はじめに

 xseeds(エクシーズ)の教育プログラムを卒業し、現在は株式会社Sun Asterisk(以下:Sun*)で大活躍するグエンさん。子供の頃から日本のアニメや漫画に親しみ、日本で働くことを決意したグエンさんに、これまでの仕事やその想いについて、お話を伺いました。

日本への興味と、働く場所としての選択

ーどうして日本に興味を持ったのでしょうか?

 子供の頃からアニメや漫画が好きで、自然に日本に興味を持ちました。「ドラえもん」や「名探偵コナン」、高校生になると「BLEACH」のような少年漫画などですね。それに、ベトナムと日本は同じアジア文化なので、考え方が似ているところも多くあります。ベトナムでは、日本の先端技術や生活環境、マナーの意識が高いことなど、とても良いイメージを持っています。

ー日本語の勉強はいつから始めましたか?

 大学で日本語の勉強を始めて、xseedsの先生達には「ひらがな」から教えていただきました。それから大学3年目には日本語能力試験(JLPT)のN2、4年目にはN1に合格することができました。当日は弱いところを補うために塾にも通っていて、多い時では週3回、4時間ほど勉強していました。たくさん勉強しているうちに、いつの間にか「日本語が分かる」というスイッチが入ったのを感じました。

ー日本で働こうと思った理由を教えてください

 給与の面で、同じポジションで日本企業はベトナムの2倍くらいもらえるというのもありますし、先進国である日本で、効率的な働き方やプロフェッショナルな働き方を身に着けられると思いました。
 もう1つは、生活体験、環境や文化への興味ですね。また、将来ベトナムに帰国する必要があった場合も、ベトナムでは日本語人材の需要が高まっているので、多くの機会がある点も安心できました。

ーその中で、Sun*へ応募した理由は何でしょうか?

 一番の魅力は、さまざまな経験を積めることです。Sun*には多くのクライアントがいて、多様なプロジェクトに関われます。また、私は将来的にプロジェクトマネージャー(以下、PM)になりたいと思っていたので、早くキャリアを積めることも大きな魅力でした。
 他に内定をいただいた企業では、数年間は開発者として経験を積んでからリーダーになり、その後PMになるという流れが多いですが、Sun*ではブリッジSEからPM、お客様と直接やり取りをして案件をリードするというキャリアパスが見え、より早く希望のキャリアを実現できると感じました。

 この場合、技術の知識がちゃんと蓄積できないという懸念もあるんですが、それをカバーするために、卒業前に開発者として実際案件でインターンし、技術経験も積みました。

 それから、Sun*は働く環境の自由度もとても魅力的でした。リモート勤務が可能で出社の頻度は決まっておらず、必要に応じてオフィスに行くスタイルです。さらに、毎年一時的にベトナムに帰省して、現地のオフィスで働くことも可能なので、ベトナム人にとってすごく嬉しいポイントです。

挑戦の連続が生んだ、驚異的な成長スピード

ー これまで経験されてきた仕事内容を教えてください。

 Sun*に内定してから入社までの1年半、フルスタックエンジニアとして実際の案件に関わり、設計から開発、テストまで経験して、技術的な知識を身につけました。

 卒業してからはコロナ流行の影響ですぐに来日ができず、1年目はベトナムでブリッジSEとして勤務し、モバイルアプリの開発プロジェクトでは、日本チームと連携しながらベトナムチームを管理していました。

 その後、2022年6月に来日してからは、大規模EC開発のプロジェクトに参加して、要件定義フェーズから、設計・開発・運用まで全ての工程に参加しました。開発フェーズではメインPMも任せていただき、お客様と直接やり取りをしながら、ベトナムの開発チームと連携してプロジェクトを計画通りにリリースすることができました。この時の成果から、2023年の「Sun* Best Rookie Nominee」に選んでいただきました。

 その後は、PMをしながら並行して提案活動のサポートに入り、2024年10月から営業部門に異動しました。現在は、Principal Directorとして新規案件の営業活動を実施しながら、複数既存案件のAccount Managerとしてデリバリーも見ています。Sun*Japan(Sun *日本法人)では初めてのベトナム人Principal Directorとして、色々とチャレンジをさせてもらっています。

仕事と向き合う中で見えてきたこと

ー仕事のやりがいや面白さを感じる時は?

 ベトナムにいた時は、決められた仕様通りに開発することがメインだったのですが、日本に来てからは、プロダクトがゼロの状態から要件定義フェーズに参加し、どの機能・どの設計が必要なのかを考えて、チームで議論しています。自らお客様のニーズに応えることができ、素晴らしいプロダクトが実現していくのを見られることに、大きなやりがいを感じています。

ースキルのキャッチアップについて教えてください。

 開発者としてインターンをしていたので、技術面のキャッチアップは特に問題ないと考えています。プロジェクト進行中で分からないことは随時調べて、身につけるように心がけています。
 日本語については、ベトナムにいる間に教科書で勉強したことがベースになっています。日本に来てすぐは、日本語の文章がまだ不自然なことも多かったので、周りの日本メンバーの真似をして言葉をテンプレート化して「この場面であればこういう文章を使う」と、自然な表現なるように心がけました。また、会話は話さないと改善できないので、積極的にそういう機会を増やすために、社内の部活動に参加したり、メンバーとのランチや飲み会に参加して友達を増やしていきました。
 ファシリテーション能力については、最初にスクリプトを作成して社内のミーティングで練習し、スムーズにできたら、お客様とのミーティングでも担当するように役割を任せてもらいました。

これから目指すこと&メッセージ

ーこれからどんなことに挑戦していきたいですか?

 単なるシステム開発にとどまらず、お客様のビジネスの価値向上に直結する提案ができるコンサルティングスキルを習得したいと思っています。Sun*のPrincipal Directorとしてはまだこれからなので、新しいことにチャレンジをしながら、いろいろな案件や提案をして、新しいものを提供していきたいですね。やってみたいこととしては、今後AIツールをさらに活用して、自分の業務をもっと効率化させたいと思っています。

ーこれから日本に来るベトナムの方へ一言

 日本で働くには、日本語やマナー、技術などのチャレンジに加えて、さまざまな新しい体験が待っています。学びながら、楽しみながら、一緒に素敵な時間を過ごしていきましょう!

おわりに

Sun *が提供するxseedsでは、大学での日本語教育、先端IT教育、採用支援、入社後の受け入れ支援まで、一貫した人材支援を行っています。ご関心のある企業様はご連絡ください。

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