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経営者コミュニティですすめられた”外国人エンジニア”という選択
– 外国人エンジニア採用に目を向けたきっかけは何でしたか?
濱中
xseeds Hubを利用するまで外国人エンジニアという選択肢は全くなく、中途でも外国籍の方を採用したことはありませんでした。きっかけになったのは、2017年に会社として初めて新卒採用を実施したことでした。
新卒採用を始めたはいいものの、当時は社員数も15名程度と会社としても小規模で知名度も低く、国内の新卒採用市場ではなかなか思うように採用ができなかったんです。
打開策を探ろうと知り合いの経営者数名に相談してみたところ、”外国人エンジニアの採用”をすすめられたんです。そこで初めて外国人エンジニアの採用というものが選択肢として持ち上がりました。
また同時期に外国人エンジニアを対象とする各国のジョブフェアに声をかけてもらう機会がちらほらあり、その中でも知人からの紹介によってサービスの透明性が高かったxseeds Hubへの参加を決意しました。
初めての外国人エンジニア採用も社内での抵抗はなかった
– 初めての外国人エンジニア採用に対して社内から反発や抵抗はありませんでしたか?
濱中
全く無かったですね。会社規模がコンパクトだったのが大きいかもしれませんが、フットワーク軽く外国人エンジニア採用市場に参入ができたと思います。初回のxseeds Hub選考会はトライアルという位置付けだったこともあり、まずはやってみようという感覚でした。
また英語を話せる社員が多く言語の違いに対する不安が無かったのも大きいと思います。それまでも中途採用などで外国籍人材がエントリーしてくることはありましたが、国籍や言語の違いが評価に影響を与えることはありませんでした。そのような社風や文化もあり、新卒で外国人エンジニアを採用することに対し社内から反発や抵抗はありませんでした。
ただ言語能力に関しては、外国人エンジニアが実際に入社した後に少し考え方が変わりました。社内でのコミュニケーションに関しては英語で問題ありません。しかし日本で働いていく上では、例えば顧客との商談など日本語を話せた方が絶対的に活躍のチャンスの幅が広がることに気づいたんです。本人の成長や活躍のことを考え、入社後しばらくしてから英語でのコミュニケーションは極力減らしていこうという結論に至りました。
機械学習の高い専門性を身につけた人材へ効率的にリーチ
– 2022年9月のxseeds Hub選考会が4回目のご参加となりますが、継続してご参加いただいている理由を教えてください。
濱中
選考会で出会った人材がとても優秀で、現在まで活躍していただいているというのが1番の理由です。
国内数学オリンピック2位の実績を持つ方や、インターンで高度な技術を使いレコメンデーションシステムを開発していた方、専門的な画像処理のスキルを身につけられている方、本来3年次から入る研究室に2年次から入室されている方など、ずば抜けて優秀な方々にたくさん出会うことができました。
弊社のプロダクトはAI技術を軸にしており、機械学習のスキルや知識を身につけた人材を採用する必要があります。その点においても、xseeds Hub経由で出会える人材の中にはスタンフォード大学などの授業をオンラインで受講できるcourseraを利用している方や、Kaggle(データサイエンティストや機械学習エンジニアと政府・企業をつなぐプラットフォーム)へ参加している方などがいて、レベルの高さに驚きました。
熊田
濵中が言うように、xseeds Hubはスキルフルな学生の母集団に効率的にリーチできるプラットフォームだと認識しています。また学業での成績だけでなく、自身が興味のある分野を突き詰めて学びを深めたり研究している学生が多い印象ですね。これまで採用した学生の実績も踏まえた上で、今回(2022年9月選考会)も参加を決めました。
高い視座と広い視野、強いオーナーシップでチームへ貢献
– xseeds Hubで採用した外国人エンジニアの方々の入社後の活躍はいかがですか?
熊田
強く記憶に残っているのは、xseeds Hub経由で採用した外国人エンジニアの方の1人から「分かりやすい日本語で話さないでほしい」とリクエストされたことですね。すごい向上心だなと。
それくらい、日本語という非ネイティブな言語でも能動的にコミュニケーションを取ろうとする方が多く、1年経たずして日本語でも問題なくコミュニケーションが取れるほどに成長してくれました。現在は「未来工場」という研究開発要素のある部署で意欲的に取り組んでくれています。小規模ですがマネジメントを行っている方もいますね。
仕事全般においても、強いオーナーシップを持って自分の仕事に線引きをすることなく事業へ向き合ってくれている印象です。本人の希望で顧客との商談にも同席するなど、その向上心は目を見張るものがあります。個人としての成長だけではなく、高い視座と広い視野でチームとしてどう動くべきかを考えてくれる頼もしい人材です。
能動的なコミュニケーションが評価のポイント
– 国内人材と外国籍人材で評価基準に違いはありますか?
熊田
ベースは同じです。プロダクト志向を持っていること、知的好奇心が旺盛であること、勉強熱心であること、社会貢献の意識を持っていること、オーナーシップを持っていること、誠実さと熱意を持ってトライアンドエラーを繰り返しながら仕事に取り組むことなどがそれに当たります。
外国人エンジニアを選考する際に評価基準として付け加えているのは「能動的なコミュニケーションを取れるかどうか」です。これまで外国人エンジニアを受け入れてきた経験から、弊社で活躍してもらえる人材の条件だと考えているからです。
またxseeds Hubで出会う学生に関してはより技術力を重視して評価をしています。これは、xseeds Hubで出会える学生がそもそもITエンジニアを目指して大学に入学し、実践的な教育を受けていたり、研究や実務を経験していることにより、高い専門性を身につけている方が多いことが理由です。
国籍関係なく受け入れる組織風土が活躍の土壌
– 外国人エンジニアを受け入れるにあたって、どのような取り組みをされましたか?
濱中
入社前には週に1回のオンライン面談を実施していました。また日本語能力向上のために、毎週日本語でレポートを書いてもらい、それに対して会社全体でレビューもしていました。とはいえ入社後の本人たちの努力がすばらしかったからこそ、目覚ましい成長を遂げたのではないかなと感じています。
熊田
一方で外国人エンジニアを受け入れるにあたって新しく制度を作ったり体制を作ったりなどに関しては、メンバーの数がそれほど多くなく目が行き届きやすいこともありほとんどしませんでした。
濱中
その点に関しては日本人メンバーが自然と、入社した外国人エンジニアの方々をサポートするために動いてくれましたね。
社内でイベントがあれば積極的に誘ったり、来日直後には日本での住居が見つかるまで自分の家にホームステイさせてあげるメンバーもいたり。先輩の外国人エンジニアが後輩の面倒を見てくれるようなサイクルもできています。
全社員向けに実施している入社半年後面談や四半期面談でも、特に生活における困り事やトラブルなどは上がってきていません。振り返ってみると、会社が言わずとも自然と仲間として迎え入れることのできる組織風土が外国人エンジニアの方々に活躍してもらえるような心理的安全性につながったのかなと思います。
“優秀だから”採用する。可能性に満ちた人材と出会える場所
濱中
私たちも試行錯誤しながらではありますが、これまで採用してきた外国人エンジニアの方を見ていると、特にベトナムの方はその勤勉さなどから日本企業で仕事をすることが合っていると感じます。
国内ではエンジニアを採用できないと悩む企業も多いと思いますが、「採れないから」という理由だけだともったいないくらい優秀な人材にリーチすることができます。さまざまな可能性を持った人材に出会うことができると思いますので、ぜひトライしていただきたいですね。