目次
自社の開発力強化のため、技術力の高いエンジニア採用に乗り出す
– 国内のエンジニア採用で抱えられている課題についてお聞かせください。
坂本
当社はこれまで、MS&ADホールディングス内の事業会社各社から受託した開発案件をパートナー企業へ委託しながら開発するという流れがメインでした。
しかしDXなどデジタル化の流れが加速することに合わせて、当社内での内製開発を拡大していく方向性が強くなってきました。
それに伴い、新卒採用においても一定の技術力を持った学生を採用しようと動き始めたのですが、やはり国内のデジタル人財の不足を痛感しているのが現状です。
鈴木
「技術力を身につけられる」という打ち出し方をしても、特に理系学生は「学んだことを活かしたい」「上流工程よりも手を動かして技術力を上げたい」というニーズが強く、訴求力が今一歩届かないというのも課題でした。
– そのような中で、外国籍人財の採用に乗り出したのはどのようなきっかけでしたか?
坂本
これまでの中国やベトナムでのオフショア開発経験からも、海外エンジニアの技術力の高さは実感していました。
とはいえ、海外リソースの活用といえば当社からの委託によるオフショア開発が中心となっており、当社で”採用”し内製開発するという選択肢は正直なところありませんでした。
それが、とある勉強会に参加した際に、外国籍人財採用の事例を知ったことで、目から鱗というか「そういう選択肢もあるのか」という気づきを得ました。
業界内でも外国籍人財採用に取り組んでいる企業があるという話を耳にし、リサーチをする中で出会ったのがxseeds Hubでした。
中村
過去にも外国籍人財の登用を検討する動きがあり、他の海外人財サービスもいくつか検討したのですが、われわれのニーズに一番合っていたxseeds Hubでの採用を決めました。
会社の未来のために、新しい挑戦へ踏み出した
– 外国籍人財の採用にあたって、不安はありませんでしたか?
中村
渡日経験の無い外国籍人財の採用は初めてでしたので、受け入れに関しては不安が大きかったですね。
だからこそ、言語面や技術面だけではなく、日本という異国の地での生活に馴染むためのサポートも、具体的にどのようなことをすれば良いかなどxseeds Hubからサポートを受けられるという点はありがたかったです。
坂本
事前に、xseeds Hub選考会に継続的に参加している企業や、実際の内定者との面談を設定してもらい、話を聞けたことも安心感につながりました。
中村
面談を通じて、入社前準備の留意点や、入社後の活躍する様子などについて、リアルな話を聞けたことで、受け入れのイメージが具体的になりましたね。
内定者に対してもざっくばらんに「日本でどんな仕事をしてみたい?」とか「いつかは帰国したいとか考えてる?」などと質問し、フランクに会話することができました。
こういった話を聞けたことで、当社で活躍してもらえる海外人財の採用ができるのではないかという考えを深めることができました。
鈴木
xseeds Hubがベトナムの人財を中心に採用できるという点も、受け入れを担当する人事部としては安心ポイントのひとつでした。
カントリーリスクや宗教的な違い、文化的な親和性なども考慮すると、受け入れのハードルが比較的低く、当社での無理なく受入れ準備ができるのではないかとの結論に至りました。
坂本
ハノイ工科大学を訪問して、実際の授業を見学したことでも、大きく印象は変わりましたね。
そもそもハノイ工科大学がベトナムトップレベルの大学であることに加えて、これほどまでに”日本語でITを学ぶ”仕組みができあがっているとは思っていなかったので、非常に驚きました。
鈴木
学生のみなさんがすごく楽しそうに授業を受けていたのも印象的で、講師の方々の力量の高さも感じられました。
中村
社内では色んな意見がありましたが、DE&I(ダイバーシティ・エクイティアンドインクルージョン)(*)などの観点も含め、会社の将来のためにも、このタイミングで新しいことに挑戦すべきだという思いがありましたので、海外人財採用の実現に向けて、検討を進めていきました。
(*)ダイバーシティ・エクイティアンドインクルージョン:性別、国籍、宗教など様々なバックグラウンドを持つ人々が組織内で活躍するための枠組み。
チームを引っ張る技術力を持つ学生たちとの出会い
– 選考会に参加されてみて、学生の印象はいかがでしたか?
坂本
みなさん素直な方々だという印象が一番ですね。一人一人がプレゼン資料を準備されていて、日本企業への就職が彼らにとって大きなゴールであり、キャリアの中でのスタートラインであり、そこに向けて懸命に取り組んでいるのだなということが感じられました。
技術レベルに関しては、大学での授業見学などもあって心配はしていませんでした。入社後も、技術領域では日本人の新入社員含めてイニシアチブを持ってチームを引っ張ってほしいと期待しています。
鈴木
面接では、チームワークを大事にできるかどうかを重要なポイントとして見ていました。
中村
新しい取り組みに対して積極的な姿勢を持つことができるかどうかというマインドセットも重要視していました。
とはいえ今回が初めてということもあるので、採用基準に関しては今後も継続する中で調整していくつもりです。
鈴木
面接の際、通訳が必要だと伝えられていたこともあり、日本語でプレゼンしてもらえたのは驚きでしたね。学生の方々の努力が伝わってきました。
– 今後、内定期間中の施策やオンボーディングの構想についてお聞かせください。
鈴木
2月から内定者との面談を始めたばかりで、具体的にどのような施策を実施するかはこれから考えていくところですが、まずは当社の若手メンバー数名の協力を得て、面談に参加してもらおうかなと思っています。
できればベトナム語で挨拶程度はできるようになってもらって、コミュニティとして機能して安心感につながってくれればという狙いです。
オンボーディングに関しても、これから人財育成を担当している部署との連携を進めていくところですが、やはり日本の文化をしっかりと伝えていくことは大切だろうと考えています。
通常の新入社員研修に加えて、日本の生活習慣や商習慣などを伝えられる研修などの実施を検討しています。
現地を訪問することで、印象はガラリと変わるはず
– 入社後にどのような活躍を期待しますか?
坂本
1つは、冒頭でもお話ししたように、今後デジタル内製化を進めていく上でのリーダー的存在になってほしいという期待です。
もう1つは、異文化で活躍する人財という特性を活かして、海外事業の支援でも活躍してもらいたいという期待も寄せています。
中村
面接でも、様々な知識やスキルの獲得など、将来の姿を語ってくれていたので、できる限り意向に沿った経験を積んでもらいたいと思っています。
また、新しい技術を使った開発にも積極的に参加してもらえると嬉しいですね。
– 今後も海外人財の採用は継続される予定ですか?
中村
仲間を増やすことも大事ですので、継続していきたいと考えています。まずは今回入社される1期生が活躍できることが大事なので、そこに向けて取り組んでいってほしいと考えています。
– 海外人財の採用にハードルを感じている日本の企業はまだまだたくさんいらっしゃると思いますが、そのような方々へメッセージを頂けますか?
坂本
私自身、海外人財採用へのイメージが大きく変わったのは、現地で大学の授業を見学した瞬間でしたので、できれば現地を訪問し、その目で見ていただきたいと思います。
鈴木
選考会に参加したことで、ベトナムの方々は一生懸命で誠実であることがよく分かりましたし、「この方ならうちの会社で活躍してもらえそうだ」と感じる人たちに出会うこともできました。
とはいえやはり直接話してみないと伝わらない部分も多々あるかと思いますので、まずは会ってみていただければと思います。
中村
現地を訪れ、会ってみてこそわかることは確かにあると思いますね。
当社も言語の問題や現地のファシリティなど不安な点は多くありましたが、xseeds Hubチームのサポートを受けることで乗り越えられましたので、支援を受けながら進めることも大切だと思います。