10年前から注目していた”ベトナムの成長性”

– 国内でのエンジニア採用で課題に感じる点はありますか?

森川
まず、当社が求める人材タイプは大きく2種類あります。ひとつは日々のルーティーンをしっかり積み重ねて成長していってもらえる堅実タイプ。もう一方はチャレンジ精神を発揮して、周りを引っ張り難しい課題に挑戦していくリーダータイプ。

特に後者のリーダータイプの人材を採用するハードルはここ10年でかなり上がっていると感じており、日々様々な採用手法を模索してはいますが、課題のひとつではありました。

– 貴社はこれまでも東南アジア諸国を中心に外国籍エンジニアの採用を実施されていますが、どのようなきっかけがありましたか?

森川
ベトナム人材の採用に興味を持ち始めたのは10年ほど前になります。きっかけは、商工会議所のイベントでベトナムのホーチミンを訪れたことでした。
現地のIT企業と話をして、急成長している国ならではの勢いや若さを感じたことをよく覚えています。また当時からベトナムはIT教育に力を入れていて、国としてIT技術にかける熱意や成長性に魅力を感じていました

それもあって「いずれはベトナムの企業や人材と仕事をしたい」という思いを抱いていました。
そのため地方自治体が主催する留学生や外国籍人材の採用イベントなどにも参加し、数年前からは継続的な海外人材の採用を意識して実施しています。

現在ではベトナム・フィリピン・ミャンマー・ペルーなど多国籍な人材がエンジニアとして活躍してくれています。
特に言語の壁を乗り越え、本来持っているポテンシャルを発揮してもらえた時の彼らの吸収力は非常に高いと感じます。

山本
そうですね。外国籍エンジニアは私が所属する開発本部に在籍しているのですが、コミュニケーションのリズムが合いさえすればスキルの高さを存分に発揮してもらえるという印象です。

今回xseeds Hubの選考会に参加して、ベトナムの学生さんが持つ技術的な潜在能力やモチベーションの高さも改めて実感しましたね。

xseeds Hub導入事例 モアソン社

技術レベルが見える選考で業務イメージが湧いた

– 選考会に参加してみて、xseeds学生の印象や評価はいかがですか?

山本
みなさん資料を準備されて、それを元に自己紹介プレゼンをしてもらえるので非常に分かりやすかったですね。
内容も、インターンでどんな言語を使ってどんな開発に携わったかなど業務に直結するイメージが湧くものが多く、技術レベルの高さが伺えました。

森川
書類選考の段階からSCP(xseeds独自の候補者管理システム)上で学校の成績やGitHub、インターン歴など技術に関する細かい情報が閲覧できるので、プレゼンと合わせることでより理解を深められました。

杉山
SCP上に自己紹介ビデオをアップロードしている方もいて、面接の前からどういう方かある程度イメージが持てるのも良かったです。
あとは、今回ベトナム現地で選考会に参加したことで、肌感覚というか、オンラインよりも人となりが伝わってきましたね。

山本
xseeds Hub選考会に参加している学生はみなさん「日本で働いて活躍する」という目的意識が強く、その意欲の高さが伝わってきて好印象でした。

日本語に関しても、話すことは難しくてもこちらの言葉はきちんと理解できているようで、予想していたよりも早く日本語をマスターして活躍していただけそうだという印象を持ちました。

– 評価する上でどのような点を重視しましたか?

森川
面接時点での日本語能力と人柄を重視して評価を行いました。特に人柄に関しては、積極的にコミュニケーションが取れるかどうかは大切にしました。
技術力に関しては新卒での入社なので、現時点でどのくらいできるかよりは吸収力がありそうかどうか、新しいことに対して貪欲になれるかどうかという軸で判断しました。

若く実力のある人材が”飛び級”できる体制を強化したい

– 海外人材を受け入れるにあたってハードルや不安はありましたか?

山本
これまでの海外人材受け入れの実績があるため、心理的なハードルはそこまでありませんでしたね。

杉山
私も過去に渡日準備を含めた外国籍人材の受け入れ経験があり、ある程度イメージは持てていたためそこまでハードルは感じませんでしたね。
その時の経験をいかして、よりスムーズな入国・入社準備を進められればと思っています。

山本
オンボーディングでいうと、国籍問わず新卒の方々にはメンターをつけて業務上の面倒を見てもらうようにしています。
あとはベトナム出身の先輩エンジニアが6名ほど在籍しているのですが、生活面でも彼らが積極的にサポートしてくれるため助かっています。

森川
xseedsが提供している受け入れ施策のひとつに「父母会」という、内定者のご家族と直接コミュケーションが取れる懇親会のような機会があるのですが、これは実施して本当に良かったと感じています。
xseeds学生はベトナム国内でも特に優秀な方々なので、親御さんからすると日本へ就職させることに対して期待と不安を同じくらい抱えていらっしゃいます。

だからこそご家族に対して会社のことや彼らの将来のことについてきちんと説明し、最後には「不安は無くなりました。娘・息子をお願いします」と言ってもらえた時には身が引き締まる思いでしたね。

– xseeds Hub経由で入社する方々にはどのような活躍を期待しますか?

森川
経験を積むにつれてキャリア選択の幅が広がっていくとは思うのですが、まずは開発工程の上流を担当できるように邁進してもらいたいですね。そうして培ったスキルを、ベトナム企業とのパートナー開発などで発揮してもらえると嬉しいです。

あとは、これは国籍にかかわらずですが、若く実力のある方々にはぜひ飛び級していってもらいたいと考えています。
若く優秀な方がその実力を発揮してもらえる立場になるまでに10年15年かけていると、きっと彼らは離れていってしまいます。
飛び級してもらえるような体制を強化することで、国籍関係なく活躍してもらえる環境づくりを進めたいと思います。

xseeds Hub導入事例 モアソン社

急成長を遂げる国ならではの、意欲の高い人材と出会える

– 海外人材の採用にハードルを感じている日本の企業はまだまだたくさんいらっしゃると思いますが、そのような方々へメッセージを頂けますか?

杉山
私は入国・入社準備など実務的な領域を担当することが多いので、その経験から言わせていただくと「やればなんとかなる」という一言に尽きる気がしますね(笑)

初めて海外人材を採用するときはどんな手続きが必要なのかと不安に思うかもしれませんが、xseeds Hubのようなパートナーがいれば、困ったときの状況にあわせて行政書士や外国人サポート企業などの紹介を受けられるのでやってみようという気持ちがあれば大丈夫ですと言いたいですね。

山本
外国籍エンジニアが入社することで、良い意味で日本的ではない感覚が組織に導入され、国内のエンジニアにとって刺激になると思います。
お互いが刺激を与え合いながら切磋琢磨して成長してもらえることを期待しています。

森川
特に経営者の方々にお伝えしたいのは「日本が高い経済成長をしていた時代の人材がそこにいます」ということですね。
ベトナムをはじめとして急成長を遂げる国々は、特有の熱気や勢いを持っています。

会社の目指すものと自分のキャリアを重ね合わせ、共に突き進んでいく感覚を持っている方も多く、そういう方々と仕事ができることは幸せですし、そういう方々と仕事ができる会社でありたいと思っています。

特に海外を訪れた際に「日本とは違って面白い」と感じられる方や、新しいサービスや仕組みに注目することができる方は絶対やった方がいいと思います。