地方企業が直面するエンジニア採用の壁

– 外国人エンジニアの採用に目を向けたきっかけは何でしたか?

片岡
自身が20代を海外で過ごす中で、日本国内と比べて海外の物流業界は市場として開拓の余地がまだまだあると感じていました。そのため自身が代表取締役社長に就任してからは、海外展開を見据えた事業戦略を実施してきました。その中のひとつでオフショア開発へ乗り出したのですが、日本と海外拠点の橋渡しができるような、言語能力と技術への理解のある人材が必要になりました。ここで直面したのが採用の課題です。

矢島
ネックになったのが会社の立地でした。都心から離れているために、採用の母集団作りに苦戦したのです。特に技術力の高いエンジニアと出会うことが難しく、頭を悩ませていました。そこで出会ったのがxseeds Hubでした。

– 他の外国人エンジニア採用サービスも検討されたとのことですが、最終的にxseeds Hubを導入いただいた決め手は何でしたか?

矢島
もっとも魅力に感じたのは、”採用”サービスでありながら内定から入社まで手厚くフォローしてもらえる点でした。Sun*(xseeds Hub運営会社)さん自体が1500名規模の外国人エンジニアの組織を持っていることも安心感がありました。

片岡
xseeds Hubは特にベトナムのテック学生に強いので、ベトナムで新卒を採用する場合には他のサービスは考えられないですね。

xseeds Hub導入事例 アトムエンジニアリング社

面接で話すと入社後に活躍する姿が浮かぶ

– 実際に現地で選考会に参加されてみていかがでしたか?

矢島
面接の際に、候補者自身が開発したシステムを見せながらプレゼンしてもらえるのには驚きましたね。国内で新卒採用する中では実践的な技術を身につけた学生には中々出会えていなかったので、xseeds Hubの学生は大学在学中から実践的なことを学んでいるという事実を実感しました。

– xseeds Hubの選考会では、どのような人材と出会うことを期待していましたか?

片岡
採用戦略としては、日本語力やコミュニケーション力に秀でている人材と技術力が突出している人材とを1名ずつ採用するようにしています。

矢島
あとは、面接で話す中で「この人にはこんな業務を任せてみよう」など活躍イメージが浮かぶかどうかは評価基準として大きいですね。

– 今回は2020年に入社されたダイさんも同席されていますが、ダイさんも含めてこれまで入社した方々の評価ポイントを教えてください。

矢島
ダイさんの場合は、面接の際にプレゼンしてくれたのがスマートフォンでJavaを使用したシステムで、当社のプロダクトと通ずる技術が使われていたため、すぐにでも活躍してもらえそうなイメージを持てました。

– ダイさんはどのような点を魅力に感じて入社を決めたのですか?

ダイ
物流業界にさまざまな変化が起きる中で、物流の品質を高めようと努力し続ける点に魅力を感じたのが大きいです。あとは、日本で日常生活を送るための手厚いサポートもありがたかったです。

xseeds Hub導入事例 アトムエンジニアリング社

手厚いサポートで仕事に集中してもらえる環境を作る

– 来日や日本での生活のために、どのようなサポートを実施されましたか?

片岡
私自身海外で暮らした経験から、見知らぬ土地で生活することの不安が痛いほどわかるのと、地方に住んでもらうためスーパーやコンビニで気軽に買い物というわけにもいかないため、日常生活の色々な場面でケアをしていましたね。今思えば少し過保護だったかもしれません(笑)

矢島
オフィスから自転車で5分ほどの住居を契約し、家具家電だけではなく食器類やティッシュペーパーなど入居すればそのまま不自由なく日常生活を送れる状態まで準備をしていました。

ダイ
おかげさまで日常生活にトラブルはなく、仕事に集中できる環境が整っていると感じます。最近では自分で自動車免許も取得したので、都心までドライブを楽しんだりもできるようになりました。

あとは内定から入社までの間に月に1回面談する機会を設けてもらったのも、日本語能力と技術的な領域どちらも成長できてよかったなと思います。

– 素晴らしいですね。ダイさんは現在どのような業務をされているのですか?

ダイ
今はR&D戦略部で新技術を使ったプロダクト開発に携わっています。

矢島
新しいチャレンジなのでうまくいかないことの方が多いのですが、粘り強く取り組んで着実に成果を出してくれています。他にもエラーの原因を特定する能力がずば抜けていたり、技術的な側面でダイくんを頼りにしている場面は多いです。

私が部長を務めるR&D戦略部はクライアントとのコミュニケーションがあまり発生しない
ので、xseeds Hub経由の人材は全員こちらの部署で受け入れています。技術力や日本語能力がある程度身についてきたら、本人たちの希望をヒアリングしながらどのような業務に携わってもらうかを決めています。

xseeds Hub導入事例 アトムエンジニアリング社

現地法人の立ち上げで海外展開を推進

– ダイさんは、今後どのようなことに携わりたいですか?

ダイ
新しい技術に触れるのが好きで、今はAI領域で革新的な動きがたくさん出てきていたりもしますし、新しい技術を使ってもっと便利なものを生み出していきたいです。

– ありがとうございます。今後の海外人材の採用の構想はありますか?

片岡
今はベトナムに現地法人を設立するために動いており、そこを拠点として自社プロダクトの販売経路の拡大などを構想しています。なので現地でも採用を進める予定です。

またxseeds Hub経由で入社した方々の中にはベトナムへ戻りたいという希望を持つ方もいるので、彼らの希望を叶えられる場所になればと考えています。

一方で日本拠点でも組織構成の内約1割は外国籍人材を雇用し続けたいと思っています。新しい価値観を取り入れることで組織の新陳代謝が促されますし、これから会社の中心を担う20代のメンバーたちにはグローバルスタンダードな文化の中で成長してもらいたいというのが理由です。

– 最後に、外国人エンジニア採用へ踏み出すことに不安を抱えている企業へメッセージをお願いします。

矢島
xseeds Hub経由で採用できる学生の多くはベトナムの方ですが、彼らはとても真面目で勤勉です。そのため日本企業の中でもすぐに馴染みパフォーマンスを発揮してくれます。またプログラミングは世界共通の言語なので、エンジニアという職種は外国籍人材を採用しやすい領域だと思います。

片岡
xseeds Hubの選考会で話した学生は、実践的なエンジニアリングの教育を受けた上で、自分たちのキャリアをどのように描いていくかのストーリーを持っている学生たちばかりでした。彼らの中では「日本で技術を学ぶ」というのもキャリアステップのひとつです。絶対失敗しないということはできませんが、国内では出会えない学生がいることは確かなので、まずはチャレンジしてみてほしいと思います。