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外国人エンジニアを新卒から育てるというオプション
– 藤田さんのミッションはどのようなものなのでしょうか?
牧野フライス製作所は、工作機械の製造販売をメイン事業とする創業1937年の老舗企業です。その中で私たちは、デジタル技術を活用して、工作機械やものづくりをアップデートしていくミッションを担っています。そのため採用において意識しているのは、機械やものづくりに関心を持っている(またはそのポテンシャルがある)こと、その上でデジタル技術でものづくりに貢献していきたいという思いを持っていることです。とはいえ、ソフトウェアエンジニアの方に最初からものづくりに貢献するイメージを持ってもらうのは難しいというのが課題でした。
– そのような課題を抱える中で、xseeds Hubをご利用いただいた経緯を教えてください。
海外拠点からの紹介でベトナム国籍の方を中途で採用したことがあったのですが、働きぶりへの評価や文化的な親和性が高いという印象を持っていました。今回xseeds Hubへ参加したのは、人事から「こういうサービスがある」という話をもらったことがきっかけでしたが、ベトナムの方の実績があったため”渡りに船”という感覚でした。優秀な人材であれば、新卒から育てて日本の機械やものづくりへの関心とデジタル技術への精通を両立する人材として育てるオプションを持っていて良いのではと考えたのです。
突出したモチベーションと高いスキルを持つ学生に出会えるxseeds Hub
– 実際に参加してみて、xseeds Hubの学生にはどのような印象を持ちましたか?
国内採用では中々出会うことのできない程のハングリーさを持っているというのは学生全体から感じました。ベトナムというお国柄が成せることなのかもしれませんが、圧倒される人もいるだろうと思います。あとは、ベトナムでもトップレベルの大学ということもあって地頭の良さが伝わりました。ITスキルもしっかりしており、日本語も多少の差はあれどポテンシャルがあり、全体的に弱点らしい弱点がないという印象を受けました。
– その中で今回内定を出していただいた2名の学生はどの点を評価していただけましたか?
お会いした方の中で突出したモチベーションの高さとスキルがマッチしたというのが大きいです。チン・ティ・ミ・リンさん(ハノイ工科大学)はずば抜けて頭の回転が速くスキルも高い方でした。モチベーションも高い方で、色々とミッションを与えれば成長していくというイメージが湧きました。カオ・ミン・ヒエウ(同大学)さんはご親戚がものづくりに携わっており、すでに工作機械に理解がある方で、加えてプログラミングもしっかりと書ける。まさに私たちが求める人材像に当てはまる方でした。
外国人エンジニア受け入れで意識していること
– 貴社にマッチする人材と出会っていただき嬉しいです。彼らにどんな風な活躍を期待しますか?
お2人とも既に日本語が話せる素地を持っている方ですし、前述のように文化的な親和性も高いというのが前提にあるので、ある意味で海外だからとか国内だからという区別はしないつもりです。弊社が長年海外人材を採用してきたという土壌があるからかもしれませんが、そのスタンスは全社的に通底しているものです。なのでお2人にも一人のエンジニアとして平等にミッションを与える中で、活躍してもらいたいなと思っています。新卒でベトナムの人材を採用するのは初めてなので、しっかり注視しながら働いていただき、その結果成果を出してもらえたら、今後間口を広げていきたいと考えています。
– 長年海外人材採用を継続されてきた貴社は、海外人材受け入れのためにどのような工夫をされていますか?
正直なところまだまだ課題はあると思っています。海外人材と国内人材を区別しないと言っても、出身国によって特色のようなものはあります。例えば意思決定がボトムアップに慣れている方もいればトップダウンに慣れている方もいますし、表現のダイレクトさも違ってきます。その方がどういう考え方を持っているのか、どうすれば馴染んでもらえるのかは、ある程度考えていかなければならない部分です。とはいえ出社すれば隣に外国籍の方が座っているという環境があるので、個々人の意識は高まっていると思います。阿吽の呼吸のようなもので察して動いてしまう場面などに関しては、極力分かりやすいコミュニケーションを多く取るなど工夫をしてくれています。会社として、そこを個々人に任せるのではなくシステムとしてより働きやすい環境を整えるというのは注力していく部分です。
マニュアルを超えたウェットなサポートで内定まで支援
– xseeds Hubというサービス自体の印象も教えていただけますか?
用意された期間の中で多くの学生と話をしその場で内定を出すというのは、普段の採用活動とは違うので不慣れな部分もありました。ただ、Sun*さんの担当者がウェットにサポートしてくれたのは助かりました。マニュアルを読めば問題なく利用できる状態ではありましたが、それに加えて電話やメールなどで弊社に合いそうな候補者を教えていただいたり、マニュアルを超えて柔軟に対応してもらえたという印象です。改善点を挙げるとすれば、事前評価がシステム上でできればより使いやすいサービスになると思います。
国籍の垣根を超えて、プロダクトへ真摯に向き合う仲間を探す
– 現状の日本では、海外人材というだけでハードルを感じてしまう企業がまだまだたくさんあると感じています。貴社として、どうすればそのハードルを超えていけると考えますか?
弊社も課題に取り組みながらの部分はあるので成功例として語ることは気が引けるのですが、強いて言うなら自分たちが扱っているプロダクトや担うミッションに共感し、それを心から好きだと思ってくれる人たちに仲間になってほしい。その仲間探しにおいて、海外だとか国内だとか区別する必要はありません。あくまでフラットな立場で会社にマッチする人材かどうかを判断していけばいいのではと考えています。