさん優秀だったので、どなたに内定をお出しするかはかなり悩みました。最終的には日本語能力と面接時の知識やスキルに加えて、将来どのように成長したいと思っているかを重視しました。
宮下
あとはストレスに対してどのような対処をするかというのも見ていましたね。社会人1年目で、かつ日本という知らない土地で生活するのは少なからずストレスがかかるものだと思うので、それに対し柔軟に対応できる方と一緒に働くことがお互いにとって幸せかなと。
結果的には5、6名採用したいと思える方に出会えたのですが、今回は2名までの採用と決めていたので苦渋の選択でした。採用しておけばよかったと今でも思います(笑)今回入社決定となった2名の方はそれぞれコミュニケーションが得意でBrSEとしてのキャリアを描いている方と、AIなどの先端技術に特化した方の2名です。
– 入社後彼らにどのような活躍を期待しますか?
宮下
一番は、日本人社員と同様にひとりのメンバーとして主体的にサービスの開発や改善に対して自走できる人になってほしいと思っています。
佐野
国内で新卒を採用した場合も同じだと思うのですが、新卒社員はどうしても受け身になる傾向があると思っています。自ら意見を出して、ともにサービスをより良くしていける仲間として仕事をしたいですし、オフショア開発のコミュニケーションをさらに円滑にしていってもらえると嬉しいです。
Sun*のラボ型開発を利用し、入社前後のシームレスな活躍を期待
– 内定から入社までの期間にどのようなフォロー施策を実施していますか?
宮下
現在行っているのは月に1回のオンライン面談です。テーマを決めて日本語でプレゼンしてもらい、フィードバックを行うことで日本語能力の学習につなげてもらったり、卒業までの学習計画の進捗報告などを行っています。テーマは「ふるさと自慢」や「chatGPTの活用方法」など面白いと思ってもらえるようなものを選ぶようにしています。今は私がメインで行っていますが、今後は他の社員とも話してもらえるようにしていきたいですね。
あとはSun*(xseeds Hub運営会社)さんのC&E(開発支援サービス)を利用しベトナムにラボを持ち、そこでインターンをしてもらう予定です。元々xseeds Hubを利用する際に内定辞退のリスク回避などの内定期間中のサポートを期待していたのと、入社前から自社サービスに触れてもらうことでインターンとOJTを兼ねた経験を積んでもらい、入社後のシームレスな活躍につなげたいと考えています。
– 受け入れ後の体制について構想はありますか?
宮下
入社まではまだ期間があるので、現在構想を練っているところですね。
佐野
取り組んでいることでいうと、当社は数年前からカンボジアのエンジニアに働いてもらっており、今は彼らの評価制度を組み立てているところです。日本人社員とは価値観や仕事観が異なるポイントがあるため、各国のモデルケースを作っていけたらと思っています。
将来を見据え、グローバルな組織づくりを今から
– 今後も外国人エンジニアの採用を継続していく予定はありますか?
宮下
まだ明確な数値目標には落とし込んでいませんが、将来的には日本人メンバーと外国人エンジニアが50:50のグローバルな組織を作っていきたいと思っています。日本で暮らしていると日本人同士で固まって仕事をすることに慣れてしまっていますが、これはきっと30年後には大きく変わっているはず。今のタイミングから外国人エンジニアを積極的に採用し、グローバルな組織づくりのノウハウを蓄積していくことで他社に先駆けた組織を作れるのではと考えています。
– 最後に、海外採用へ踏み切れない日本企業へメッセージをお願いいたします。
宮下
数十年後には、成長している企業ほど外国人エンジニアの数が多いという状況が来ると思っています。日本は人口減少という課題に突き当たっていますが、比例して新卒で採用できる人数も減少していきます。優秀なエンジニアを採用したかったら海外に目を向けないといけないというのは必然的な考え方ですが、いよいよ新卒が採用できないとなってから動き始めては遅いという危機感も抱いています。今からグローバルなカルチャーや、受け入れるマインド、仕事の進め方などに慣れていく必要があるのではないでしょうか。