組織内部の開発力を強化するため、外国人エンジニア採用を決断

– 外国人エンジニアの採用に目を向けたきっかけは何でしたか?

樋口
技術の進化に伴い、既存事業の成長や新規サービスの開発ニーズが急激に高まってきています。これまで、開発を委託しているパートナー企業はいたのですが、企業内にエンジニアはほとんどおらずパワーが足りないという状況に直面しました。全てを内製化する必要はないかもしれませんが、やはり組織内部の開発力を強化する必要があると感じ始めました。しかし、元々新卒は総合職のみの採用でエンジニアに特化した採用活動を行っていなかったこともあり、応募者が増えず苦戦を強いられていました。

そのような中でxseeds Hubのことを知りました。元々Sun*(xseeds Hub運営企業)さんのことは開発会社として認識しており興味もありましたので、話を聞くことにしました。結果的に、母集団形成や選考プロセスに関する不安が解消されるとともに、内定から入社までのフォローの手厚さに魅力を感じ、xseeds Hub経由で採用することを決めました。

– 初めて外国人エンジニアを採用することに不安はありませんでしたか?

甲原
やはり言語や文化面での不安はありました。彼らは新卒でもあるため、日本でのビジネスマナーについて理解してもらえるか、どれだけ受け入れてもらえるか、について気になっていました。

戸澤
キャリア観や仕事観のギャップを感じて、早期離職につながるのではという不安はありました。なので、採用が決まってから受け入れに向けて、いくつか自主的に研修を受けるなどして知識をつけることを意識していました。

xseeds Hub導入事例オークネット社

トップレベルの人材が採用できる理由

– 2年連続でxseeds Hubにご参加いただいていますが、xseeds Hub経由で出会える学生はどのような学生が多いと思いますか?

樋口
そもそも大学に入るハードルが日本よりも高く、大学入学の時点で努力を重ねている人がほとんどです。また大学卒業後に何をしたいかも明確にイメージしている学生が多い印象で、xseeds Hubに参加している学生は社会人1年目で言語も文化も違う土地でキャリアをスタートしようという意欲の高い方々なので、バイタリティの強さにも納得するものがあります。

– xeeds Hubを通じてどのような学生と出会うことを期待していますか?

樋口
当社はサービス開発エンジニアとデータ分析エンジニアを募集しています。前者ならJava、後者なら機械学習やPythonの開発経験と意欲があるかどうかなど技術的な経験の違いはありますが、人柄に関しては共通で、言語能力を含めてコミュニケーションが円滑か、チャレンジ精神があるかどうかを重要視しています。あとは、みなさん意欲の高い方々なので、彼らがやりたいことと当社が提供できることがマッチするかどうかも意識していました。

これまで2年で7名を採用しており、ベンチャー企業のコンテストに入賞しカナダまで渡航した方や、他企業から内定を複数受けた上で当社を選んだという方などがいます。応募者の方はみなさん優秀で、その中でもトップレベルだと思える方々に内定を承諾してもらえています。これまで内定辞退が無いのは、先輩社員がいることの心理的安全性内定から入社までのフォローの手厚さを認識してもらっていることが大きいのではと思っています。

xseeds Hub導入事例オークネット社

手厚いフォローで来日の不安を解消

– 受け入れに際してどのような取り組みを実施されたか教えてください。

甲原
定期的に行っている取り組みとしては、月に1回内定者全員とオンラインで面談を行なっています。面談では「日本とベトナム文化比較」などテーマを決めて日本語で発表してもらうとともに、卒業までの学習進捗や目標管理などを話し、日本にくるにあたっての不安解消やリアルな日本語に触れる場として活用しています。

入社までに目標としている日本語能力に辿り着かないのでは、という懸念が出た際には、”日本語強化月間”と称して色々な社員と積極的に話してもらう機会を設けたりもしました。採用担当とだけではなく、現場社員にも面談に参加してもらうよう社内へ働きかけています。またそれと並行して個別の1on1面談も実施し、個別にフォローすべきことも把握できるようにしています。

戸澤
制度面でいうと、渡航費や日本で生活を始めるための初期費用にあててもらう一時金なども準備しました。入社後は就業規則を彼らの日本語能力に合わせたものを作るなど、働く上で困らないためにできるサポートは行いました。入社済みの先輩社員にメンターになってもらえることも安心につながっているのか、今では日本人の同期メンバーとも良好な関係を築いてくれているようです。

xseeds Hub導入事例オークネット社

技術への意欲と自発的な意見で日々成長を実感

– xseesd Hub経由で入社した人材の活躍についてお聞かせください。

樋口
入社までの研修やインターンなどで経験を積んでいたこともあり、エンジニアとして高いパフォーマンスを出してもらえていると感じます。専門的かつスピードの速い会話にはまだついていけない場面もあるようですが、これに関しては日本人の新卒社員でも同じかもしれないですね。

– タインさんとマインさんにもお伺いしたいと思います。

タイン
入社してから2ヶ月ほど仕事の流れや開発ツールについてなどの研修を受けた後は、データ分析エンジニアとして経営指標などのダッシュボード開発に携わっています。現在は知識習得の一環として、学会での発表に向けて大学教授と連携して学習を進めていたりもします。

今後は人工知能に関する新しい知識や難しい技術にどんどん触れていきたいですし、10月から後輩も入ってくるのでマネジメントにも挑戦したいと思っています。

マイン
タインさんと同様、入社後2ヶ月間の研修を経て現在はサービス開発エンジニアとしてシステムの自動テストツールを担当しています。元々オークション業界に興味があってオークネット社に入社したので、今取り組んでいる競り下げ方式のオークションシステムの開発を通して、新しい技術を学習していきたいと思っています。

また日本語の学習も継続的に行い、JLPT(日本語能力試験)のN2(日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができるレベル※)合格を目標にしています。

※参考:https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html

樋口
2人とも日々成長を実感しています。特に自発的に意見を出してくれているのは助かります。今はまだ自身の生産性を向上させるという観点からの意見が多いですが、ゆくゆくはビジネスへの貢献を考えていってもらえると嬉しいですね。

xseeds Hub導入事例オークネット社

思い切って実行することで道が開ける

– 今後の外国人エンジニア採用についてどのようにお考えですか?

樋口
今はベトナム人材を中心に採用していますが、今後は英語話者人材の採用にも乗り出したいと思っています。将来的には各国にラボを作り、現地採用も並行しながら開発のスピードとパワーをより強化したいと考えています。

– 最後に、外国人エンジニア採用未経験の企業へ背中を押すメッセージをお願いします。

樋口
当社も実際に入社するまでは「環境に適合してもらえるのだろうか」など不安を抱えて一ましたが、実際に入社してもらった今、思っていた以上に同期の日本人メンバーとも仲良く、また楽しく働いてもらうことができていると感じます。思い切って実行してみることで道が開けていくと思います。