目次
高パフォーマーのベトナム人エンジニアメンバーの存在が後押しに
– 海外人材の採用に目を向けたきっかけは何でしたか?
石原
きっかけは、今年の5月ごろに取締役兼執行役員COOの本多がSun*(xseeds Hub運営会社)主催のベトナム視察ツアー*に参加したことでした。そのツアーでハノイ工科大学での授業見学*や、xseeds Hub経由でSun*へ入社し活躍しているメンバーの話などを聞いたことで、xseeds Hub選考会に関心を抱いたようです。
– ベトナム人エンジニアの採用に対し、不安やハードルはありませんでしたか?
石原
特になかったですね。これまでにxseeds Hub経由では2015年〜2018年にかけて入社したメンバーがおり、彼らが現在でも社内で活躍してくれているという実績があるので、むしろ期待が膨らみました。
塩本
特に私の事業部では、普段からこれまでにxseeds Hub経由で入社したベトナム人メンバーと一緒に開発をしています。コロナをきっかけにベトナム現地からリモートで働いているメンバーにBrSEとして機能してもらい、現地の開発パートナーとコミュニケーションを取ったりもしていて、多い時には十数人のベトナム人エンジニアの方々と仕事をしています。
そのため、言語の違いによってどういうコミュニケーションコストがかかるか、なにが得意でなにが苦手かなどをある程度把握できていたことも、今回のベトナム人エンジニア採用の意思決定においてはアドバンテージだったと思います。
あとは、xseeds Hub経由で採用できる学生はみなさん日本で働くことに魅力や可能性を感じている優秀な方達ですし、そういう方々がテモナの事業に興味を持ってくれて応募してくれるというのは当社にとってもメリットだと感じました。
石原
選考会当日の通訳やアテンドの手配や、内定から入社まで約1-2年にわたるフォローなど、手厚いサポートも安心できるポイントでしたね。
*Sun*では1500名のベトナム人エンジニア組織を擁するハノイ拠点や、ハノイ工科大学を見学していただける視察ツアーを定期的に開催しています。
*Sun*はベトナムトップレベルのハノイ工科大学を含む4カ国12大学と産学連携しており、実践的なコンピュータサイエンスと日本語の教育カリキュラムを提供しています。
即戦力に近い技術レベルを持った人材の採用に期待値
– xseeds Hub選考会でどのような人材と出会うことを期待していましたか?
石原
当社はベンチャー気質を大事にしていますので、新卒であっても向上心やハングリー精神を持って自走できる人材を求めています。そのようなマインドセットに加えて、大学4年間をかけて幅広いプログラミング言語の知識を学んできているという点では、即戦力に近いスキルレベルを身につけた人材を期待していました。
– 実際に現地で選考会へ参加されて、学生の印象はいかがでしたか?
石原
前々職でシンガポールに赴任していた経験から、インドの方やシンガポールの方などの採用にも携わっていたのですが、いい意味でその時と同じ印象を受けました。志が高いといいますか、自分がどんな勉強しどんなことに力を入れてきたのか、それを使って当社でどう貢献したいのかをきちんとアピールしてくれているという印象でした。「日本へ両親を連れきて永住したい。」とまで言ってくれる方もいて、日本で働くことへの覚悟を感じられる場面もありました。
技術面では、書類上ではありますが、やはり4年間かけて実践的なIT技術に関する学習をしてきているため、技術に対する理解が深い学生が多いのかなと感じます。あとは、当社に所属しているベトナム人エンジニアメンバーに候補者の成果物を細かいところまでチェックしてもらうなど評価の工夫も行いました。
塩本
ハノイ工科大学やダナン工科大学の学生などに応募いただいたのですが、その2大学はいずれもベトナム国内でトップレベルの大学だと聞いています。その中でも書類選考の段階で学内評価の高い方と面接させていただいているので、技術レベルは期待しています。
5年後10年後のキャリアビジョンなども、「サーバーサイドに集中したい」や「インフラ周りを追求したい」など学生でありながら解像度の高い将来像を描いている方が多かったですね。面接対策としてプレゼンや質疑応答の回答を準備してきているのかなという方もいましたが、むしろ戦略的に面接に臨んでくれているという意味では高評価でした。
石原
キャリアプランをどの程度明確に描けているかや、ロジカルに受け答えができるかは評価ポイントとしても重要視していましたね。
ビジネスだけではないソフトなサポートで成長を促し、第一線での活躍を期待
– 日本語力はいかがでしたか?
石原
技術面での成績は飛び抜けて優秀な方でも、日本語力がネックになって評価につながらなかった方もいたことを考えると、期待値は少し高かったのかなというのが正直なところです。
日本人でも、TOEICで高得点が取れる人が実際のコミュニケーションがスムーズに行えるかどうかは別問題だと思いますが、xseeds Hubの学生も同じなのかなと。だからこそ、入社までの約1年間のフォローでどの程度成長するかは期待しています。
塩本
当社ですでに活躍しているベトナム人エンジニアメンバーでも、実力はあるのに言語の壁が邪魔をしてもったいないなと感じる場面があったりもするので、今回の面接でも日本語力は注目していました。
日本語の文法を理解していても、コミュニケーションに活かせるかどうかはその人の資質によるのかなというのが所感です。なので、明確な判断軸として言語化するのは難しいのですが、特に口頭でのコミュニケーションにおいて「この人なら入社後1-2年で日本語力も伸びるのでは」と感じられるかどうかは重要視していました。
– 日本語の成長も含め、入社後にどのような活躍を期待しますか?
石原
まずは日本で働くことや、日本での職場環境に慣れていただければと思います。その後は、即戦力メンバーとして開発現場の第一線で活躍していただけると嬉しいです。
塩本
彼らにとっても日本という見知らぬ土地で働くことは一大決心だと思うので、家族ぐるみとまではいかずとも、ビジネス的な付き合いだけではなく寄り添ってあげられたらなと思っています。そうして我々が彼らの成長に寄与しながら、成長した彼らの活躍が会社の業績へと還元されていくと良いのかなと思っています。
海外人材の採用は、経験豊富なエンジニアを数多く採用できる手段のひとつ
– 今後の海外人材の採用や、グローバルな組織づくりの構想についてお聞かせください。
石原
まずは今回採用した人材の活躍を待ってではありますが、機会があれば今後も続けたいと思っています。少なくともこれまで採用した方々の実績はありますので、すぐに海外人材の採用を止めることはないのかなと。
当社としては優秀なエンジニアは国籍を問わず積極的に採用したいと考えていますし、実際に海外国籍のメンバーも増えてきていますので、近い将来テモナという組織がグローバル色豊かになっていくだろうと思います。
– 海外人材の採用にハードルを感じている日本の企業はまだまだたくさんいらっしゃると思いますが、そのような方々へメッセージを頂けますか?
石原
海外人材の採用は、経験豊富なエンジニアを数多く採用できる手段のひとつです。とはいえ自社単独で現地採用を行うことは中々ハードルが高く踏み出しづらいと思います。xseeds Hubのようなサービスを利用することで、他社の動向を把握したり手厚いサポートを受けたりしながら採用を進めることができるので、試してみやすいのではないでしょうか。
塩本
海外人材の採用は、国内のエンジニア採用競争が激しさを増す中で苦戦を強いられている企業には特にメリットが大きいと考えています。我々もそうでしたが、現地の候補者と話すだけでもイメージがガラッと変わることがあるので、まずはそのような機会を設けてみるのが良いのではないかと思います。