Xin chào các bạn(こんにちは みなさん)!Sun*教育事業部の三浦です。今回もご覧いただき、ありがとうございます!今回は「日本人日本語教師にとって国際結婚とは?」と題して、Sun*教育事業部GEUに所属する国際結婚をしている先生に『日本語教師が国際結婚するこということ』について対談形式でお送りいたします。日本語教師のパートナーが他国人の場合、その日本語の教え方や人生にどのような影響があるのでしょうか?とても興味深い内容になりました。ぜひ最後までお読みください!
取材をした濱嵜先生について
濱嵜先生は2021年にベトナム人の旦那様と結婚し、その後すぐにSun*に入社しました。ホーチミンのGEUで日本語教師をしていいて、その後2023年に旦那様の仕事の関係で日本へ戻り、オンラインでホーチミンの学生に日本語授業やxseeds Hub関連業務(面接対策など)が中心の業務をしています。
夫婦でホーチミン市からハノイ市へバイクで横断旅行をしたことも!
2023年の5月−6月の2ヶ月間にご夫婦でホーチミン市からハノイ市までバイクで横断旅行をしたこともあるそうです。仲の良さが伝わる写真をご覧ください。
xseedsへの関わり方は変化したのか?
対談形式によるインタビュー開始です!
国際結婚は仕事観にどのように関係したのか?
【質問】国際結婚の経験などでベトナムで日本語教育をしていく中で生かされている事があれば教えてください。
やっぱりベトナム人と生活してるので、何かベトナム人から見た日本とか日本人とか日本語みたいなところが見えて、何かしら日々の業務に生かされている事があると思います。例えば夫がフェイスブックを見ている時に私も見ていると、ベトナム人が投稿している日本のニュースのページが結構あって、取り上げるニュースの観点がベトナム〜東南アジアから目線でニュースを取り上げているんです。それを見るとこんなこと取り上げてるんだ!と驚く事が多いです。日本人ならばそんなに注目しないニュースが大きく取り上げられている事があります。夫がベトナム人だから、ベトナム人目線の日本のニュースが自然と目に入るんですよ。
【質問】結婚後の教育活動において、特に心に残るエピソードとか、成功体験を教えてください。
やっぱり一番大きいことでいうと、学生に夫がベトナム人だと言うと、何かもうそれだけでちょっと学生との心の距離が近くなると言うのがありますね。自己紹介の時でも、夫がベトナム人ですと言うと、もうそれだけでつかみはOK(笑)みたいな。あと私の夫の実家はベトナムの田舎の方なんですけど、そういうベトナムの田舎の生活を私も知っているので、田舎出身の学生との共通の話題が増えたり、学生同士の会話で何を言ってるのかわかる事が多くなりました。
共感できることが増えたんですね。ベトナム人と結婚することで学生達のバックグラウンドが想像しやすくなったということですかね。
そうですね、なんか、ベトナム人と結婚するくらい、先生はすごいベトナムが好きなんだとか興味持ってるんだっていうことを学生達に認識してもらえるのは、嬉しいし授業がしやすいですね。
【質問】結婚を通じて新たな日本語のアプローチや視点が得られたことはありますか?
私の仕事は日本語教育だけじゃなくて面接対策もやっているんですが、一つ気づいたのは、学生ってそんなに日本に強い憧れを持ってるわけではないなっていうことを結構感じていて、単なる選択肢の一つとして捉えてる感じがあるのかなと思ってるので、なんか日本のすごくいいことばかり言うよりも学生に対してメリットデメリットをしっかり言って、多くある選択肢の中から、日本を選んでもらうということを意識するようになりましたね。
よく『どうして日本が好きですか』の質問は面接の時に企業が学生にしますね。
学生は面接では日本製品に憧れがあってとか、技術的に優れているからと言うことを言うのが合格するに必要と思っている学生が多いですね。でも実際のベトナム人大学生は日本はすごく夢の国だから行ってみたいというだけではなく、いろいろな現実的なことを考えて、日本を選んでるっていう人はすごく多いと感じています。
なので夢を見させるようなことを言うよりも、現実的な話をした方が学生にとって選択肢の一つとして良いと考えています。40代以上になると日本はすごい国みたいに思ってくれる人がすごく多いと感じますが、若者はそういう感覚ではないですね。
【質問】異文化間の結婚が濱嵜先生の人生観とか、キャリアに与えた影響を教えて欲しいです。
はい、人生感がすごく変化したのは、家族との関わり方だと思っています。これはよく言われるイメージですけど、やはりベトナム人は家族を大事にします。夫は毎週故郷の家族に電話をしていて、日本へ移ってもそれは変わりません。また、どんな繋がりかもわからないような遠い親戚に会いに行くこともあり、日々生活してる中での家族や親戚が占める割合が高くて、何だろう、それはすごく自分にはいいなと思っています。家族・親戚との関わりが深まる事で、とても自分が充実した気持ちになるんだということを知り、自分も家族を大切にしようと思うきっかけになりました。今までは家族への思いはちょっと義務みたいな感じが正直ありました。母の日にはお花を贈理、誕生日にはプレゼントを贈らなければならない、みたいな考えだったのがむしろ、『家族を大切にしたい』と言う気持ちに変わりました。この変化はすごく大きかったです。
なぜ日本社会だと家族同士がだんだん離れていくようになるんでしょうね?日本人は決して家族を大切にしていない訳ではなくても、ベトナム人の家族関係より距離があると感じます。家族への電話も日本人はベトナム人ほどそんなにしょっちゅうするわけではないですよね。ベトナム人はビデオ通話もよくしますね。遠くにいる人でも近くにいるような感覚で、家族と接したいからでしょうか?日本人ならちょっと照れ臭くてビデオ通話はなかなかしませんよね。
だから日本がベトナムと比較して家族の結束が弱いと寂しいですね。初めて夫の田舎に挨拶に行ったときに、夫の弟の奥さんの兄弟までもが私に会って喜んでくれたりするのですごく嬉しかった。日本だったらもう多分会えないような遠い親戚までもが会いに来てくれてすごく嬉しかったです。
【質問】日本語教育者としての視点から、異文化間の結婚経験がもたらした新たな教育へのアプローチについて教えていただけますか?
夫に『この教え方でいいかな?』と端的に確認しやすくなったことは大きいかと。すると『それじゃ伝わらないよ』と言われる事もあるので、この点で教え方へのアプローチに変化がありますね。細かなところでのアドバイスをされる事もあり指導法に変更微調整することもあります。
【質問】ベトナム語を学ぶことで新しい言語・文化への理解が日本語教育にどのような豊かさや多様性をもたらしましたか?
ベトナム語を学んで一番良かったなと思ったのが、結構ベトナム語と日本語で意味が同じで似た発音の言葉があるので、それを学生に教えられるの良かったかな。この文法はベトナム語で言うと~ですよとか。
なるほど、日本語だけで授業を進める日本語教師とは、教え方が一味違いますね。理解しやすい。
あとは普通のベトナム語だけじゃなくて、学生が使うベトナムの若者言葉を授業中入れると教師と学生の距離が近づくことができて良いです。学生同士が授業中ベトナム語で話している時に『それは~だよ』とベトナム語で言ってやると学生は『先生はベトナム語がわかっている』と思うので、授業中に変なことは出来ないなと学生に思わせる事も出来ますね(笑)。
xseedsへの関わり方は変化したのか?
【質問】国際結婚をしている中での経験などがxseedsで働く上で役立っている事があれば教えてください。
現在私たち夫婦は日本で働いているので夫が日本で働く上でベトナム人として不安な事やどんなことで困っているのか?という事が身近に解ります。これらを学生に伝えて彼らが将来働く上の不安を解消してあげる事ができるのはxseedsで働く上でとても役立っていますね。
それは学生にとってありがたいですね。実際にどんな悩みを解決しましたか?
夫は最初日本は上下関係がすごく厳しいと思っていました。上司の意見には絶対に逆らってはいけないと思っていたんですね。けれど別にそういうわけじゃなくて、自分の意見もちゃんと伝えていいんだとだんだん理解したようです。日本で働くベトナム人はちょっと過剰に日本を恐れているというか、日本人の働き方を恐れてるんだなと感じる事があります。ベトナム人は職場環境とか上司との関わり方を怖がっている部分があると思ったので、これに関して、そこまで厳しくないんだよ、ちゃんと自分の意見を言ってもいいんだよと学生に伝えています。
家族への関わり方はどう変化したのか?
【質問】結婚後、家庭内での言語や文化のバランスをとるためにどんな工夫をしていますか?異文化間なので夫婦内での考え方にカルチャーギャップが生じることもあると思うんですけど、それを埋めるのにどんな工夫をしていますか?
異文化ギャップでストレスがないようにする工夫は、それはもう何か違いを楽しむか、あえて違いを見つけたり、違う面の良いところを見つけたりすることですね。それによって自分の引き出しが増える感覚がいいかなと思っています。そうすることで自分の異文化理解や国際感覚が豊かになっています。実際には、なんかすごいちっちゃい話ですけど、家の調味料が増えたり、料理の味付けのレパートリーが増えたりという料理文化の理解も深まり豊かになりました。これ何料理なんだろう?という風なモノもあります。コレ美味しいんだけど謎の料理みたいな(笑)。
【質問】異文化間の結婚における挑戦的な局面や困難を乗り越えるために大切だと考える要因は何ですか?
それはもうなんか全部話し合いますね。はい、こういう部分が嫌だからこうして欲しいみたいなのをハッキリと言うようにしています。もう仕事の指示みたいな感じですごくハッキリ言うようにしてます。やはり困るからってことですね。
そうなんですね。最近はどんな話し合いをしたんですか?
例えばベトナム人はありがとうとか、ごめんなさいとか日本人と比べてあまり言わないじゃないですか?私はそれがすごく嫌で、ありがとうと思ったらそれはちゃんと伝えて欲しいです。例えばこの前、夫がいつも平日はお皿を洗ってくれるんだけど、その日は疲れてたから代わってあげたんです。でも感謝の言葉が何もなく、なんか普通にお風呂に入って行ったので、私はそれがすごく嫌だったから、私皿洗いはするけど、ちょっとありがとうって言ってもらえないとできないから、言ってくださいって言ったことがあります。何か感謝をしていても言葉で言ってもらわないとちょっとがっかりしますよね。それにこういうのは1回2回とか少ない回数だったらいいですだんだん積もって来るんです。文化のギャップも楽しめないぐらいイラっとしたら、伝えるようにしています。
【質問】結婚後の生活で得た、日常の中に隠れた異文化間交流についての面白いエピソードや気づきがありますか?
いろいろあるんですが気づきでいうと、何かやっぱり日本人とベトナム人の考え方ってやっぱり似てるんだなみたいな思うところが結構あって、例えば日本とベトナムで同じようなことわざがいくつかあって、やっぱり中国から文化をもらってる同士で似ている考え方があるんだなってこの前夫と話していました。同じことわざが多かったりするんです。例えばなんですけど、『灯台下暗し』とか『朱に交われば赤くなる』はベトナムにもあることわざです。『灯台下暗し』はベトナム語でもまったく同じ言い方で『Bóng tối lại dưới ngọn hải đăng』。『朱に交われば赤くなる』は『Gần mực thì đen gần đèn thì rạng』。でもベトナムのは朱じゃなく黒なんですよ。『黒に交われば黒くなる』黒いインクの中にいると、黒くなるみたいな言い方で似てるけど表現方法が違うんです。
【質問】結婚後に、夫婦互いの文化について違った視点や理解が得られたことについて教えていただけますか?
私は会社員だし会社から給料もらって仕事をしている身なので、会社のために、休みの日も終わっていない仕事があればやったり、結構仕事中心の生活だったんですけど、夫の影響で仕事は仕事だし自分の人生は人生だし、どっちも大切にする考え方に変わりました。仕事と人生ってどっちかしか取れないものじゃなくって、どっちも両立できるものなんだなみたいな。結婚後に私の文化は変わったなと思います。また、夫がすごく気をつけてると思うのは時間を守ることです。すごく気をつけようとしてるのを感じます。
結婚後、異なる文化での生活経験が持つ豊かさや貴重さについて、濱嵜先生の考えを教えていただけますか?
全然違う文化の人と生活するので、自分の引き出しが増えるというか何か幅が広がっているのを感じます。
コミュニティへの関わり方はどう変化したのか?
【質問】ベトナムの方とコミュニケーションをする際に大事にしていることは何ですか?
何かベトナム人がよく日本人を表す時に使う表現でうまいなと思う言葉があるんですけど、それは『建前』とか『猫をかぶる』とかで、私はそうならないようにすごく気をつけて、思ったことを素直にそのまま伝える様にしています。その方がベトナム人から信頼をしてもらえると思います。ハッキリ伝えないと良くないと思ったそれを素直に伝えるようにはしています。例えば、本当は疲れてる時には『大丈夫、大丈夫!』とか言わないようにしていますし、食べ物が美味しくないなと思ったら『美味しい!』とは言わないです。
そうですね。ベトナム人は美味しくないと感じたら、美味しくないとハッキリ言いますよね。
ええ、なのでコミュニーションで大事にしていることはハッキリ言うことですね。本音と建前はできるだけなくすように心がけてます。
コミュニティやコミュニケーションの違いについて、ベトナム人や日本人にぶっちゃけて言いたい事がありますか?
まずベトナム人に対してですが、知らない人がプライベートなことを聞きすぎるのは困ります(笑)。全然知らないタクシーのおっちゃんとかが、何歳だとか、結婚してるのかとか、聞いてくるのはもうちょっと静かにしていてくださいと思います(笑)。
日本人には、なんでこういう言い方になるのか?と思う事があって、日本人同士で話すときは年上の人に敬語を使うんですけど、ベトナム人には年上でも敬語を使わない人が多いんです。それが心にひっかかってる。無意識にベトナム人を下に見てるのかなっていう感じがすごいので、なんかずっと気になります。
これすごく日本語教師的な目線なんですけど、学生は敬語とか丁寧な話し方をまず勉強するから、敬語の方が理解しやすいと言うのはあるんです。だからタメ語だったら分かりやすいっていうことではないんです。
フレンドリーな気持ちでタメ語で言っていても、そうなると誤解が生じてもったいないですね。
【質問】ベトナムでの地域社会との関わりはどうですか?町内会みたいなのはあるんですか?
町内会はホーチミン市ではないですが、田舎ではたっぷりあって、近所の人全員知り合いみたいな感じです。夫の田舎には地域の放送があって、夫のお父さんが町内会長みたいな感じだったので、家にマイクがあり、地域の各地にあるスピーカーから今日から火災防止月間ですみたいな放送をしていました。
【質問】結婚後に直面した言語や文化の違いについて、どのように乗り越えてきましたか?
そうですね。4つの段階があります。1つ目は、楽しむ。そして2つ目はどうでもいいことは気にしない、気にしすぎない。3つ目は、でも気になるなら話し合う。4つ目は話し合っても解決できないなら、時間が経つのを待つ。この4ステップです。
面白いですね。もう衝突したときの解決方法がマニュアル化できそうな。本を出してください(笑)。
【質問】結婚後、日本とベトナムの文化の違いや共通点について、どのような気づきを得ましたか?
違いで言うとベトナム人ってすごい合理的だなって感じます。どうやったら効率的にできるかと考えていて、変な忖度がない。目的のために何をしたら一番いいかみたいなところをストレートにすごい考えていますね。
共通点で言えば、意外と恥ずかしがりなところは日本人と似ているのかなっていう感じがしますね。ベトナム人って、結構自分の考えをストレートに言ったりするんですけど、実は意外と気にしてる部分もありますね。これは私の夫だけかもしれないんですけど、観光地行ったときに、他の人に写真撮ってくださいと頼むのも恥ずかしいという。
【質問】結婚を通じて得られた異文化間コミュニケーションのスキルが、日本語教育活動以外の場面でどのように役立っていますか?
さっき言ったように、自分の意思の伝え方ですね。自分の要求していることをどうしたら相手が理解してくれるのかっていうところは、生活を通じて養われたと感じています。それは夫との意識の違いがあったときだけ使うんじゃなくて、友達話してるときでも仕事でも家族が話してる時でも、何か意見の違いがあったときは、同じような伝え方をしています。そこは役立ってる感じがしますね。
【質問】最後の質問です。濱嵜先生にとって国際結婚をして日本語教育の学びになった事は何でしょうか?
伝え方を学べたこと、意見が衝突した時に自分の意見を上手に通す言い方、お願いの仕方を学べたんじゃないかな。
夫婦間の異文化コミュニケーションに関する色々な気づきを与えてもらいました。すごく勉強になりました。ありがとうございました!
ありがとうございました!
終わりに
今回の『国際結婚は仕事観にどのように関係したのか? 国際結婚と日本語教育についてインタビュー:仕事観、日本語教育について Part1』濱嵜先生のインタビューいかがでしたか?国際結婚における異文化コミュニケーションには日本語教育にとって気づきと創発の宝庫だなぁと感じました。とても興味深いお話を聞かせて頂きました。part2は同じくGEUの宮地先生のお話をお聞きしました。お楽しみに!
わたしたちの事業に関してのお問い合わせなどはこちらからお願いします。また、Facebookページをフォローしていただくと、記事更新の通知だけではなく、Facebookでしか見れない#日常の一コマをご覧いただけます。ぜひ覗きに来てください。それでは次回の更新をお楽しみに。Hẹn gặp lại nhé!(また今度!)