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株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインとは

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xseeds Hubとは

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トークテーマ①「国内エンジニア採用における課題」

広瀬
 ひとつ目の大きなトークテーマは「国内のエンジニア採用における課題」です。外国籍人材採用という選択をする以前に抱えられていた課題をお聞きします。

 その前に、まずは開発組織の体制について教えていただけますでしょうか?

開発組織体制が抱えていたリスク

山外
 当社はゴルフメディアやゴルフ場予約、ゴルフ用品のECサイトなど、ゴルフにまつわる様々なインターネット事業を展開しております。
 これまでは基本的には外部ベンダー企業へ委託するという形を取っていたのですが、「このままでいいのか」という話が出ました。

 サイトを改善するにしてもスピード感を持って取り組めていないのでは、などの懸念が、エンジニアだけではなくビジネス部門からも上がってきて、内製化への舵を切ろうという方針が立ち、エンジニア採用に力を入れ始めました。

 それまではエンジニア採用は中途のみ、かつベンダー企業とのコミュニケーションが円滑に勧められる人を採用するという方針だったのですが、コードを書けることを必須にするなど、採用基準を変更いたしました。
 一方で中途のエンジニア採用市場が厳しいことは目に見えていたので、育成を視野に入れた新卒でのエンジニア採用にも乗り出したのが、今回の外国籍人材採用の出発点でした。

痛感した国内エンジニア採用の厳しさ

山外
 国内の新卒エンジニアを採用すると決めたはいいものの、これまで新卒採用は総合職のみだったため、知見がない状態でのスタートでした。
いくつか就活生向けのイベントなどに参加したりもしたのですが、新卒であってもエンジニア採用の競争率はなかなか厳しいと痛感しました。

広瀬
 ゴルフというニッチな業界もアトラクトが難しそうですね。

山外
 そうですね。スポーツ関連の職に就きたいと思っている人がいたとしても、ゴルフという選択肢はなかなか思い浮かばないと思うので、難しいですね。

 あとは技術的な意味でエンジニアにとって魅力的に映る環境が作れているかというと、まだまだ遠いかなという風にも感じていました。

トークテーマ②「外国籍人材採用という決断」

広瀬
 ここまで国内のエンジニア採用の課題について伺いましたが、ここからは「なぜ外国籍人材の採用に踏み切ったのか」という軌跡を伺えればと思います。

国内でも海外でもエンジニア採用の難易度は変わらない

広瀬
 どういう経緯で外国籍エンジニア採用という選択に至ったのでしょうか?

山外
 新卒でのエンジニア採用自体が初めての取り組みでしたし、1年目は当然のように国内の学生を対象として考えていました。

 正直なところ、xseeds Hubに出会うまで海外で採用するという選択肢は全く考えていませんでしたし、サービスの説明を聞いた際も「まだうちじゃ無理じゃないか」というのが率直な感想でした。

広瀬
 初めてだと踏み出しづらいですよね。

山外
 そうですね。言葉の問題もありますし、文化の違いも乗り越えられるのだろうかとか、育成自体が初めてなのに外国籍の方なんて大丈夫なのかとか、不安な点を挙げ始めたらキリがないくらいたくさんありましたね。

 ただ、これは実際やってみての感想でもあるのですが、新卒のエンジニア採用という意味では国内でも海外でも難易度は変わらないんじゃないかと感じています。

外国籍エンジニアの採用実績と評価

広瀬
 これまで23卒、24卒、25卒と3期連続でxseeds Hubから計8名のエンジニアを採用していただいていますが、率直な評価としていかがですか?

山外
 昨年の11月に1期生である23卒が3名入社したところですね。ビザの関係で最初の1ヶ月はオンラインでの就業という想定外の対応などはありましたが、12月にようやく来日できました。

 3人とも最初は技術研修を受けてもらって能力を測ったりもしたのですが、来日してすぐ、入社後1ヶ月半ほどでもう実業務に入ってもらえるほど優秀で、非常に良い立ち上がりだと言えます。

 2期生である24卒の3名に関しては、現在内定者面談という形で定期的にオンラインで話をする機会を設けているのですが、日本語能力がすごく高いなと感じています。
 ちなみに、23卒の経験からリアルな日本語を話してもらう場がもっと必要だと考えて、面談では雑談ベースのものに切り替えています。

 3期生である25卒に関しては、採用時点から配属先が決まっている点がこれまでと違うところですね。
それくらい技術に関してはきちんとしている、間違いないという人たちを採用させてもらっています。

広瀬
 入社メンバーも非常に立ち上がりが早いとのことで嬉しく思っているのですが、言語の違いなどのディスアドバンテージを感じたりもしないですか?

山外
 もちろん3人の中でレベルの差はあるのですが、内定を出してから入社までの2年間で日本語をしっかり学習してくれているので、特に来日後は予想していたよりも意思疎通に困ったりはしていないですね。隣で仕事している分にはほとんど支障はないです。
 来日して1ヶ月ほど経ちますが、この1ヶ月でも上達を感じます。

広瀬
 パーソナリティの部分はいかがですか?

山外
 事前に聞いていた通りではあるのですが、やはりベトナムの方は真面目な方が多いと感じますね。

 あとは、xseeds Hubの学生はみなさんそうですが、慣れ親しんだベトナムから日本という異国の地へ就職しようという学生さんなので、その勇気を持っていることがすごいことだと改めて感じます。

 自分に置き換えたら、ろくに英語も喋れない状態で英語圏へ就職するようなものなので、それだけ腹を据えて臨んでいるのでしょうし、それだけの能力も持っている人たちなんだろうと。

広瀬
 技術面ではいかがですか?

山外
 そもそも国内の学生さんだと、大学の勉強でプログラムを組む機会って実はそんなに多くないのではないかという風に思っています。
 その点でxseedsの学生さんは大学のカリキュラム自体がプログラムに振っているなというところで差は出るのかなと。

 ただ選考という意味では開発言語への精通度というのはなかなか測るのが難しいのも事実で、面接ではコミュニケーション能力など、技術力よりも日本に来て生活するのに困らない能力を重視していました。

今後の配属先と期待する活躍

広瀬
 23卒、24卒、25卒と3年連続で採用いただいていますが、それぞれの配属先をどのように考えていらっしゃるかや、それに紐づいてどのような活躍を期待しているかをお聞かせください。

山外
 24卒に関してはまだ配属先はまだ決めておらず、おそらく入社直前の彼らの能力を見て決めることになるかと思います。
 すでに入社して実業務にあたってもらっている23卒の3名に関しては、会員基盤、ゴルフ場予約、スマホアプリという配属にしました。

 特にスマホアプリに配属した方は、これまでスマホアプリの経験がない中での配属ではあるのですが、研修などを通して少しずつできるようになってきているので、地頭はいいのかなと感じています。

 25卒は採用段階で配属先を想定しており、1人はスマホアプリ、1人はビッグデータを取り扱うチームに配属予定です。

 期待しているところでいうと、まずは1人前のエンジニアになってもらいたいですね。その先にはベトナムとオフショア開発する際などのブリッジエンジニアとして活躍してもらえたらなと思っています。

 あとは別軸として、今後も外国籍エンジニア採用を続けていく上で、面接官という立場で関わってもらいたいですね。

広瀬
 学生たちは異国での就職になりますが、ベトナム人同士でのコミュニティなどはあるのでしょうか?

山外
 それでいうと、大学の先輩が別の日本企業で働いているらしく、休日はその先輩にどこかに連れて行ってもらったりしているようですね。
 予想よりも大学でのつながりが強いようで、日本での生活の出だしとしては安心して過ごせているようで良かったなと感じています。

トークテーマ③「今後の開発体制の展望」

広瀬
 それでは最後のトークテーマとなりますが、今後の開発体制をどうお考えかについてお聞かせください。

今後のエンジニア採用の方向性

広瀬
 外国籍人材の採用を含めて、今後のエンジニア採用の方向性はどうお考えでしょうか?

山外
 まず新卒での外国籍エンジニアの採用は、今年初めてではありますが、感触としては非常に良い方向に進むのではないかと感じています。
 なのでそこは継続的に実施していきたいですね。

 現状はコミュニケーションスキルに重きを置いていますが、徐々に技術に特化した学生の採用に力を入れていくつもりです。
 直近ですと25卒の学生などはその傾向がありますね。

 もしかすると、今後新卒エンジニアは海外だけで良くなるかもしれないねという話が出ることもあるので、将来的には比率を上げていく可能性はあると思います。

広瀬
 ベトナム出身のエンジニア比率が増えていくかもしれないとのことですが、現地の開発拠点などは考えていらっしゃいますか?

山外
 当社としてはできるだけ長く日本で働いてもらいたいなと思ってはいますが、将来的には当然母国であるベトナムに帰りたいという人も出てくるだろうと考えています。
 その際にベトナムに開発拠点や現地法人を立ち上げるという選択肢は持っていても良いのかなと考えています。

Q&A

Q1

内定者時代(2年間)および入社後に行っている、日本語力を高める為の育成施策について詳細をご教示いただきたいです。また、既存社員には英語でコミュニケーションを取っている方もいるのでしょうか?

山外
 内定者時代に関してはxseeds内定サポートチームの内定者面談というサービスを活用させていただいて、月に1回内定者にお題を出してそれに関するプレゼンをやってもらうというのが育成施策の1つかなと思います。

 あとは卒業直前にベトナムにある日本語学校にも通ってもらったりもしましたね。当社としても初めての外国籍人材採用なので、試行錯誤している段階ではありますが、なるべく日本語能力を上げてもらうためにできることはやろうという感じでした。

 英語でコミュニケーションを取っているかでいうと、採用した方はいずれも英語が喋れないので、英語という選択肢は今のところないですね。
 24卒、25卒の方達も基本的には日本語でのコミュニケーションになるかと思います。

Q2

語学、コミュニケーションの壁について懸念しています。外国籍の方に日本語を学んでもらう一方、日本人社員に対して英語の教育・研修などはされましたでしょうか?

山外
 受け入れ部署に所属しているメンバーに対しては、外国籍人材を受け入れるにあたっての研修を受けてもらいました。
 ただ、語学というよりは異文化理解の促進という観点が強いですね。

Q3

外国籍を受け入れる際に日本人の社員から反発や懸念の声はありましたでしょうか?またなにか日本人社員向けにフォローなどされておりますでしょうか。

山外
 幸いにも当社では外国籍人材採用に関して反発やネガティブな意見は今のところ上がってきていないです。
 関わっている人間が一番ドキドキしながら不安を持ちながら取り組んでいるという状態ではありますが(笑)

 元々社内に外国籍人材が在籍しているというのも大きいかもしれませんね。

Q4

採用時はスキルよりコミュニケーション重視という話がありましたが、日本語レベルはN2以上を求める、などなにかそういった目安などは設けられてますでしょうか?

山外
 採用時は特に目安は設けていませんでした。ただ、卒業するまでに大体の学生はN2を取得していましたね。
 どちらかというとN2やN1などという基準よりは、日本語を話す機会をもっと増やす方が重要かもしれないと感じているところです。

他社様へのメッセージ

広瀬
最後に他社様へのメッセージをお願いできますでしょうか?

山外
 外国籍人材を、それも新卒で採用するとなると非常に難易度が高いと感じるかもしれません。私もそう考えていましたし、今でもそう考えている部分はあります。
ただ、入社した彼らが会社に馴染んでいる様子を見ることができて、やってみると意外とできるじゃないかと思っています。

 当社の場合は経営陣が外国籍人材採用の意思決定をしたことが大きな後押しになった部分はありますが、現場としてもやってみる価値は十分にあると感じていますし、26卒以降の採用も続けていこうと考えています。

 もちろん受け入れに関しては、特に初年度は大変な部分も色々とありましたが、xseeds Hubのサポートのおかげでなんとかできたと感じているので、心配せずにやれるんじゃないかと思います。